着物を着る時に使う伊達締めにはどんな種類がある?マジックテープ式の伊達締めは着付けに便利?

着物を着る時には、着付け用の和装小物が必要になってきます。その中の一つに伊達締めと呼ばれるものがありますが、一口に伊達締めと言っても、色々な種類があることをご存知でしょうか。今回は、着付けに絶対必要な伊達締めについて、種類、素材の違いはもちろん、各種類のメリットやデメリットについても詳しく解説していきます。ぜひ、着物を着る時の参考にしてみて下さい。

目次
  1. 伊達締めとは?
  2. 伊達締めの役割
  3. 伊達締めを使用する場所とは
  4. 伊達締めはいつから用いられた?
  5. 伊達締めのタイプ
  6. 結んで使うタイプ
  7. マジックテープタイプ
  8. 結んで使うタイプの伊達締め
  9. 種類
  10. 価格帯
  11. 使い方
  12. メリットとデメリット
  13. マジックテープタイプの伊達締め
  14. 種類
  15. 価格帯
  16. 使い方
  17. メリットとデメリット
  18. 着物をレンタルする際に借りられる伊達締めはどのタイプ?
  19. マジックテープタイプと結ぶタイプそれぞれどんな人におすすめ?
  20. 着付け初心者/着物初心者
  21. 着付け上級者
  22. 怪我をしている方 腕や肩に不調がある方
  23. 伊達締めだけではない!着付けを便利にしてくれる和装小物
  24. 腰紐代わりのウェストベルト(ユナベルト)
  25. 帯板の代わりに帯板ベルト
  26. まとめ

伊達締めとは?

伊達締めの種類について見ていく前に、そもそも伊達締めとは何か、どんな時に使うものなのかについて今一度確認しておきましょう。

伊達締めの役割

伊達締めは、和装小物(着付け小物)の一つで、長襦袢の上や着物の上(帯下)に締めて、着物や長襦袢の衿元の着崩れ防止に用いる、巾の広い紐状のものです。モスリンなどの紐だけでは心もとない胸元も、伊達締めを締めることで安定感が得られるので、着崩れが防止できるのです。

伊達締めの主な役割は、着崩れ防止ですが、その他にもシワの予防や生地を傷めにくくする効果もあると考えられています。伊達締めは、着付け用の紐よりも幅が広く、締まり過ぎないことから、着物や長襦袢を着る際の着付けのシワができにくいのです。

また、着物と長襦袢の間に伊達締めを一つ挟むことで、着物と長襦袢の生地同士の摩擦を防ぐことができ、生地を傷めないよう着るのにも役立っているとされています。これは、着物と帯の生地摩擦でも同じことが言えます。着物の上に締める伊達締めは帯の土台になるとも言われ、着物生地の上では滑りやすい帯も伊達締めの上に巻くことで程良い摩擦が生じ、帯の締まりが良くなるとされています。

伊達締めを使用する場所とは

伊達締めを使用する場所は、長襦袢の上と着物の上(帯の下)の二箇所になります。いずれも伊達締めの上線部分(上端)がアンダーバストの位置にくるように締め、特に衿元崩れ防止に効果が出るように締めます。

二回同じ部位で伊達締めを巻くことで、より着崩れがしにくい着付けになるよう考えられているのです。

伊達締めはいつから用いられた?

今現在の伊達締めが用いられ始めたのは、明治時代以降とされています。それまでは、絹の長い布やしごきを伊達締め代わりに使っていたと言われています。かつては絹製の伊達締めや木綿の伊達締めといったものが一般的でしたが、今ではポリエステルなどの化繊素材のものも流通しており、より楽に伊達締めが用いられるようになってきました。

伊達締めのタイプ

伊達締めにも色々なタイプのものがありますが、大きく分けて2つのタイプに分けることができます。

結んで使うタイプ

一般的な伊達締めは、巾約10cm、長さ2mという細長い布になります。この細長い布は、前から後ろにあてがい、背中の少し高い位置で交差させ、そのまま残り紐を前へ持ってきて、二度掛けして締めるという方法で用い、衿元を安定させます。後ろで交差させて締める際に力を加減し、締まり具合を自分好みに調整することができます。

マジックテープタイプ

マジックテープタイプの伊達締めは巾約9cm、長さ90cmで、一般的な伊達締めよりも短いのが特徴です。これは、マジックテープタイプのものは背中の後ろで交差させて用いずに、胴に一巻して、マジック部分で固定するためです。結ぶ必要がないため、より簡単にきつさ調整ができる仕様になっています。

結んで使うタイプの伊達締め

ここでは、結んで使うタイプの伊達締めについて詳しく解説していきます。

種類

結んで使うタイプの伊達締めには、細布のものとシャーリングのものがあります。

細布のものは主に正絹素材のものが多いです。中でも有名なのは博多織の伊達締めで、巾10cm、長さ2mの美しい博多織は、帯や着物に隠れて見えないのが惜しいと思えるほど美しい色合いのものも多くあります。他にも木綿素材、麻素材の細布伊達締めもあります。

シャーリングの入った伊達締めは主に化繊素材でできており、脇部分にシャーリング部位が当たるので程良い締め具合になります。細布タイプよりも身体にフィットしてストレッチが効くため、動作が多い時などに大変おすすめです。

価格帯

結んで使うタイプの伊達締めは、素材によって価格帯が変動します。正絹素材のものであれば、相場は10000円前後になり、麻や木綿素材であれば4000円前後が相場となっています。シャーリングの入ったものは主にポリエステル素材になるので、2000円前後が相場となっています。

使い方

①    細布の伊達締めの締め方

・胸紐の上に伊達締めをあてる

・後ろに回して交差させて締める(後ろはやや高めが良い)

・下になっている方の伊達締めを折り上げる

・前に回して二回からげる。この時、引き締めないように気を付ける

・伊達締めの端を左右に振り分ける

・右端は上から、左端は下から、伊達締めに挟み込む

②    シャーリング入りの伊達締めの締め方

・胸紐の上に伊達締めをあてる

・後ろに回して交差させて締める(後ろはやや高めが良い)

・前に回して二回からげる。この時、引き締め過ぎないように気を付ける

・伊達締めの端を左右に振り分け、端はそれぞれ伊達締めの中に挟んで処理する

メリットとデメリット

細布の伊達締めもシャーリング素材入りの伊達締めも、自分で締める必要があるので、ある程度の練習は必要になってきます。

特に細布タイプは、締め具合を自分で調整する必要があるので、着物初心者の方には少々難しいところがあるかもしれません。後ろで交差させた際も、一度折り上げるという工程も必要になるので、いきなりトライするのはあまり得策ではないかもしれません。

その点、シャーリング入りのものは、ストレッチが効いているので、締め具合の調整が手軽にでき、初心者でも問題なく使うことができます。

素材面で見てみると、絹素材や麻素材など自然由来の素材でできた伊達締めは着物や長襦袢の生地と相性が良く、生地ダメージを少なくして締めることができます。しかし、博多織などの伊達締めは化繊素材のものに比べて硬く、しなやかさに欠けるところがあるので、慣れるのに時間を要する場合があります。

化繊素材の伊達締めはしなやかさがあるので扱いやすいという利点はありますが、通気性に関しては自然素材の物と比べるとはるかに劣るので、夏場の仕様は控えた方が良い場合もあります。今は、夏用の化繊伊達締めとしてメッシュ素材のものも出ているので、同じ化繊素材でも季節によって上手に使い分けるのがおすすめです。

マジックテープタイプの伊達締め

マジックテープタイプの伊達締めについて詳しく解説していきます。

種類

マジックテープタイプの伊達締めは、マジックベルトと呼ばれることもあります。結ぶタイプの伊達締めに比べて長さも短いため、応用が利きません。そのため、結ぶタイプの伊達締めよりも多く種類が出ているのです。伊達締めの巾は9cmや10cmぐらいが一般的で、これを並巾と呼んでいます。マジックテープタイプの伊達締めは並巾のものはもちろん、それよりも狭い巾の細巾(約4.5cm)のもの、並巾よりも巾が広い広巾(約11cm)のものがあります。長さも並尺の90cm、長尺の110cmがあり、自分の体型に合わせて伊達締めを選ぶことができるようになっているのです。色も一般的なピンク色だけではなく、赤色、黄色、水色、薄紫色などさまざまあります。

素材は化繊で、表地はポリエステル、裏はスポンジゴムとなっており、着物生地を傷めにくくかつ滑りにくい素材が活用されています。一般的なマジックテープタイプの伊達締めは少々厚みがあるのが特徴となっていますが、同じマジックテープタイプの伊達締めでもフィット伊達締めと呼ばれるメッシュ素材のマジックテープタイプ伊達締めもあり、これはかなり薄手になっています。フィット伊達締めは、裏面はスポンジゴム素材となっていますが、表はメッシュ素材となっているので、軽くて通気性に優れているため、特に夏に利用される方が多いです。

価格帯

マジックテープタイプの伊達締めは基本的に化繊素材のものになり、素材の違いによる価格差はありません。相場は大体1000円前後となることが多く、安価で利用できるということから人気も高いです。

使い方

マジックテープタイプの伊達締めの使い方

・胸紐の上に伊達締めをあてる

・そのまま胴に一周させる

・程良く締まるところでマジック部分を固定する

メリットとデメリット

マジックテープタイプの伊達締めは、着脱が楽という利点があります。特に急いでいる時などは結ぶタイプの伊達締めよりもすぐに締められるので重宝します。

しかし、多くのマジックテープ製品と同様に、劣化しやすいというデメリットもあるのです。伊達締めの場合、マジックテープ部分のくっつきが悪くなると、伊達締めとしての機能が低下し、しっかり着物や長襦袢をホールドできなくなってしまうことがあります。それが着崩れにも繋がるため、マジックテープのくっつきが悪くなってきたと思った場合は早めに買い替えるようにするのが良いでしょう。

結ぶタイプの伊達締めは何年使っていてもそれほど劣化はしないので、まず買い替える必要はありませんが、マジックテープタイプはそれに比べて買い替える頻度がどうしても上がってしまうので、人によってはコストパフォーマンスが悪いと感じることもあるでしょう。

着物をレンタルする際に借りられる伊達締めはどのタイプ?

着物をレンタルすると、着付け用の用品として和装小物一式もセットで借りることができます。その中に含まれる伊達締めはどのタイプの物か気になる方もいるのではないでしょうか。最近の着物レンタルでは、シャーリングタイプの伊達締めとマジックテープ式の伊達締め両方が含まれていることが多いです。着物を着る方、着付け師の方の好みや方針に応じて伊達締めの使い分けをするのがおすすめです。

マジックテープタイプと結ぶタイプそれぞれどんな人におすすめ?

ここまでマジックテープタイプと結ぶタイプの伊達締めについて詳しく見てきましたが、着物を着慣れていない人はどちらのタイプの伊達締めを用いるのが良いのでしょうか。

着付け初心者/着物初心者

着付けを習い始めて間もないという方や、そもそも着物自体あまり着ないという方におすすめの伊達締めは、マジックテープタイプの伊達締めになります。マジックテープの伊達締めは裏がスポンジゴム素材になっているため滑りにくく、着崩れしにくいというのも初心者の方におすすめするポイントになります。

浴衣に用いる伊達締めも、より滑りにくく、簡単に着脱ができるマジックテープ式の伊達締めは、着物や浴衣初心者の方向け商品として、着付け教室でもおすすめされることが多いです。

ただし、マジックテープタイプの伊達締めは熱がこもりやすいというデメリットがあるので、暑いシーズンはメッシュタイプのものを利用するのがおすすめです。暑がりだという方は、一年を通してメッシュ素材のものを利用されても問題ありません。自分の好みのマジックテープタイプの伊達締めを見つけてみて下さいね。

着付け上級者

自分で着物を着られる方、着物を着慣れている方、他の人にも着物を着付けてあげられる方は、意外とマジックテープではない結ぶタイプの伊達締めの方を好まれる方が多いです。その理由の一つには、マジックテープの方が締め具合をきちんと調整しきれないというのが挙げられます。

結ぶタイプの伊達締めは後ろで交差をした際に締めるのですが、自分の呼吸と共に締め付け度を調整できます。しかし、マジックテープタイプの伊達締めは結ぶタイプの伊達締めに比べてしなやかさに欠けるため、微妙な調整がしにくいというデメリットがあるのです。着付け上級者だからこそ習得している技術の良さがマジックテープタイプの伊達締めでは出にくいということのようです。

しかし、マジックテープタイプだからこそのホールド力というのは評価されており、長襦袢の衿崩れ防止用に、長襦袢の上だけはマジックテープタイプの伊達締めにし、着物の上の伊達締めは結ぶタイプのものにしているという方も多いです。

着物に着慣れている方は、着物を着るシーンや季節、ニーズなどに応じて、伊達締めを上手く使い分けてみて下さいね。

怪我をしている方 腕や肩に不調がある方

普段は結ぶタイプの伊達締めを使っているという方でも、腕や肩に問題が生じてしまったり、身体の一部に痛みがあったりしながら着物を着なくてはならないという時は、無理に結ぶタイプの伊達締めを使うのではなく、楽に用いることができるマジックテープタイプの伊達締めを使うのがおすすめです。

普段結ぶタイプしか伊達締めを使わないという方も、いざという時のためにマジックテープタイプのものを一つでも用意しておくと安心なのではないでしょうか。

伊達締めだけではない!着付けを便利にしてくれる和装小物

和装の着付けに必要不可欠な伊達締めにもさまざまな種類があることが分かりました。ちなみに、他の着付けに必要な小物も何か便利な道具があるのでしょうか。ここでは、着物初心者の方から上級者の方に至るまで、着付けをより楽にしてくれる便利アイテムについてご紹介していきます。

腰紐代わりのウェストベルト(ユナベルト)

腰紐は通常モスリン素材などの紐を用います。腰でしっかり結び留めることは着物を着る上でとても大事なことになってきますが、結び方が難しい、しっかり締まっているか分からないなど、特に着物初心者の方にとっては一つの壁になってくる部分です。

その腰紐を、ただの紐から織ゴム(総ゴム)の「ウェストベルト」と呼ばれるものに代えてみると、着付けはとても楽になります。ウェストベルトは総ゴムになっているので伸縮自在であり、さらに長さ調整ができるので、あらかじめ自分のサイズに合わせて調整することもできるのです。使い方もとても簡単で、ウェストベルトの真ん中を衽に当て、そのまま腰の後ろで交差させて締め、前で金具に端を掛ける、もしくは留め具を留めることで完成します。

帯板の代わりに帯板ベルト

帯板を用いる際、帯を巻きながら帯板を入れ込むのがなかなか難しいという話をよく耳にします。板状の帯板を自装する(自分で着付ける)時に使うのが大変という時は、帯板ベルトに代えてみるのはいかがでしょうか。帯板ベルトは帯板の両端にゴム状のベルトが付いているので、帯を巻き始める前に胴体に帯板ベルトを締め、帯板がある状態にすることができるのです。先に帯板がある状態にすることで、帯も巻きやすくなるので、大変おすすめです。

まとめ

伊達締めについて、マジックテープタイプのもの、結ぶタイプのものに大別して解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

伊達締め一つとっても、これほどさまざまな種類があるとは知らなかったという方、多かったのではないでしょうか。マジックテープタイプも、結ぶタイプも、メリットデメリットそれぞれあるので、装う季節や場所、着心地、着やすさ、気分に合わせて、各伊達締めの長所を上手に活かした使い方ができると良いですね。

伊達締め一つで着物の着心地は変わってくるので、まだ自分に合った伊達締めに出会えていないという方は、さまざまな種類を試して、「コレだ!」と思う伊達締めをぜひ探し当てて下さい。

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