京都の神社結婚式で大人気の十二単とは?ウェディングプランや魅力について解説!

十二単は、平安貴族の正装であり、日本人ならではの美意識を秘めた伝統的な装束です。
2024年度NHK大河ドラマ「光る君へ」で登場して以降、神前式の花嫁衣裳としても人気を集めています。
この記事では、十二単の魅力や色の重ね方、ウェディングプランなどについて、詳しくご紹介。

目次
  1. 十二単とは?
  2. 十二単の役割とは?
  3. 十二単の構成とは?
  4. 十二単の装束ってどんなもの?
  5. 十二単を着る順番とは?
  6. 十二単でおすすめの色の重ね方とは?
  7. 重の色目(かさねのいろめ)
  8. 襲の色目(かさねのいろめ)
  9. 織の色目(おりのいろめ)
  10. 代表的な十二単の色目15選!
  11. 十二単の代表的な色目と季節の一覧表
  12. 十二単に触れられる場とは?
  13. 皇室行事
  14. 雛人形(ひなにんぎょう)
  15. 平安時代がテーマの博物館
  16. 着物と縁の深い店舗
  17. 十二単におすすめのウェディングシーンとは?
  18. フォトウェディング
  19. 神前結婚式
  20. 十二単を着て結婚式を挙げる魅力とは?
  21. 伝統的な文化を体感できる
  22. プリンセス気分を味わえる
  23. 他のカップルと差が付きやすい
  24. 写真映えする
  25. 結婚式で十二単を着る際に気を付けておきたいポイントとは?
  26. レンタルのプラン内容を確認する
  27. 着付けをどうするかを考える
  28. 十二単の持ち込みが可能か確認しておく
  29. 花婿の衣装を考える
  30. 神前式には伝統的で優美な十二単を着よう!

十二単とは?

「十二単(じゅうにひとえ)」は、平安時代に誕生したと伝わる朝廷で働く高貴な女性のための衣装で、平安貴族の正装でした。「十二単」と聞くと、12枚の着物を着用しているように感じる人が多いかもしれませんが、実際は12枚の衣を着用していたのではありません。当時は、衣を「領(りょう)」という単位で数えるのが一般的で、5領から10領以上を重ねることもありました。

当時の資料には20枚以上の衣を着たため、重すぎて歩きづらかったという記録も残っているほど、より多くの衣をまとって華やかさを競う風習がありました。その後の、平安時代後期から鎌倉時代にかけて「5領」が定着し「五衣」になり、現在も5枚で定着しています。

また、「十二単」という名称は、後の鎌倉時代に生まれた言葉だとされています。
「十二単」は、12枚の衣を指す言葉ではなく、「晴装束(はれしょうぞく)」としての呼び名です。
「十二分(じゅうにぶん)」という言葉が象徴しているように、もともと「十二」には、「十分」や「たくさん」という意味があります。

更に、語呂がよかったことから、たくさんの衣を身に付けている様子を指して、「十二単」 と名付けたといわれています。鎌倉時代に記された軍記物語の「源平盛衰記」にも、天皇の母である建礼門院の格好について、「弥生の末の事なれば、藤がさねの十二単の御衣を召され」と記載されているのです。

十二単の役割とは?

十二単は、主に2つの役割を果たしています。

・寒さをしのぐ
地球の温暖化が進んでいる現代と比べて、平安時代は今よりも平均気温が1度ほど低く、防寒のために着物を重ねて着ていたと考えられています。

・女性の位や身分を表している
「禁色(きんじき)」の濃い紫や赤をはじめ、衣に使用されている色の一つひとつに意味があり、女性の身分や年齢などによっても色の重ね方が異なります。

十二単の構成とは?

現在では、十二単を着用する際に、次の10枚の衣装を着るのが一般的です。

・単衣 1枚

・五衣 5枚

・打衣 1枚

・表衣 1枚

・唐衣 1枚

・裳  1枚

上記の装束にちなんで、「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」とも呼ばれることもあります。

十二単の装束ってどんなもの?

十二単を構成する装束について、具体的にみていきましょう。

・単衣(ひとえ)
裏地がない単衣仕立ての着物で、元々は肌着であったものの、小袖を下着として着るようになったことから、中間着として用いられるようになりました。形は、宮中の女性が愛用していた「袿(うちき・うちぎ)」に似ていて、袿と比べて裄や丈が大きいのが特徴です。

・五衣(いつつぎぬ)
肌着の上から着用する「袿」を5枚羽織ることに由来する衣装。
昔は十数枚も着ることがあり、特に羽織る枚数は決まっていませんでしたが、12世紀末頃から5枚と定められました。衣を何枚も重ねることから、「重ね袿(かさねうちぎ)」と呼ばれることもあります。

・打衣(うちぎ)
もともとは、表地に光沢やハリを出すための「砧打ち」(きぬたうち)を行っていたことにちなむ衣で、表には綾を、裏には平絹の生地を使用。
ただ、その後はのりを付けた布地を漆塗りの板に張った後にしっかりと乾かしてからはがす技術「板引き」で光沢を出すようになりました。

・表衣(うえのきぬ)
唐衣の下、多くの衣の中で一番上に着用する袿。
下に着用した衣が見えるようにと、少し小さいサイズで作られているのが一般的です。
高級な絹織物に、縁起のよい有職文様が描かれていることが多く、豪華な雰囲気が漂っています。

・唐衣(からぎぬ)
十二単の中で最も上に着用する衣で、上に纏うことから美しく艶やかな作りの着物。
丈の短い作りが特徴です。
 「唐風の着物」という意味があり、奈良時代に中国から伝わった中国の衣装「背子」が発展した着物と考えられています。

・長袴(ながばかま)
長い裾を引きずりながら着用する筒型の装束です。
未婚と既婚では袴の色が異なり、未婚の女性は「濃色(こきいろ)」既婚の女性は「緋色(ひいろ)」を身に付けるのが定番でした。

・裳(も)
腰に巻き付けるロングスカートのような衣装。
平安時代から安土桃山時代にかけては、身分が高い女性が成人を迎えた際に、裳を初めて身に付ける「裳着(もぎ)の儀」という儀式が行われていました。
平安貴族にとって、裳は成人の証であるとともに、唐衣と同じで正装の証でもあり、身分の高い人と会う際には、必ず身に付けなくてはならない装束でした。

・檜扇(ひおうぎ)
39枚の檜の板を綴り合わせた扇。
扇本来の仰ぐことのみならず、人と会う際に顔を隠したり、ノートのように文字を書いたりと、色々な役割を果たしていました。
宮中で働く平安貴族の必需品として定着していました。

十二単を着る順番とは?

十二単を着る順番は、以下の通りです。

1. 小袖

2. 長袴

3. 単衣

4. 五衣

5. 打衣

6. 表着

7. 唐衣

8. 裳

9. 檜扇

十二単でおすすめの色の重ね方とは?

数多くの衣を羽織る十二単は、衣の色の重ね方を楽しむのが醍醐味であり、主に「重色目」「襲色目」「織色目」といった3種類の色の重ね方があります。

重の色目(かさねのいろめ)

「重の色目」とは、上下に合わせた表地と裏地の色の合わせ方のこと。
100種類以上とされる配色パターンがあるといわれています。

襲の色目(かさねのいろめ)

「襲の色目」とは、複数枚の衣を重ねた場合の半衿や袖口、裾などの色の合わせ方のこと。
200以上にも上るという色の組み合わせがあるとされるほどです。

織の色目(おりのいろめ)

「織の色目」とは、織物における縦糸(たていと)と緯糸(よこていと)の色の合わせ方のこと。

代表的な十二単の色目15選!

十二単における代表的な色目について、季節ごとに分けて説明していきます。

・紅梅色(こうばいいろ) 
「紅梅色」は、梅の花を思わせるやや紫がかった淡い紅色で、春を告げる色としても知られています。

・桜色(さくらいろ)
「桜色」とは、紫みを帯びた淡いピンク色のことで、3月下旬から4月にかけて満開を迎える桜のイメージです。

・藤色(ふじいろ)
「藤色」は、4月下旬から5月下旬に咲き誇る藤の花に通じる色で、青色が混じった薄い紫色です。

・葵色(あおいいろ)
「葵色」は、灰色を含んだ明るい紫色で、梅雨時期に見ごろを迎える葵の花に似た色味です。

・杜若色(かきつばたいろ)
「杜若色」とは、初夏に水辺で花を咲かせる杜若の花のような赤みの強い明るい紫色のことです。

・白百合色(しらゆりいろ)
「白百合色」は、夏が旬の白百合を思わせるわずかに黄色が混ざった白色で、「リリー・ホワイト」の別名で呼ばれることもあります。

・朽葉色(くちばいろ) 
「朽葉色」は、くすんだ赤茶色や黄褐色で、晩秋になり朽ちて散っていく葉っぱのイメージです。

・竜胆色(りんどういろ)
「竜胆色」は、くすんだ薄めの青紫色から明るめの青紫色まで、幅広い竜胆の花の色のことです。

・女郎花色(おみなえしいろ)
「女郎花色」とは、青みを含んだ明るい黄色のことで、女郎花の花のイメージに繋がる色です。

・椿色(つばきいろ)
「椿色」は、冬の花として知られている椿の花のような赤みを帯びた濃い目のピンク色を指します。

・枯色(かれいろ)
「枯色」とは、冬枯れ時期の物悲しい風景を思わせる淡い茶色やくすんだ黄褐色のことです。

・雪の下(はつゆきいろ)
「雪の下」は、白色と赤色を使用して、赤い梅の花の上に真っ白な雪が降り積もる冬の風景を表しています。

・海松色(みるいろ) 
海藻の海松(みる)のような「海松色」は、茶色や黒色がかった深い黄緑色で、縦糸に濃香と横糸に萌木を使用しています。

・脂燭色(しそくいろ) 
縦糸に紫を、横糸に紅を用いて織り上げた「脂燭色」は、表が紫、裏が濃い紅なのが特徴です。

・葡萄染色(えびぞめいろ)
縦糸の赤と横糸の紫を組み合わせた「葡萄染色」は、赤味を含んだ薄い紫色で、熟した山葡萄の実に似た色合いです。

色は、人それぞれに感じ方が異なり、色の組み合わせによって、季節感も表現していました。

十二単の色の重ね方は、花や植物にちなんだものが多く、日本人ならではの季節の移ろいを愛でる独特の美意識が反映されています。

十二単の代表的な色目と季節の一覧表

十二単の主な色目の表裏と季節を見やすいように、一覧表にまとめました。

色目
桜色
藤色薄紫
紅梅色紅梅蘇芳
葵色淡青薄紫
杜若色二藍萌木
百合色朽葉
朽葉色
竜胆色蘇芳
女郎花色
椿色蘇芳
枯色淡香
雪の下
通年
海松色萌葱
脂燭色濃い紅
葡萄染色蘇芳縹 ( はなだ )

十二単に触れられる場とは?

現在でも、「皇室行事」「雛人形」などで、長い歴史や伝統を受け継ぐ貴重な十二単を見られます。

皇室行事

日本固有の伝統的な衣装である十二単は、平安時代の宮中にあたる皇室の女性にも脈々と受け継がれています。
現在でも、お二方が結婚を誓う「結婚の儀」や天皇の即位を国内外に宣明する「即位礼」などの重要な皇室行事の際に、愛用されています。

雛人形(ひなにんぎょう)

 3月3日の「桃の節句」に欠かせない雛人形は、平安時代の「ひいな遊び」がルーツの人形で、天皇陛下と皇后陛下の結婚式をイメージした人形。
祭壇の最上段に飾られた「女雛(めびな)」は皇后陛下をモチーフとしていて、十二単を着用しています。

平安時代がテーマの博物館

全国各地には、京都府の「宇治市源氏物語ミュージアム」や「京都市平安京創生館」、三重県の「斎宮歴史博物館」をはじめとする平安貴族や源氏物語、斎宮(いつきのみや)などがコンセプトの博物館が点在。

平安時代がテーマの博物館でも、美しい十二単姿の平安貴族や、伊勢神宮に仕えた未婚の皇族女性である斎王(さいおう)の人形と出合えます。

着物と縁の深い店舗

着物専門店やレンタル店、平安装束レンタル店なども十二単を気軽に体験できるスポットです。

十二単を実際に着るだけでなく、中には神社への参拝プランや町歩きプラン、プロのカメラマンによる記念撮影プランなどの嬉しいオプションが用意されていることもあります。

十二単におすすめのウェディングシーンとは?

「フォトウェディング」「神前結婚式」が十二単におすすめのウェディングシーンです。

フォトウェディング

十二単は10kg以上することも珍しくないため、着なれていないと腕を上げづらかったり、歩きにくかったりと、挙式や結婚式で着用するのが大変だと感じる方もいるかもしれません。

そんな方におすすめなのが、フォトウェディングです。

フォトウェディングの流れ

1. 受付後に撮影カットや内容の確認

2. ヘアメイクを行う

3. 十二単と束帯の着付け

4. 記念写真を撮影

5. 撮影後に私服に着替える

6. 解散

神前結婚式

「三三九度(さんさんくど)」や「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」などの儀式を通じて、神社の神様に二人の結婚を誓う日本古来の「神前結婚式」。

伝統的な日本の装束である十二単は、神前結婚式や披露宴、会食などの婚礼衣装としても最適です。

神前結婚式の流れ

1. ヘアメイク後に十二単の着付け

2. 雅楽の音色に合わせて本殿に入場

3. 神職が「祓詞(はらいことば)」を唱えながら、参列者全員の心身の穢れを清める

4. 神職が神様に新郎と新婦の結婚を報告するとともに、2人の門出をお祝いする祝詞を奏上する

5. 新郎と新婦が神酒を三口ずつ飲み交わす「三三九度」を行う

6. 新郎と新婦が指輪を交換する

7. 新郎と新婦が夫婦となる誓いの言葉を読み上げる

8. 玉串を神前に供えながら、祈りと感謝を捧げる

9. 両家の親族が杯を交わす

10. 神職による挨拶

11. 新郎と新婦が会場から退場

十二単を着て結婚式を挙げる魅力とは?

十二単が密かなブームになっている現在では、十二単を着ての結婚式も人気です。

十二単を身にまとって結婚式を挙げる魅力を4つご紹介します。

伝統的な文化を体感できる

十二単は、平安貴族の晴れ着として愛用されていた日本独自の装束です。
一生に一度の晴れの舞台である結婚式で着用することで、雅な王朝文化を気軽に体験できます。

プリンセス気分を味わえる

十二単は、昭和34年(1959年)の上皇后の美智子陛下や、平成5年(1993年)の皇后の雅子陛下をはじめ、日本の女性皇族に代々受け継がれる花嫁和装の一つでもあります。

平安時代からの格式高さや華やかさが息づく十二単を身にまとうと、プリンセス気分を味わえると評判です。

他のカップルと差が付きやすい

2024年にNHKの大河ドラマ「光る君へ」が放送されて以降、じわじわと人気が高まりつつある十二単。
密かなブームといっても、和婚で定番の白無垢や色打掛と比べると、結婚式の花嫁衣装として取り入れるカップルは少なく、他のカップルと差が付きやすいです。

写真映えする

趣向を凝らした十二単は、高級な生地やおめでたい文様、美しい色合わせが特徴の豪華な装束です。
白無垢や色打掛など定番の花嫁和装とも着付け方や雰囲気が異なり、フォトウェディングや前撮りの際に写真映えするとっておきの1枚を撮影できます。

結婚式で十二単を着る際に気を付けておきたいポイントとは?

結婚式の十二単選びの際に、気を付けておきたいポイントを4つご紹介します。

レンタルのプラン内容を確認する

結婚式で十二単を着用する際には、レンタルする場合が多いかと思います。

その際には、着付けに必要な小物がどこまで付いているのか、自分でそろえるものがあるのかなど、プラン内容をしっかりと確認しておくことをおすすめします。

質問がある場合は事前に電話やメールでお店に問い合わせしたり、ネットショップを利用する場合はお客様の声も確認したりした上でお店を決めましょう。

着付けをどうするかを考える

十二単は、通常の和装とは異なり、着付けにも特別な技術と時間を要します。

神社や結婚式の会場で用意された十二単のウェディングプランの場合は大丈夫ですが、別途でレンタルする際には、着付けやヘアメイクをどこで誰にしていただくのかを考えておくことが必要。

十二単をレンタルする際に、着付けサービスや全国の着付け出張サービスがある場合は、所要時間や料金、メニューを確認した上で、予約しておくと安心です。

十二単の持ち込みが可能か確認しておく

結婚式の会場によっては、衣装の持ち込みができなかったり、衣装の持ち込みが可能でも持ち込み料などの料金が別途かかったりする場合があります。

また、十二単を着付ける際にも普段よりも広めの控室が必要です。

神社や結婚式場の十二単ウェディングプランを申し込んだ場合は別として、十二単を持ち込みたい場合は、事前に持ち込み料や控室も確認しておくのが賢明です。

花婿の衣装を考える

花嫁が十二単を着る場合の花婿の衣装としては、平安時代の男性の正装である「束帯(そくたい)」が一般的です。

色鮮やかな花嫁の十二単に対して、花婿の束帯は黒と白が中心の落ち着いた色合いで、花嫁の色使いの美しさがより際立つと評判。

十二単のレンタルを行っているお店では、束帯のレンタルも可能な場合がほとんどですので、花婿の衣装も一緒に予約しておくことをおすすめします。

神前式には伝統的で優美な十二単を着よう!

平安時代からの伝統と歴史を受け継ぎながらも、現代的なアレンジを加えて、更に魅力を増す十二単。

色の重ね方の美しさや優美な雰囲気が、時代を超えて多くの人に愛されています。

現在では、十二単の貸し出しを行う会社があったり、十二単のウェディングプランが用意された結婚式場もあったりと、和婚の花嫁衣装としても密かにブームを呼んでいます。

神社での和婚を検討している方は、日本人ならではの色彩美や伝統美が息づく優美な十二単で、結婚式を挙げてみてはいかがでしょうか。

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