子供の結婚式に黒留袖を着て出席することになったけれど、髪型に決まりってあるのか知りたいという方いらっしゃることでしょう。髪の毛の長さが長ければ、結い上げてシニヨンにしたり、夜会巻きにしたりとアレンジ自在ですが、短い長さのボブカット、ショートヘアの場合でも何かセットする必要があるのか気になるところですよね。
今回は、黒留袖を装う予定のお母様で、髪の毛の長さがミディアムよりも更に短いショートヘアスタイルの方のために、黒留袖に似合うショートヘアアレンジをご紹介していきます。
- 黒留袖を装う意味を知る
- 黒留袖はミセスの第一礼装
- 黒留袖に合わせる髪型も格調高いものにする
- 黒留袖にも似合うフォーマルな髪型を知る
- 前髪は立ち上げるのがフォーマルな髪型
- 髪のボリュームの出し方でヘアスタイルの格が決まる
- 黒留袖のヘアアレンジに似合う髪飾り
- ショートヘアでもフォーマル用の髪型にアレンジする必要がある
- ショートヘアでアップスタイルの髪型にするのは可能?
- 夜会巻き風ヘアは髪の長さに関係なく作れる
- ヘアピースでカバーする
- ショートヘア向け 自分でできる黒留袖用ヘアアレンジ
- ショートヘアを留袖用にヘアアレンジする際のポイント
- ヘアセットするのに必要なもの一覧
- 毛先を遊ばせたい方向けスワンテイルスタイル
- シンプルながら洗練された髪型を望まれる方向けのボリュームスタイル
- 子供の晴れの舞台だからこそヘアセットもプロにお任せするのがおすすめ
- プロはどんな髪の長さでもアレンジすることができる
- 黒留袖からドレスに着替える場合の髪型はプロに相談
- 黒留袖に似合うメイクを知る
- まとめ
黒留袖を装う意味を知る
黒留袖に似合う髪型について見ていく前に、まず黒留袖とはどんな時に装う着物なのか、どんな意味を持つ着物なのかについて確認しておきましょう。黒留袖の着物の意味や格を知ることで、合わせる髪型の重要性についても理解が深まります。
黒留袖はミセスの第一礼装
黒留袖はミセスの第一礼装と呼ばれる着物で、5つ紋付きのものは最上格の着物として知られています。
黒留袖は一般的に仲人や親族など、結婚式に来るお客様をお迎えする立場で着られる着物です。慶事を祝う気持ちを着物や帯の色柄に託して装うものとされており、黒留袖やそれに合わせる袋帯には吉祥文様などのおめでたい柄が用いられます。金糸や銀糸を使って織られた袋帯や縁起の良い伝統的な文様を用いた着物の柄は、非常に格調高いものとなっています。
黒留袖に合わせる髪型も格調高いものにする

そもそも着物に合わせるヘアスタイルはアップスタイルのものが多く、これは衣紋を抜くこととも関連があります。女学生の袴姿に合わせるダウンスタイルの髪型は例外であり、特にフォーマルな場での和の装いはシニヨンや夜会巻きなどのアップスタイルの髪型にするのが定番です。
着物に合わせるヘアスタイルは、着物の格と釣り合いが取れるものが望ましいとされており、黒留袖に合わせる髪型は特にフォーマルな髪型で、上品さと格の高さが引き立つものが良いとされています。
奇抜な髪型は悪目立ちしてしまう可能性が高いので、オーソドックスでありながら品のある髪型にするのがおすすめです。
黒留袖にも似合うフォーマルな髪型を知る
着物に合わせる髪型にもフォーマル向けのアレンジ、カジュアル向けのアレンジがあることをご存知でしょうか。ここでは、黒留袖に似合うフォーマルな髪型について解説していきます。
前髪は立ち上げるのがフォーマルな髪型
前髪のアレンジは、アレンジ次第で雰囲気が随分と変わります。和装の場合、前髪を立ち上げてボリューム感を出すことでフォーマルな着物にも似合う品格が出るとされています。
ただし、フロントヘアのニュアンスは年代によっても異なってくるということは押さえておいた方が良いでしょう。
年齢を重ねると、毛先が顔にかかる髪型は地味に見えたり、暗い印象を与えたりすることがあります。結婚式というお祝いの席で顔を隠す髪型にしてしまうと、どうしてもネガティブな印象を与えてしまいかねないので、できるだけ前髪は立ち上げて、晴れやかな表情が出る髪型にするのが望ましいでしょう。
しかし、前髪を立ち上げ過ぎると銀座のママさんのような華やか過ぎる髪型になってしまうので、ふっくらゆたかな立ち上げぐらいがちょうど良く、おすすめです。
髪のボリュームの出し方でヘアスタイルの格が決まる
髪の毛のボリュームの出し方は、年齢や装う着物に合わせて調整するのが良いとされており、黒留袖のようなフォーマルな着物を着る際には、髪の毛にもある程度のボリュームを出すのが、着物とのバランス上良いと言われています。
全体的にふっくらと量感をだすほど年配の方向きの髪型とされていますが、あまり髪の毛に貫録を出したくないという方は、シニヨンの髷部分にボリュームが出るようなすっきりとした髪型にすると黒留袖の品格にも合い、おすすめです。
50代の方が髪の毛全体のボリュームを出し過ぎてしまうと貫禄が増してしまう可能性があります。前髪の立ち上がりとボリュームはしっかり出し、後頭部にもボリュームをもたせつつ、サイドは少しスマートにまとめてみると、すっきり感が出るのでヘアの貫禄を抑えることができます。
黒留袖のヘアアレンジに似合う髪飾り
黒留袖は着物と帯だけで十分華があるので、アクセサリーを付ける必要もないほどです。しかし、ボリュームのある髪型になんの飾りもないというのは少々不自然に見えるので、何か一つアクセントとして髪飾りを挿すのが女性らしくもあり、素敵です。
黒留袖に似合う髪飾りも格が高いものが望ましいとされているので、蒔絵かんざしやべっ甲かんざし、黄楊(つげ)のくしなど、伝統的な素材や技法を駆使して作られたものが似合います。さらに、パールや螺鈿などが組み合わされたものは華やかさが出るので、結婚式の場にもふさわしいです。
髪飾りを付ける際は、お辞儀をした時に抜け落ちることがないよう、しっかり固定しましょう。
ショートヘアでもフォーマル用の髪型にアレンジする必要がある
ここまで黒留袖と黒留袖に似合うヘアスタイルについて解説してきましたが、ショートヘアの方でもフォーマル用に何か手を加える必要があるのか気になったのではないでしょうか。結論から言いますと、ショートヘアでも黒留袖用に髪の毛をセットする必要があります。ただコームを通しただけの普段通りの髪型では黒留袖の格に負けてしまうので、黒留袖の格に負けないヘアスタイルに仕上げる必要があるのです。
また、結婚式では挨拶周りが多くなるので、挨拶をするたびに乱れる髪型というのは美しくありません。ヘアスプレーできっちり固定するにも、やはり髪型をセットした方が良いと言えるのです。
ショートヘアでアップスタイルの髪型にするのは可能?
黒留袖を装う上で、どんな長さの髪の毛であってもきちんとセットする必要があることはご理解いただけたでしょう。しかし、衿足の短いショートヘアをアップスタイルにするのはそもそも可能なのでしょうか。
夜会巻き風ヘアは髪の長さに関係なく作れる
夜会巻きのヘアスタイルというと、ある程度の長さがないとできないイメージがあると思います。実際、ボリュームのある大人っぽい夜会巻きのスタイルにするならば、ある程度の髪の長さが必要になります。しかし、夜会巻き風の髪型であれば、長さは関係なくスタイリングすることが可能なのです。
夜会巻き風の髪型とは、衿足をまとめて内側に留め、カーラーなどで巻いて後頭部にボリュームを持たせつつ、その毛先を綺麗にまとめて処理することで、一見夜会巻きのようにも見える、シンプルながら洗練された髪型を作り出すことができるのです。
衿足が3cmほどしかないという方は、小分けにして小さなゴムでまとめ、それをさらにピンで内側に留めることで綺麗に処理できます。
さらに、前髪もカーラーで巻いてカールさせてボリュームを出すことで、よりフォーマル感を出すこともできるようになるのです。
ただし、ベリーショートのような衿足がほとんどない髪型の場合は、夜会巻き風にするにもテクニックが必要となります。自分ではなかなか上手に仕上げるのは難しいこともあるので、プロにお任せすることをおすすめします。
ヘアピースでカバーする
黒留袖を着るのであれば、髪型にもこだわりたいけれど、短いヘアスタイルではどうにもできないとお悩みの方におすすめなのが、ヘアピースを用いたアレンジになります。既にシニヨンの形になっているヘアピースを用いれば、ボリューム感のある髪型を作り出すことが可能です。しかも、ヘアピースは自分で付けることができるので、自分で髪の毛をセットしたいという方にも大変おすすめです。
最近では、ヘアピースもただのシニヨンではなく、ゴージャスな形に仕上げられているものやフォーマルな場にも付けられる上品でボリュームのあるものなども売られるようになりました。
ヘアピースを購入する際、自分の髪色と色の差があると、明らかにヘアピースを付けているというのが周囲にも分かってしまいます。できるだけヘアピースを自分の髪の毛の色に近い色で探す、もしくはヘアピースの色に近くなるよう自分の髪の毛を染めるなどの工夫をして、できるだけ差が目立たないようにすることがポイントです。
ショートヘア向け 自分でできる黒留袖用ヘアアレンジ
ここまで留袖に似合う髪型やショートヘアでもスタイリングは必要という話をしてきましたが、自分でできるヘアアレンジについて知りたくなったという方もいることでしょう。ここでは、自分でできるショートヘアの方向けのヘアアレンジ方法についてご紹介していきます。
ショートヘアを留袖用にヘアアレンジする際のポイント
ショートヘアを留袖用にセットする際に気を付けるべきことは以下の3点です。
① フォーマルの髪型らしく全体的にボリュームを出す
② 挨拶で何度お辞儀をしても全く乱れないスタイリングをする
③ 衣紋にかかるような衿足にせず、うなじのラインをすっきり見せる
ここまで説明してきたように、黒留袖というフォーマルな着物を装うには、髪型もそれなりの格に仕上げる必要があります。和装のフォーマルな髪型というと、とにかく量感があること、乱れずきっちりスタイリングされていること、前髪もただ流すだけではなく、きちんと立ち上がりを付けてスタイリングされていることが必要になってきます。
このルールを守り、さらに洋装とは異なる後姿が特徴の着物姿をより美しく見せるためにも、衣紋周りはすっきり髪の毛を上げ、うなじラインを綺麗に見せるように仕上げてみましょう。
ヘアセットするのに必要なもの一覧
・ヘアブラシ
・コーム(できるだけ歯が細かいものが望ましい)
・ホットカーラー(ない場合はヘアアイロンでも可)
・アメピン(短いものから長いものまであると便利)
・Uピン
・ケープ(紫の3Dエクストラもしくは青のハードがおすすめ)
・ヘアジェル(資生堂UNOスーパーハードジェルはスタイリングしやすくキープ力が高いのでおすすめ)
・毛たぼ(髪の毛のボリュームをより出したい方におすすめ)
・髪飾り
以上がヘアセットをする上で必要となるものですが、ヘアピースを使用する予定がある方はヘアピースとヘアネットなども用意しておくと安心です。
毛先を遊ばせたい方向けスワンテイルスタイル
ショートヘアの中でもよりボブスタイルに近い髪型の方におすすめです。
① 前髪部分は少し多めに取り分け、ヘアジェルなどのスタイリング剤を付けて、カーラーで巻いておく。
② スタイリング剤を付けた毛先をカーラーやアイロンを使用して、外向きに巻く。
③ 後頭部の上の方は分け目を消すイメージで根元から髪を立たせ、必要に応じてカーラーを巻く。逆毛を立てながらケープで逆毛を補強するとよりボリューム感が出やすくなる。
④ ②でクセを付けた毛先や衿足にブラシを通し、後頭部のボリュームを崩さないようにしてスタイリングしていく。この時、毛先はできるだけ斜め上に上がるようにして、白鳥の尾っぽのようなイメージで跳ね上げるようにするのがポイント。
⑤ 後ろの髪型が決まったら、ケープを使ってしっかり固定する。特に衿足が落ちてこないよう、下からもケープを吹き付けるようにしておく。どうしても心配な箇所があったらアメピンを適宜用いて留める。
⑥ 最後に前髪をセットする。前髪は立ち上がりを付けてサイドに流すのがおすすめ。毛の流れを美しく整えることで、上品さが増す。前髪は崩れやすいので、ケープなどを用いて硬めに固定する。仕上げに髪飾りを固定して完成。
シンプルながら洗練された髪型を望まれる方向けのボリュームスタイル
ショートヘアの中でも特にベリーショートの方におすすめの髪型です。
① 前髪を少し多く取り分け、しっかりスタイリング剤を付けた上で、カーラーを巻いておく。
② 頭のトップにボリュームを出すべく、トップと後頭部の髪の毛を根元から立たせるようにブラッシングする。スタイリング剤を付け、できるだけ根元に近いところからカーラーを巻いておく。
③ 衿足部分の毛を処理する。衿足に少し長さがあるという方は、スタイリング剤をしっかり使って毛先が遊ばないよう固定する。衿足に長さがないという方は衿足の長さが整っているか確認し、必要に応じてハサミでカットする。
④ 小さな毛たぼを頭のトップに当て、それをカバーするようにカーラーで巻いたトップ部分の髪を下ろす。後頭部にもボリュームが出るよう逆毛を立てたり、必要に応じて毛たぼを用いたりしながら後ろ髪をセットしていく。毛たぼはしっかりアメピンやUピンを用いて固定すること。
⑤ 後ろ髪のセットができ、毛先の流れなども調整できたら、ケープで固定する。最後に前髪を、立ち上がりを付けてサイドにウェーブを作って流すようにセットする。前髪は特に乱れやすいので、ケープでしつこく固めておくようにする。仕上げに髪飾りを固定して完成。
子供の晴れの舞台だからこそヘアセットもプロにお任せするのがおすすめ
黒留袖に似合う自分でできるヘアアレンジについてご紹介してきましたが、結婚式当日の慌ただしい中、きちんとヘアアレンジができるのか不安という方も多いことでしょう。そんな時は無理に自分で処理しようとせず、プロのヘアスタイリストや美容院にお任せしましょう。

プロはどんな髪の長さでもアレンジすることができる
プロのヘアスタイリストは、黒留袖に似合う髪型も熟知しています。さらに、どんな髪質、髪の長さの方でもきちんと結い上げられる技術を持っているので、安心してお任せすることができます。
結婚式準備の打ち合わせの段階で、髪の毛をどのようにするかという話も当日の担当者と相談する機会があります。自分に似合う髪型で、かつ黒留袖にもマッチする髪型にはどんなものがあるのか、どんな選択肢があるのか、自分の希望を交えながら話し合いをしてみましょう。ところによっては、簡単にお試しヘアアレンジを行ってくれることもあるようです。
髪型や髪飾りに不安があるという方は、プロのヘアスタイリストや着付け師と相談することで、結婚式当日も安心して臨むことができますよ。
黒留袖からドレスに着替える場合の髪型はプロに相談
結婚式でお母様のお色直しを行う場合、もしくは披露宴後の二次会に洋装を着る場合、洋装にも似合う髪型にしておいてもらう必要がでてきます。いかにも和風の髪型は黒留袖には似合いますが、ドレスにはミスマッチということもあります。
もし、結婚式の日に和装から洋装になる予定があるという方は、そのことも含めて担当のヘアスタイリストと相談するのが良いでしょう。和装にも洋装にも合う髪型を紹介してもらえたり、和装のヘアスタイルを一部変化させることで洋装のヘアスタイルにアレンジが可能な髪型を紹介してもらうことができます。
黒留袖に似合うメイクを知る
最後に、黒留袖に似合う品のあるメイクについてご紹介していきます。
黒留袖を装う際には、落ち着きのある上品なメイクが相応しいと言われています。年齢を重ねて出てくるシミやシワ、顔のたるみなどの肌トラブルをカバーするという意味でも、陰影はあまり付けず、顔全体をふんわり明るく仕上げるのが、黒留袖などのフォーマルな着物を装う際の基本メイクになります。明るい雰囲気に仕上げることで写真写りもきれいになるので、おすすめです。
深紅の口紅や黒のアイラインなど目立つ色を使ってしまうと、逆に肌との対比が目立ってしまい、結果として老け顔に見られてしまうことがあるので注意が必要です。口紅は深紅のものよりもローズカラーの落ち着いた色味が良いでしょう。アイラインはきつくなり過ぎない程度に引くのがよく、可能であれば黒色よりも少し淡いダークグレーカラーなどのものを用いるのがおすすめです。
普段のメイクを基本に、肌馴染みの良い色を用いて、優しい雰囲気に仕上げるようにすると上品で美しいメイクになります。
まとめ
ショートヘアの方向けの黒留袖ヘアアレンジについて詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
黒留袖などのフォーマルな着物を装う際には、長さに関係なく、髪型もきちんと格式高いものにする必要があることが分かりました。ショートヘアの場合は、そもそもアレンジできる髪の毛の長さがないので、ボリューム感を出すことでフォーマルな髪型に仕上げます。
もし、黒留袖用の髪型を自分でセットしようと考えているのであれば、何度か家で練習してみると良いかもしれません。行きつけの美容室で髪をセットしてもらう場合は早めに予約や相談を行うと良いでしょう。自分に似合う素敵なフォーマルヘアスタイルで、黒留袖を美しく着こなしてみて下さい。
