七五三の男の子のお祝いと言えば五歳のお祝いですが、地域によっては三歳でもお祝いしたり、家のしきたりで三歳と五歳でお祝いしたり、双方を兼ねて数えの四歳でお祝いするなど、実はお祝いする年齢に多少のばらつきが見られます。今回は、そんな男の子の七五三のお祝いについて詳しくみていきます。これから七五三のお祝いを迎えるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 男の子の七五三のお祝い
- 男の子の七五三の起源
- 七五三のお祝いとは
- 男の子の七五三の祝い年
- 七五三の当日の流れ
- 七五三の衣装は買う?それともレンタル?
- 晴れ着を一式購入する場合
- 晴れ着を一式レンタルする場合
- 産着を仕立て替える場合
- 家族のお古を活用する場合
- 七五三の衣装は和装?それとも洋装?
- 七五三の和装衣装とは
- 七五三の洋装衣装とは
- 七五三の五歳の和装衣装について
- 七五三の五歳の晴れ着を着るのに必要なもの
- 袴羽織の着付けは大人の男性とまったく同じ
- 七五三の男の子の晴れ着で人気の柄や色味を知る
- 人気の羽織の柄と意味
- 人気の色味
- 七五三の写真
- フォトスタジオや写真館の選び方
- フォトスタジオの予約は早めに
- 和服姿をより素敵にしてくれる小物3選
- まとめ
男の子の七五三のお祝い

男の子の七五三のお祝いとはどういうものなのか見ていきましょう。
男の子の七五三の起源
七五三の男の子のお祝い(五歳のお祝い)の起源となったものは、江戸時代に行われていた「袴着の儀」です。「袴着の儀」は、陰暦11月15日に五歳になった男児が人生で初めて袴に足を通すという祝儀で、宮中では「着袴の儀」と呼ばれています。
「袴着の儀」では、親族の中でもっとも信用があり尊敬されている人物が袴親となります。子供を碁盤上に吉方の方を向かせて立たせ、袴親が麻の裃をまず履かせてから袴を着せるのです。この時、袴は前腰を取って左から入れるのがしきたりだったようです。
「袴着の儀」を済ませて袴を履いたら、氏神様のところへ参詣し、親類縁者を招待して華やかな宴会を開いてお祝いするというのが一般的な流れだったと言います。
七五三のお祝いとは
七五三のお祝いは、子供の成長を祈念して行われるものです。昔の子供は、生まれてから大病などせず、無事に大人になれるということが非常に稀でした。一年でも長く生きて欲しい、頑張って長く生きて欲しいという想いと、ここまでよく成長してくれたという親の想いを氏神様に感謝と祈念という形で伝え祝ったのが、七五三お祝いの原点となったというわけです。
氏神様に参拝し、祈祷も受ける場合は、今後の健やかな成長を祈念するだけではなく、これまでの立派な成長を温かく見守ってくれていた神様にもしっかり感謝を伝えることがとても大切です。
男の子の七五三の祝い年
七五三の男の子の祝い年は、五歳がメインになりますが、それ以外に三歳も祝い年としてお祝いするという地域やご家庭もあります。また最近では、女の子が三歳と七歳と二回お祝いするのに対して、男の子はたったの一回しか七五三のお祝いがないのはあまりにも可哀そうだということから、三歳でも七五三をやるご家庭は増えてきているようです。
ちなみに、三歳の七五三のお祝いの起源となったのは、「髪置きの儀」と言われるもので、三歳になった男女が初めて髪の毛を伸ばすという祝儀です。元々男女でお祝いしていたのが、いつからか女子だけのお祝いとなったというのは興味深いところですね。この起源を知っていると、男の子が三歳のお祝いもしてなんら問題ない、むしろやった方が伝統に即していて良いのではと思われるかもしれません。
男の子の七五三のお祝い年齢は、三歳と五歳、もしくは五歳だけ、あるいは数えで四歳と定義されているわけではありません。数え年でやっても、満年齢でやっても問題ありません。三歳のお祝いを二歳または三歳、五歳のお祝いを四歳または五歳と、お祝いする年齢はその子の成長スピード、体格の良さ、家族のスケジュールなどに合わせて決めるのがおすすめです。
七五三の当日の流れ
七五三お祝いの当日の流れは、おおまかに次の通りです。
① 着付けやヘアメイク
② 写真撮影(スタジオ)
③ 神社に参拝する
④ 神社で祈祷を受ける
⑤ 写真撮影(屋外)
⑥ 食事会
写真撮影と神社への参拝の準備が前後する場合もあります。上記はあくまでも一例なので、必ずしもこの通りの順番で行う必要はありませんし、このような盛り沢山な内容で七五三のお祝いをする必要もありません。
天気が悪い日であれば、神社への参拝は後日にする、食事会は別日に予約するなど、予定を何日かに分けるというのもおすすめです。主役はあくまでも子供なので、子供の体調や調子を優先し、余裕あるスケジュールを組めるようにできると良いですね。
七五三の衣装は買う?それともレンタル?

七五三のお祝い当日の様子が分かったところで、七五三のお祝いの日の装いについてみていきましょう。洋装、和装いずれの場合もきちんとしたフォーマルな格好で臨むのが良いです。
晴れ着を一式購入する場合
七五三の衣装は、女の子のものは母方の祖父母が用意する、男の子のものは父方の祖父母が用意するといった習わしに従っている地域やご家庭もあれば、親が用意すると決めているご家庭もあります。祖父母が買わなくてはいけない、親が用意しなくてはいけないといった決まりはありませんが、その地域やご家庭で代々大事にされてきた風習や伝統といったものはあるかもしれません。もし、七五三の衣装を購入しようと考えているのであれば、あらかじめ誰が買うべきか、ルールや風習はあるのかなどを親族に相談し、確認しておくと安心でしょう。
男の子の七五三のお祝い着として選ばれるものは、五歳の羽織袴セットやスーツです。特に、お祝いを五歳の一回のみと決めているご家庭では、五歳の七五三のお祝いの衣装を購入する方向で考えている方が多い印象があります。
晴れ着を一式レンタルする場合
七五三の晴れ着は、和装・洋装問わずレンタルするという方も多いです。カラーバリエーションや柄のバリエーションが豊富というのも嬉しく、子供の気分に合わせたものを選べるのが良いと考える親が多いからです。また、着物やスーツを購入した場合、その保管場所、保管方法にも気を遣わねばならず、親の負担が大きいという悩みもありますが、レンタルであれば、クリーニングや保管について考える必要もなくなるので、有難いと感じる親は相当数いるのです。
たった一度きりの七五三お祝いで、それ以外に七五三の晴れ着を着る機会もなく、買うよりもレンタルした方がメリットが大きいと考える場合は、レンタルが大変おすすめです。通販の着物レンタルはもちろん、写真館やフォトスタジオでも衣装をレンタルできます。写真撮影と衣装レンタルプランがお得に利用できるものもあるようなので、各フォトスタジオのプランや衣装比較をして、検討してみると良いでしょう。
産着を仕立て替える場合
お宮参りの際に用いる祝着(のしめ)を誂えたという場合、できることならその祝着(産着/初着)を活用したいと思うのではないでしょうか。実は、お宮参りで用いる初着は最高で2回まで仕立て替えすることができる場合があるのです。
まず、三歳の七五三お祝いの晴れ着の着物に仕立て替えができます。袖の作り直し、肩揚げ、腰揚げをすることで、三歳児用の着物へと仕立て直せるのです。仕立て替えには2、3か月ほど時間がかかる場合があるので、早めに呉服店などに相談すると安心です。
また、一般的ではありませんが、それをさらに五歳児用の着物へと仕立て替えすることができるケースもまったくないわけではありません。その場合、腰揚げや肩揚げで丈、裄を調整し、五歳児用の着物へと仕立て直します。この仕立て替えについては、対応できる呉服店が限られているので、五歳の着物に初着を再利用したいという方は早めに呉服店に仕立て替えの可否を確認しておくと良いでしょう。
このような特殊な場合をのぞいて、一つ身の初着を五歳用の晴れ着へ仕立て替えることは難しく、二つ身や三つ身で作られた初着であれば五歳用の晴れ着への仕立て替えができるとされています。ちなみに、初着は原則一つ身で作られており、今現在二つ身や三つ身で子供の着物が仕立てられることはほとんどなくなっています。もし、将来を見据えて二つ身や三つ身で初着を誂えたいという希望がある場合は、呉服店に相談してみることを強くおすすめします。
家族のお古を活用する場合
七五三の衣装はあまり袖を通す機会がなかったということで、親のものが綺麗に保管されているということもあるでしょう。せっかくならば着せたいということで、親や祖父母、親戚の七五三衣装が再活用されるケースは意外と多いのです。
保管されていた着物を改めて使用する際に注意したいのは汚れです。カビやシミができていないか、虫食いがないか、目立つヤケがないかといった汚れの確認を事前にしておくということはとても大事です。きちんと保管していたから大丈夫と思っていても、長年タンスにしまいっぱなしにしていた着物には予想外のシミやカビが発生しているケースも少なくありません。早めに確認し、必要に応じてクリーニングや悉皆に出し、子供が着られる状態に整えておく必要があります。
また、子供のサイズに仕立て直せるかどうかというのも大事なポイントになってきます。せっかくの晴れ着であっても小さすぎて着られなかったとなっては元も子もありません。時代によって子供の体格にも差があります。子供の体格が概ね同じぐらいだから大丈夫だろうと考えていると痛い目を見ることになってしまうかもしれません。クリーニングに着物を出す際にサイズ調整もお願いできるのであれば、一緒にサイズ直しをしてもらえると安心です。
七五三の衣装は和装?それとも洋装?
七五三のお祝いの際の装いは和装でも洋装でも、フォーマルなものであれば問題ありません。中には、記念写真だけ和装も洋装も着させたという方もいらっしゃいます。
七五三の和装衣装とは
七五三の和服の衣装は三歳用のものと五歳用のもので違いがあります。
まず、三歳用の和装衣装は、着物と被布になります。着物の上に帯を締めず、代わりに被布を身に着けるという、大変可愛らしいものになります。男女の性別を問わず、この格好が七五三の三歳の晴れ着スタイルです。帯を締めないので窮屈さがなく、また動きやすさがあるということで、人によっては洋装のきちんとしたスーツスタイルよりも楽そうという理由から和服を選択される方もいるようです。
五歳用の和装衣装は、紋付の羽織袴になります。成人男性の礼装とまったく同じスタイルになるため、三歳の晴れ着よりも大人びた、フォーマルなものを着ることになるのです。ただし、大人の装いとは異なり、子供らしい絵柄が描かれているものがほとんどなので、シック過ぎる装いになることはまずありません。ちなみに、着付け方も成人男性の礼装用の着付けとまったく同じです。
七五三の洋装衣装とは
七五三の洋装衣装は洋装のフォーマル衣装に準じるので、スーツスタイル、いわゆるジャケット、スラックス、ベスト、ワイシャツ、蝶ネクタイといったものになります。色味は黒だときつすぎる印象になってしまうということから、紺色、青色、水色、緑色、薄緑色、薄茶色、白色、灰色などが定番色となっています。お父様のスーツと色が被ってしまうと主役のお子様がかすんでしまうことがあるので、できるだけ被らないように色選びをするのが良いかもしれません。
ちなみに、七五三以外に親族の結婚式でフォーマルな衣装が必要になっているという方や下に弟がいていずれ七五三用の衣装が必要になるという方は、スーツを購入されることもあるようですが、洋装衣装もレンタルされる方の方が多いようです。
七五三の五歳の和装衣装について

ここまで七五三の衣装について大まかにみてきましたが、ここでは七五三の五歳の和装衣装についてもう少し深くみていきましょう。
七五三の五歳の晴れ着を着るのに必要なもの
七五三の五歳のお祝いの晴れ着である紋付羽織袴を装うにあたって必要なものは以下の通りです。
① 着物(腰揚げ、肩揚げのしてあるもの)
② 羽織(肩揚げのしてあるもの、五つ紋付)
③ 袴
④ 袴下帯
⑤ 羽織紐(原則白色)
⑥ 半衿の付いた襦袢(さまざまな種類がある)
⑦ インナーや肌着(普段使っているもので、特に襟ぐりが大きく開いたもの)
⑧ 足袋(礼装用なので白色)
⑨ 雪駄(雪駄が履けない場合は履き慣れたスニーカーで代用可)
⑩ 末広(白扇または祝儀扇とも言う)
⑪ 懐剣袋
⑫ お守り
⑬ 腰紐
子供の着物には、あらかじめ胸のあたりに紐が付けられているものがあります。これは、腰紐や胸紐の代わりになるもので、子供が活発に動き回っても着崩れしないための工夫となっているのです。この紐がある場合は、腰紐を別途用いることはありません。
また、子供の襦袢についてはさまざまあります。大人と同じように長襦袢を着るという子もいれば、できるだけ薄着にしたいということで、ガーゼ素材や綿素材の肌着のようなものに半衿を付けて襦袢とする子もいます。襦袢の丈の長さも、動きやすくするために半襦袢丈にされているものもあります。
羽織には、第一礼装の装いとなるよう五つ紋を入れるのが一般的です。家紋を入れる方もいれば、家紋が分からないということで通紋(とおしもん/つうもん)を入れる方もいます。レンタル用の羽織は誰でも使えるように通紋になっていることがほとんどですが、まれに自分の家の家紋を選べるものもあるようです。
七五三の和装はフォーマルなものということで、少なくとも羽織には最礼装に相応しい五つ紋をいれるのですが、羽織の柄の配置具合によっては紋を入れることが難しいケースもあるようです。その場合は三つ紋にするなど紋の数が削られることがあります。
ちなみに、紋は白く染め抜く抜き紋と呼ばれるものを用いるのが正式なのですが、白色やアイボリーカラーの地色の着物にはこの技法を用いることができません。その場合に限り、別の技法で紋が入れられます。
着物はお宮参りの産着を仕立て替えして用いる方もいれば、サイズの関係で別に誂える方もいます。別に誂える場合は、印象的な華やかさがある羽織を引き立てる無地のものを仕立てる方が多いです。ちなみに、無地で仕立てたものは、袴を履かない「着流し」で着る際にも重宝し、七五三以外で子供に和服を着せたい時に活躍してくれます。
袴羽織の着付けは大人の男性とまったく同じ
五歳の男の子の羽織袴の着付けは大人の男性の紋付羽織袴の着付けとまったく同じものになり、子供だからという違いはありません。
ただし、大人の羽織袴の装いとは少し異なるのが懐剣袋とお守りの存在です。どちらも「子供を災いから守る」という意味を込めて身に着けるものですが、大人の装いには登場しないものなので、どこに付けるものなのか良く分からないと迷ってしまうかもしれませんね。
懐剣袋は袴下帯に差し込み、お守りは袴の紐に通して結んで付けてあげるのが一般的です。お守りは本人がその存在を知っていれば良いものなので、装飾品として用いるわけではありません。脇の下あたりの袴紐にくくりつけられるので、羽織や袴で隠され、基本的に外からは見えないです。
五歳の男の子の晴れ着の着付け方は以下の通りです。
① 洋装用のインナーや肌着、ステテコ(必要に応じて)を履く。足袋も履いておく。
② 襦袢を羽織らせ、背中心を合わせてから衿合わせをする。男の子からみて左側の衿が上にくるように合わせ、しっかりY字になるよう整える。この時、衣紋は抜かない。おへその上あたりで胸紐を掛け、結ぶ。
③ 着物を羽織らせる。背中心を合わせてから、前で衿合わせをする。襦袢についている半衿が少し見える程度に整え、胸紐をやや低めの位置で結ぶ。胸紐を高い位置で結んでしまうと袴下帯から見えてしまうことがあるので注意すること。着物の裾を背中心でつまみ、そのまま胸紐に引っ掛ける。3cmほど引き出しておくと安心。
④ 帯を結ぶ前に袴の丈を確認する。袴の裾がくるぶしが見えるあたりにくる袴の高さを確認し、それよりもさらに1cm程度高い位置に帯の上線が来る位置を覚える。改めて帯を手に取り、先ほどの位置を目安に帯を巻いていく。背中心から左にテサキを40cmほど取り残しておく。胴に帯を2巻きして締め、テサキを上に一結びする。
⑤ タレの方は先端から中へ中へと内側に畳み、15cmぐらいの羽根にする。羽根を中心に置き、縦半分に折ったテサキを被せ、羽にヒダを寄せながら巻き付ける。
⑥ 2、3周巻けたら胴に巻き付けている帯と着物の間にテサキの余分を入れ込む。テサキを下から引き抜いて締め、テサキを端から畳んで帯の下に差し込む。
⑦ 袴はヘラがある方を後ろにして広げ置き、片足ずつ足を入れて履かせる。袴ヒダ真ん中がズレないよう、帯と袴を着物クリップで留めておく。この時、袴の丈調整も行う。前紐を後ろの帯よりも高い位置で交差せ、帯結びの羽根にそれぞれの紐がかかるようにしながら前へ戻す。この時、帯の羽根にしっかり紐が掛かっていないと袴の着崩れに繋がるので注意すること。前に戻した紐は衿合わせと同じように中心で交差せ、交差させる前の紐の軌跡に合わせ重ねるようにして後ろへ持っていく。帯結びの下でしっかり結び留める。ここでもう一度帯結びの羽根の調整を行い、袴の前紐がきちんと掛かっている状態かどうか最終確認する。
⑧ 後ろの袴部分についているヘラを帯と背中の中にしっかり差し込み、後ろ紐を前に回す。後ろ紐は正面で前紐の下を通すようにする。この時、後ろ紐が緩まないようしっかり引いておくことが肝心。前紐の下をくぐらせた後ろ紐は衿合わせと同じように重ねる。
下になっている紐を先ほどの前紐に上から通して下に引き出す。左に流れたもう一つの紐は右に流し、再度下の紐で同じように巻く。右に流した紐は中へ中へと畳み8cm程度になるように真ん中で整える。もう片方の紐を中心に巻き付け十文字を作っていく。巻くごとに軽く締めるのが大事。
十字の縦線は、巻いている紐で最後に作る。上に引き出した紐を下に折り返して引き出し、紐先端は中央に収まるように内側に折り上げる。長すぎる場合は、適宜折り返して調整する。縦の長さは横の長さよりも短いのが良いとされている。
⑨ 懐剣は帯と帯の間に挟み、扇子はその内側に挟む。お守りは袴の紐に通して脇から袴の中に入れるようにする。お守りの紐が短い場合は、袴を着せる段階で袴紐に通しておくのがおすすめ。
⑩ 羽織を羽織らせ、羽織紐を付ける。衿は外側に折り返して完成。
七五三の男の子の晴れ着で人気の柄や色味を知る
七五三の男の子の和装衣装の柄と言えば、「兜」、「龍」、「鷹」など、カッコ良いものが多い印象をお持ちの方も多いでしょう。実際、七五三シーズンにはこのような柄の羽織を羽織った男の子たちを沢山見かけますね。このようなカッコ良い柄もの以外にも定番の柄はあるのでしょうか。
人気の羽織の柄と意味
男の子の羽織や着物によく用いられる人気の文様や柄を10個厳選し、まとめています。男の子の着物の柄選びで悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。
① 兜(かぶと)
兜は頭を守るための武具です。頭、すなわち人体の中でもっとも重要な部分を守るものということから転じて、邪気や災いから身を守って欲しいという願いが込められた柄として使われるようになりました。特に七五三の男の子の羽織や着物に描かれることが多いです。
また、地位の高い人ほど立派な兜を被ることができたということから、兜が被れるくらいの大物になって欲しいという願いが込められ、出世や大成を象徴する柄とも言われています。
② 刀
刀の柄は武士のお守りといった意味合いを持つもので、かつては戦勝を祈念して入れられていたそうです。そうした背景から、今では厄除け、お守りといったニュアンスで刀の柄を七五三の男の子の着物に入れることがあります。
③ 鷹
「空のハンター」の異名を持つ鷹の視力は人間の8倍とも10倍とも言われ、1500m先の小動物の動きまで認識することができるのです。この驚異的な視力にあやかって、先見の明が持てるように、幸運をつかみとれるようにといった願いが鷹のモチーフで表現されるようになりました。
④ 龍
架空の生き物ではありますが、その聖なるパワーに魅せられてきた人は多いですね。カッコ良さと神秘的な美しさ、驚異的なパワーを兼ね揃えた龍は、古くから富や長寿の象徴、立身出世を象徴するものとして崇められてきました。着物に描かれる龍にも同じような意味合いが込められていると言われ、息子の飛躍的な成長や出世を祈念して龍柄を選ばれる方もいらっしゃいます。また、辰年の男の子には龍文は大変人気です。
⑤ 打ち出の小槌
一寸法師や七福神の大黒天が持っている打ち出の小槌は、振れば背が伸びたり、金貨が出たりと欲しいものが手に入る縁起の良いものです。着物の柄としては吉祥文様の一つに数えられ、男女問わずさまざまな着物で見られる柄になっています。龍や鷹などの柄はちょっと仰々しいかもしれないという時には、打ち出の小槌の柄なども大変おすすめです。
⑥ 宝尽くし
宝尽くしとは、色々な宝物を並べた縁起の良い吉祥文様です。もともと中国のもので、中国の吉祥思想の一つである「八宝」もしくは「雑八宝」に由来しています。室町時代に日本にもたらされて日本風に変化し、現在のような形になったと言われています。宝尽くしも打ち出の小槌同様、男女問わず用いられる柄で、実は打ち出の小槌も宝尽くし文の一つに数えられることがあります。打ち出の小槌以外の代表的な宝には、「宝珠」、「七宝輪違い」、「宝巻・巻軸」、「分銅」、「金嚢(きんのう)・巾着」、「筒守」などがあります。これらは単独で用いられるというよりは、さまざまな宝を散らして描かれることが多いです。
⑦ 宝船
船の文様にも色々ありますが、おめでたい七五三の着物や羽織に描かれることが多いのは、宝船になります。宝船は米俵や宝珠などの宝物を積んだ帆掛け船を文様化したもので、ものによってはそこに七福神が登場する豪華な絵柄のものもあります。大変おめでたい文様であり、人生の航海が幸にあふれたものになるようにという願いが込められた、まさに七五三のお祝いに相応しい柄として人気があります。
⑧ 矢羽根
矢羽根とは、矢の上部に付ける鷲や鷹などの羽根のことで「やば」とも言い、これを文様化したものになります。武家では大切な道具として、武を尊ぶ気持ちを象徴して、衣装や家紋に矢羽根を用いたそうです。また、破魔矢と同じ邪気払いの意味も込められていることから、子供を災厄から守ってくれますようにという願いが込められた柄として男の子の着物に用いられることがあるのです。
⑨ 鼓
白拍子の舞の伴奏や能楽のお囃子で使われる鼓を着物の柄として用いているものもあります。鷹や兜などの大きなインパクトはありませんが、人とは違った個性と趣が感じられる文様として人気があります。実り多い人生や繁栄を象徴するモチーフでもあるので、メインの文様ではなくても、袖裾に小さな鼓が入っていても大変縁起が良く素敵です。
⑩ 源氏車
平安時代の主な乗り物として活躍した牛車の別称が「御所車」で、この御所車は特に『源氏物語』の雅な世界観を代表しているというところから、「源氏車」と呼ばれるようになったと言われています。また、御所車の車輪部分だけを意匠化したものが源氏車であるとも言われています。いずれも、平安時代の貴族の乗り物である御所車から発展した文様です。
源氏車は永遠に続く幸を表している模様ということもあり、兜や刀、松などと組み合わせて用いられることがよくある吉兆文様です。
人気の色味
男性の紋付羽織袴の最礼装の色は黒色(袴は仙台平の縞袴)と決まっていますが、子供の七五三の礼装は必ずしも黒色でなくてはいけないというわけではありません。黒地に兜や龍というのは定番のものとしてありますが、それ以外にもさまざまな地色のものがあり、ぼかし染めのものもあれば、グラデーション染めになっているものなど、単色の地色ではないものも多く出ています。
ちなみに、人気の色味は青色や濃青色、紺色、黒色、白色、アイボリー色、灰色、緑色、茶色などで、金や銀の箔を多く用いたものなども人気が高いです。この他にもくすみピンク系の色や山吹色のような鮮やかな黄色のものなど、明るい色味を選ばれる方も増えてきています。
着物の色味は日本の伝統色に基づいたものになっているので、同じ青色でも洋服の青色とはまたちょっとテイストが異なることがあります。好きな色味、気になる色柄のものが合った場合は、実際にお子様に試着させ、雰囲気を確認させてあげると良いでしょう。さまざまな色味を試して、「これだ!」と思える一着に出会えると良いですね。
七五三の写真
男の子の七五三のお祝いは、五歳だけとする場合、一生に一度のお祝いとなります。人生においても節目となるこのビッグイベントをきちんと形に残すということで、フォトスタジオ選びに悩まれている方もいるかもしれません。
フォトスタジオや写真館の選び方
フォトスタジオや写真館を選ぶ際、自分たちが何を大事にしているのか、何を優先にしているのかという点を明確にしておくのがおすすめです。自分たちのニーズに合ったフォトスタジオを選ぶというのがもっとも理にかなった選び方であり、後々納得できる選択だったと言えるようにもなります。
自分たちのニーズを明らかにせず、先に口コミやランキングを見てしまうと、やはりもっとも口コミで高評価を得ているスタジオやランキング上位に入っているお店に目が行ってしまいます。口コミで高評価を得ているスタジオからは、概ね満足できるサービスを受けることができますが、後々やっぱりこんなことができるスタジオにすれば良かったと後悔が出てきてしまうかもしれません。そのような後悔をしないためにも、自分たちが写真に何を求めているのかは明らかにしておいた方が良いでしょう。
チェックポイントとしては以下のようなものがあります。
・写真は室内のみ(スタジオでの撮影のみ)で大丈夫か
・写真は屋外(出張撮影)も必要か
・自宅から近い撮影場所か
・撮影スタジオや写真館に専用の駐車場はあるか
・写真撮影場所から参拝予定神社までのアクセスは良いか
・写真撮影場所から会食予定のレストランまでのアクセスは良いか
・着付けやヘアセットも対応しているスタジオか
・衣装の持ち込みはできるか、持ち込み衣装の着付けも対応しているか
・待機場所は充実しているか(口コミなどで確認)
・待機時間は短いか(口コミなどで確認)
・レンタル衣装はあるか
・レンタル衣裳は充実しているか
・撮影用の小物は充実しているか
・自分たちでも撮影が可能か(レンタルフォトスタジオという選択肢もある)
・アルバムはどれぐらいで入手できるか
・データも買うことができるのか
・データのダウンロードはいつからできるか、最大何枚まで購入できるのか
・七五三の前撮りや後撮りにも対応しているか
これらのチェックポイントを参考に、写真館やスタジオ選びをしてみてはいかがでしょうか。最近ではアルバムタイプではなく、すべてデータで受け渡しを行っているスタジオもあります。より多くの人と早く七五三の写真を共有したいということであれば、データがあると大変便利ですね。ぜひ、さまざまなお店のサービスを比較検討して、どれが自分たちに一番合っているのか検討してみてください。
フォトスタジオの予約は早めに
七五三の写真をいつ撮るのかというのはなかなか悩ましい問題かもしれません。レンタル衣装にする場合は、衣装の予約状況にもよりますが、1年を通していつ撮影を予約しても問題ないと言えます。逆に、持ち込みの衣装で撮影する場合は、衣装がいつ仕上がってくるのかによっても撮影できる時期が限られてきます。
さて、さまざまなフォトスタジオでは、七五三撮影の前撮りや後撮りを実施しています。特に前撮りプランは人気があり、割引が適用されることも多いようです。後撮りの場合は、七五三シーズンを終えているということもあり、衣装がレンタルできないケースがあると言います。10月、11月のハイシーズンで貸し出しに出ていた衣装のクリーニングなどを行う関係で衣装レンタルが受け付けられないところもあるということは覚えておくと良いかもしれません。
七五三のお祝いは11月15日が基準となっていることもあり、10月、11月の土日祝日を狙った記念撮影予約は多く、あっという間に予約枠が埋まってしまうそうです。早い方で1年近く前から写真撮影予約を入れるそうなので、どうしても11月に写真を撮りたいという方は、遅くも半年近く前ぐらいから予約を入れ始めた方が安全かもしれません。いずれにしても、秋ごろの七五三の写真撮影予約は埋まりやすいので、早めに予約するようにしましょう。もし、予約が取りやすい時期に撮影をと考えるのであれば、4月や5月頃の季節の良い時がおすすめです。
和服姿をより素敵にしてくれる小物3選
五歳の七五三お祝いの記念写真で良く使われる小物には、和傘、日本刀(偽物)が挙げられます。スタジオで撮影をする場合は、スタジオにこれらの小物があり、適宜使用させてもらえます。刀を携えたポーズや、刀を鞘から引き抜こうとしているポーズは勇ましく、とてもカッコ良いものです。
もし屋外で撮影する際に、自分で小物を用意するのであればどんなものが良いか、ここでおすすめのものを3つご紹介します。
・日本刀(偽物)
日本刀は王道のものとして大変人気があります。和服姿にもとても良く似合うので、もしお持ちであれば活用すると良いでしょう。
・如意棒(偽物)
日本刀代わりのちょっとユニークな小物として如意棒はいかがでしょうか。日本刀とはまた違ったお茶目さとカッコ良さが融合した素敵なポーズが撮影できますよ。
・和傘
天気の良い日に屋外で撮影するのであれば、和傘姿も大いにサマになることでしょう。カッコ良さだけでなく、高貴な雰囲気も出るので、神社やお寺での撮影にもぴったりです。ただし、神社やお寺での撮影は禁止されているところも多いので、事前に撮影できるか否かの確認は取っておいた方が安心です。
もし、日本刀や如意棒といったグッズがなかった場合は、差している末広を使いましょう。末広を構えた姿は威厳があって素敵ですよ。
まとめ
七五三の男の子のお祝いについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
七五三の男の子のお祝いというと五歳のお祝いがよく知られていますが、地域やご家庭によって三歳でもお祝いするところもあるのです。厳密に、男の子は五歳だけと決まっているわけでもないことから、近年は三歳でも男の子の七五三のお祝いをする方が増えてきています。
三歳の七五三の衣装は、和装であれば着物に被布という可愛らしい姿であり、五歳の七五三の衣装は、和装であれば紋付羽織袴と成人男性の礼装と同じものを身に着けることになります。年齢でまったく異なる晴れ着となるので、チャンスがあるならば両方の姿が見たい、両方の姿を記念に残したいと思われる方も多いことでしょう。
三歳の七五三は五歳の七五三よりも大変です。飽きてグズってしまったり、慣れない着物に嫌気が差して泣き出してしまったり、お腹が空いたのを我慢できなくて怒りっぽくなってしまったり、雪駄では歩けず抱っこになってしまったりと、予想外の事態に頭を悩まされることもあります。そんな大変な七五三を慣れない着物でやらせると、より大変になってしまうのではないか、それでも着物姿は記念に残しておきたいというのであれば、三歳の着物姿は記念写真撮影の時だけにするなど、子供にとって負担にならない工夫をしてあげると良いでしょう。
素敵な七五三のお祝いを実現するために参考にしてみてくださいね。

