結婚式に招待されたとき、男性はスーツ姿が一般的ですが、女性は洋装か和装か、和装の場合にはどんな着物で参列したら良いのか、悩む方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、既婚者を中心に、着物の格や着物の選び方など結婚式のゲスト向けの和装である「お呼ばれ着物」について、詳しく解説していきます。
- お呼ばれ着物を選ぶときの3つのポイント
- 着物の格と結婚式に最適な着物の種類
- 帯の格式
- 紋
- 未婚か既婚か
- 着物と帯の一覧表
- 立場によるお呼ばれ着物の選び方
- 新郎新婦の母
- 新郎新婦の祖母と叔母
- 新郎新婦の姉妹
- 新郎新婦のいとこ
- 友人
- 会社の同僚
- 年齢に合わせたお呼ばれ着物の選び方
- 20代・30代
- 40代・50代
- 60代以降
- 結婚式のお呼ばれ用の着物は購入?それともレンタル?
- お呼ばれ着物を購入する際のメリット
- お呼ばれ着物を購入する際のデメリット
- お呼ばれ着物をレンタルする際のメリット
- お呼ばれ着物をレンタルする際のデメリット
- お呼ばれ着物で結婚式に参列する際の注意点
- 白地の着物は控える
- 黒地の着物は避ける
- アクセサリーは極力つけない
- タブーとされる着物の柄は選ばない
- 京都きもの市場 着物宅配レンタルでお呼ばれ着物をお得に借りよう!
- 自分好みの着物を身にまとって結婚式で楽しい思い出を!
お呼ばれ着物を選ぶときの3つのポイント
結婚式のお呼ばれ着物を選ぶときに大切なポイントを、着物と帯の格式と紋、未婚か既婚かに分けて、詳しくご紹介します。
着物の格と結婚式に最適な着物の種類
着物の格は、大きく分けると、「第一礼装(正礼装)」「準礼装」「略礼装」「外出着」「普段着」の5種類。
そのうちフォーマルな結婚式にふさわしい装いは、格式が略礼装以上の着物とされています。
ここでは、結婚式にぴったりのお呼ばれ着物の種類について、詳しくみていきましょう。
黒留袖(くろとめそで)
既婚女性の着物の中で、最も格式が高い黒地の着物。裾部分にのみ模様が描かれています。
色留袖(いろとめそで)
裾に模様が描かれているのが特徴の色留袖は本来、既婚女性が黒留袖以外で格式を保つための正礼装として広く用いられていました。
しかし現在では、色留袖は未婚・既婚を問わず着用できる礼装、準礼装という位置づけになっています。
色留袖に五つ紋を入れた場合は「正礼装」、三つ紋と一つ紋を入れた場合は「準礼装」です。
振袖(ふりそで)
未婚女性の着物の中で、一番格式の高い着物。
ほかの着物に比べると袖が長いのが特徴で、袖が長ければ長いほど格式が高くなります。
訪問着(ほうもんぎ)
未婚か既婚かを問わずに着用でき、縫い目を超えて柄が続く絵羽模様が特徴の着物。お宮参りや七五三、卒入学式などでも着用されています。
色無地(いろむじ)
地色を黒以外の一色とする無地の着物で、柄が入っていないのが特徴。
基本的に、6月と9月は「単衣」、7月と8月の夏時期は「薄物」、 10月から4月までは袷と呼ばれる着物を着用するのが一般的です。
帯の格式
帯の種類は、主に丸帯と袋帯、名古屋帯、半幅帯の4種類に分けられます。
丸帯
女性用の帯の中で最も格式が高い帯で、江戸時代の中期以降に使用されていた帯。
存在感や重厚感があり、昔から礼装用の帯として使用されるのが主流でした。
袋帯
表地と裏地を袋状(筒状)に縫い合わせた帯。
結婚式で留袖や振袖、訪問着など格の高い着物をお呼ばれ着物として着る場合には、袋帯を締めるのが、一般的です。
色々な種類の袋帯の中から、特に絹織物の袋帯を選ぶと安心。
おめでたい金と銀の刺繡が入った帯や、縁起のよい正倉院文様や吉祥文様が描かれている帯なら、更に良いでしょう。
染めの袋帯は、織りの袋帯よりも格が下がりますので、染めの袋帯とカジュアルな雰囲気になりがちな紬や絞りなどの袋帯は、結婚式には避けたほうが賢明です。
名古屋帯
袋帯に比べると長さが短く、手軽に結べる帯です。
格は、袋帯よりも低く、半幅帯よりも高くなります。
紬や小紋などおしゃれ着に合わせるのがおすすめです。
半幅帯
幅が約半分であることに由来する帯で、袋帯や名古屋帯に比べて細長いのが特徴。
帯の中で一番格が低く、浴衣や普段着などのカジュアルシーンにもってこいです。
紋
着物に、自分の家の紋である「家紋(かもん)」や、誰でも自由に使用できる「通紋(つうもん)」を入れる場合があり、紋の数によっても着物の格式が変わってきます。
紋を入れる部位

背紋
着物の背中の上部につける紋。
一般的には、襟付けからおよそ7㎝の場所につけます。
抱き紋(胸紋)
着物の胸部につける紋で、「胸紋」「前紋」とも呼ばれます。
両胸に入れるのが一般的です。
袖紋
着物の左右の袖につける紋です。
五つ紋と三つ紋を入れる際に用いられます。
紋の数と格
五つ紋
最も格式の高い紋の入れ方で、紋を入れる場所は、「背紋」1つ、「抱き紋(胸紋)」2つ、「袖紋」2つの五ヶ所。
黒留袖には五つ紋を入れるのが、マナーです。
三つ紋
「背紋」1つと「袖紋」2つの3ヶ所に入れた紋。
色留袖や色無地に入れることで、準礼装扱いになります。
一つ紋
「背紋」1ヶ所に入れた紋です。
色留袖や色無地、訪問着などに入れると、準礼装としてみなされます。
未婚か既婚か
未婚か既婚かによって、着用できる着物が異なりますので、お呼ばれ着物を選ぶ際には、未婚か既婚かも重要です。
具体的には、振袖は未婚のみ、黒留袖は既婚のみ、色留袖と訪問着は未婚も既婚もともに着用できます。
着物と帯の一覧表
最後に、着物と帯の格式の概要を一覧にまとめましたので、お呼ばれ着物コーディネートや着こなし方の参考にしてください。
| 着物 | 帯 | 未婚か既婚か | 紋の数 | 格 |
| 黒留袖 | 袋帯 | 既婚 | 五つ紋 | 正礼装 |
| 色留袖 | 袋帯 | 未婚と既婚 | 五つ紋 | 正礼装 |
| 三つ紋 | 準礼装 | |||
| 一つ紋 | ||||
| 訪問着 | 袋帯 | 未婚と既婚 | 三つ紋 | 準礼装 |
| 一つ紋 | ||||
| 紋なし | ||||
| 振袖 | 袋帯 | 未婚 | 一つ紋 | 正礼装 |
| 紋なし |
訪問着は「準礼装」で、振袖は紋の数にかかわらず「正礼装」になります。
立場によるお呼ばれ着物の選び方
結婚式に出席する際の立場の違いによるお呼ばれ着物を選ぶポイントについて、ご紹介します。
新郎新婦の母
新郎新婦のお母様は、もちろん黒留袖の着用が一般的ですが、新郎新婦の希望や会場の雰囲気などによっては、黒留袖以外を着用する場合もあります。
また、両家や近しい親戚で話し合って、格式を合わせることも大切です。
新郎新婦の祖母と叔母
未婚なら「色留袖」を、既婚なら「黒留袖」を選ぶ場合が多いです。
黒留袖の場合には新郎新婦の母親よりも柄が目立たない着物を、色留袖の場合にはベージュや藤色など落ち着いた色味の着物が人気です。
新郎新婦の姉妹
未婚の場合は華やかさのある振袖を、既婚の場合は落ち着いた黒留袖を選ぶのがおすすめ。
ただ、両家の格を合わせる必要がありますので、既婚でも年齢が若い場合や明るい雰囲気の着物を着たい場合には、両家に確認の上で色留袖を着用することもあります。
新郎新婦のいとこ
いとこは、親戚のなかではやや遠縁にあたりますので、未婚なら振袖、既婚なら明るい雰囲気になる訪問着や色留袖がぴったりです。
友人
友人の立場なら、未婚の女性は振袖を、既婚の女性なら訪問着や色留袖、色無地などを選ぶのが理想です。
近年では、未婚や既婚に関わらず短期間に何度も結婚式に参列する女性や30代後半以降の女性が、結婚式に訪問着を着用する機会も増えています。
会社の同僚
基本的には、友人と同じで、未婚なら振袖、既婚なら訪問着や色留袖、色無地などを選ぶのが一般的 です。
付け下げや色無地も紋を入れることで格が上がりますので、紋が入った色無地や付け下げも結婚式に適しています。
また、小紋の中でも、「江戸小紋」に紋を入れることで訪問着と同じ格へと変わりますので、会場の雰囲気やスタイルに合う場合は、紋入りの江戸小紋であれば結婚式に着用できます。
年齢に合わせたお呼ばれ着物の選び方
お呼ばれ着物を着用する歳ごとに分けて、お呼ばれ着物の選び方を紹介していきます。
20代・30代
地味になり過ぎないように、淡いオレンジやピンク、水色などの明るくて華やかな着物がおすすめ。
40代・50代
グレーやラベンダー、グレーなどの上品で落ち着いた色合いの着物が適しています。
60代以降
薄紫やライトグレーなどの落ち着いた色味かつシンプルで上質なデザインの着物がぴったりです。
結婚式のお呼ばれ用の着物は購入?それともレンタル?
結婚式のお呼ばれ着物を用意する際には、購入する方法とレンタルする方法の2通りがあります。
お呼ばれ着物の購入時とレンタル時のメリットとデメリットについて、詳しく解説していますので、それぞれを理解した上で、自分に合った方法を選びましょう。
お呼ばれ着物を購入する際のメリット
・自分の体形に応じた着物を着用できる
・自分の好きなデザインの着物を着られる
・自分の好きな時に着物を着られる
・長期間で考えるとコスパがよい
お呼ばれ着物を購入する際のデメリット
・毎回クリーニング代が必要
・着物を保管する場所が必要
・こまめに手入れをする必要がある
・レンタルに比べると価格が高くなりがち
着物を購入する場合には、自分の好きな着物をいつでも好きな時に着用できる点が、大きな利点。
また、着物を購入する際に身丈や身幅などのサイズを測るため、自分の体にフィットした着物を着用できるのも魅力です。
一方で、着物を購入した場合には、着物を保管する場所を確保したり、着用後のクリーニングや年に数回虫干しをする必要があったりと、メンテナンスに手間や費用がかかります。
お呼ばれ着物をレンタルする際のメリット
・購入するのに比べて費用が安い
・毎回違うデザインの着物を選べる
・メンテナンスの必要がない
・使用後はそのまま返却するだけ
お呼ばれ着物をレンタルする際のデメリット
・返却期限が設定されている
・好みの着物を選べないこともある
・サイズがぴったり合わないこともある
・何度も利用することで費用が高くなる
お呼ばれ着物をレンタルする場合には、購入に比べると1回ごとの費用が安くすむ点や、レンタルする度に流行りなどに合わせて違う着物を選べるのがよいところ。
また、着物を脱いだ後にそのまま返却することが多く、着物のお手入れの手間がかからず楽にすみます。
ただ、何回もレンタルすることで合計すると着物の購入時よりも費用がかさんだり、卒業式や成人式などの混みあう時期にはお目当ての着物が選べなかったりする可能性も。
着物によっては、自分のスタイルに合わないこともあり得ます。
お呼ばれ着物で結婚式に参列する際の注意点
あくまで結婚式の主役は花嫁のため、結婚式のお呼ばれ着物を選ぶ際には、着物の色やデザイン、着物の着付けなどには注意が必要です。
お呼ばれ着物を選ぶ際にぜひ知っておきたい5つの注意点や決まりについて、詳しく解説します。
白地の着物は控える
白は、ウエディングドレスをイメージする色であることから、白のドレスで参列することはルール違反とされています。
ただ、洋装のドレスだけでなく、白の着物もマナーがないと感じる方も少なくないため、白地が多すぎる着物は避けたほうが賢明です。
黒地の着物は避ける
結婚式において、黒は新郎新婦の親族が着用する「黒留袖」に通ずる色になります。
そのため、たとえ格の高い振袖や訪問着であったとしても、結婚式には避けたほうがよいでしょう。
アクセサリーは極力つけない
一般的には、お呼ばれ着物を着る際には、簪(かんざし)やヘアアクセサリー以外の装飾品は避けたほうが無難です。
ピアスやイヤリング、時計、ネックレス、ブレスレットを身につけるのはおすすめできません。
指輪は、婚約指輪や結婚指輪のシンプルなデザインのものであれば、身につけていても大丈夫です。
タブーとされる着物の柄は選ばない
お呼ばれ着物で避けた方がいい縁起の悪い柄と理由について、表にまとめました。
| 柄 | 理由 |
| 梅 | 花びらが散る様子が「涙がこぼれる」様子に似ているため |
| 桜 | 「すぐに花びらが散ってしまう」という印象になるため |
| 椿 | 花が丸ごと落ちる様子が「首が切られる」の不吉なことに通ずるため |
| 蝶 | 花から花へと飛び回る様子が「浮気」や「移り気」を連想させるため |
| 下り藤 | 花が垂れ下がって咲く様子が「下り調子」を意味しているため |
上記の表でご紹介した柄がメインで描かれている着物は避けたほうがいいですが、単体ではなく、他の柄と一緒に描かれている着物は結婚式で着用しても、問題はありませんのでご安心を。
縁起の悪い柄がある一方で、お呼ばれ着物にふさわしい縁起のよい柄もあります。
ここからは、お呼ばれ着物にふさわしい縁起のよい柄と理由についても、ご紹介します。
吉祥文様
長寿や繁栄などの意味を持つ、古くから縁起が良いとされる伝統的な模様です。
吉祥文様の種類としては、「鶴」「亀」「末広がりの扇」などが挙げられます。
有職文様
雅な平安時代において、貴族が好んで使用していたと伝わる格調が高く優美な模様です。有職文様には、「七宝」「花菱」「亀甲文」などの種類があります。
正倉院文様
奈良時代に建立された正倉院から発見された品々に描かれていた模様です。
正倉院文様の種類には、「宝相華文」「花喰鳥文」「葡萄唐草文」などがあります。
着物に描かれた柄の一つひとつにも様々な意味が込められていますので、意味を知って選ぶことで、より心のこもった装いになります。
京都きもの市場 着物宅配レンタルでお呼ばれ着物をお得に借りよう!

自分好みの着物を身にまとって結婚式で楽しい思い出を!
この記事では、既婚者か未婚か、立場、年齢などに分けて、結婚式のお呼ばれ着物の選び方について、詳しくご説明しました。
結婚式は、新郎新婦が主役の人生の節目であり、一生に一度の晴れ舞台でもあるため、参列者もニーズに合わせたお呼ばれ着物を着用することが必要です。
お気に入りのお呼ばれ着物を身にまとった上で、大切な人の結婚式に参列して、新郎新婦と写真を撮ったり、お祝いの気持ちを伝えたりと、特別な思い出を作ってみてはいかがでしょうか。
