孫の結婚式に参列することになった際、どんなものを着て行けば良いのか分からず困っているという方もいることでしょう。洋装にしてしまうと足元が不安だけれど、孫に対して恥ずかしい格好はできないと、気合を入れている方もいるかもしれません。
今回は、孫の結婚式に出席する予定の方の服装について詳しく解説していきます。祖母としての立場にふさわしい洋装の装い、和装の装いにはどんなものがあるのか、どんなことに注意して衣裳選びをするべきなのか、解説していきます。ぜひ参考にしてみて下さい。
- 祖母が孫の結婚式に装うべき服装とは?
- 和装
- 洋装
- 祖母が結婚式に着るものを選ぶ時の基準
- 体調
- 式中の移動の有無
- ボディラインが隠れるか否か
- 参列するシーン
- 親族の服装とのバランス
- 祖母が孫の結婚式に洋装で出席する際のコーディネートと注意点
- 70代におすすめの洋服
- 80代におすすめの洋服
- 身体にフィットするぴったりな洋服よりも、ゆったりしたものを選ぶ
- 丈の長い洋服に注意
- 履き慣れないヒール靴に注意
- アクセサリーは身体に負担が無いものを選ぶ
- 和服の方が身体は楽?結婚式に和服を選ぶメリットとは?
- 草履とヒール靴
- 全身フォーマルな装いができる
- 帯が腰のサポーターになる
- アクセサリーを身に着ける必要がない
- 祖母の立場で装う和服の種類と合わせる小物類
- 黒留袖
- 色留袖
- 和装小物
- 年代別おすすめの留袖
- 70代の祖母が装う留袖
- 80代の祖母が装う留袖
- 和洋折衷な装いとして留袖ドレスも人気
- 留袖ドレスとは?
- セレモニースーツよりも楽に装える?
- 留袖ドレスはレンタルが可能
- 祖母が孫の結婚式で着る服装に関する疑問点まとめ
- まとめ
祖母が孫の結婚式に装うべき服装とは?
祖母が孫の結婚式で装うことができるフォーマルウェアには洋装と和装の2つの種類があります。それぞれどんな装いになるのか見ていきましょう。
和装

親族として出席する結婚式では、既婚女性はミセスの第一礼装である黒留袖や五つ紋付きの色留袖、もしくは三つ紋の色留袖を装うのがマナーとなっています。ちなみに、祖母が装う黒留袖や色留袖は、花嫁花婿の母親が装う黒留袖よりもやや控えめなものが望ましく、目立ち過ぎないものが良いとされています。
洋装
フォーマルな洋装というのは丈の長さで決まるとも言われています。年齢を重ねるごとにスカート丈を長くするのがフォーマルな装いの上品さを出すと考えられていることもあり、年配の方のフォーマルドレスはくるぶし丈ぐらいの長いものが多いです。露出が多いのも上品さに欠けるということで、年齢を重ねるごとにドレスの袖丈も長くする傾向にあります。ロングワンピースやロングスカートとサテンなどの光沢あるドレスジャケットを合わせる装いは70代、80代の方に人気があります。上品であり、かつ品格が出るので、結婚式にもふさわしい素敵な装いとなるのです。
祖母が結婚式に着るものを選ぶ時の基準
若い方が結婚式に参列する際は、自分が着たいものを優先的に選ぶ傾向にあります。しかし、年を重ねると、「自分が着たい」という気持ちよりももっと優先すべきことが出てくるのです。
体調
結婚式という大切な場で体調を崩して倒れてしまうというのはもっとも避けたい事態です。体調を悪化させないためにも、服装選びでもっとも重要になってくるのは「体調面に配慮したものか否か」なのではないでしょうか。
長時間座っているのが辛い、持病の腰痛が辛い、食事をするのに楽な服装が良い、着物の締め付けは耐えられないなど、我慢してまでお洒落をすることは難しいという方も多いことでしょう。結論からすると、シニア世代の方がフォーマルな場に参列する際は、マナー面よりも体調面を優先させた服装選びをすることが望まれます。自分にとって無理のない服装で、できるだけフォーマルさを意識した装いをするのがおすすめです。
式中の移動の有無
結婚式や披露宴が執り行われる場所にもよりますが、かなりの移動を強いられることもあります。階段の上り下り、園庭への移動、部屋から部屋への移動、写真スタジオへの移動など、親族は意外と移動させられることがあるのです。そんな時に、普段履き慣れていない靴や長い丈のスカートなどを着ていると、ふとした瞬間に転びそうになったり、けがをしそうになったりすることも十分考えられます。事前に孫に確認し、どれぐらい移動をしなくてはいけないのか、どんなところを歩くことになるのかなど把握した上で、動きやすい衣裳を考えるというのも大事なのです。
ボディラインが隠れるか否か
年を重ねるごとに体型が若いころのものとは異なり、変化するというのはとても自然なことです。普段は楽な服でボディラインを隠すことができても、かっちりしているフォーマルな服装ではなかなか気になるボディラインを隠すのが難しいということがあります。できるだけ体型カバーできる服装で結婚式に参列したいということであれば、ゆったりシルエットのフォーマルドレスを選んだり、いつもよりも少し大きいサイズのものを選んだりするのがおすすめです。サイズの大きな服やゆったりシルエットのドレスは、締め付けもなく楽に装うことができるので、長時間着ていても辛くないというのは、服装選びの際の大きなポイントになるのではないでしょうか。
参列するシーン

結婚式と披露宴、二次会と全てに参加するとかなりの長丁場になります。そのため、ちょっと顔を出してお祝いするだけと、お式だけ参列するという形で済ませる方もいます。二次会には参加しないけれど、せっかくなので披露宴には参加するという方、お式の間座っているのが辛いので披露宴から参加するという方など、参列するシーンが異なることもあります。お式から二次会が終わるまでのすべてを見届けるという方は、長丁場になることを想定した服装を考えるべきですが、お式にしか参列しないというのであれば、逆に多少締め付けのある服装でも乗り切れるかもしれません。ご自身が参加されるタイミングや結婚式場にいる滞在時間や時間帯なども考慮に入れ、どの服装なら無理なく過ごせるか吟味してみると良いでしょう。
親族の服装とのバランス
親族の服装はバランスも大事になってきます。花嫁の母親が黒留袖ならば花婿との母親も黒留袖にして格を同等にするのが良く、同様に祖母も両家で差が出ないように格のバランスを取ることが大事になってきます。孫から直接、和装にして欲しいという注文がくる場合もあれば、両家の親族の話し合いで親族衣裳は洋装一択になる場合もあります。格を大事にしつつも、自分の体調に不安が残る場合はその旨を伝え、改めて親族でどんな装いにすべきかを考えるのが望ましいでしょう。
祖母が孫の結婚式に洋装で出席する際のコーディネートと注意点
ここではまず祖母が孫の結婚式に洋装で参列することになった時の服装について解説していきます。
70代におすすめの洋服
70代の方におすすめのフォーマルドレスは、ロングワンピースとフォーマルジャケットの組み合わせです。シニアファッション用のセレモニースーツなど、セットアップ商品として売り出されているものも多いです。
ジャケットはシーズンによってはシルクストールなどに替えても良いでしょう。ロングワンピースはくるぶし丈やミモレ丈ぐらいを目安にし、可能であればヒールの靴でフォーマル度を高めるのがおすすめです。
色目はやや明るめの色味が良いでしょう。シルバー系、やや落ち着きのある鶯色、藤色、渋水色などで、サテンやタフタ素材のジャケットと合わせると光沢が出て華やぎ、結婚式に装うにふさわしいものとなります。
80代におすすめの洋服
80代の方におすすめのフォーマルドレスは、70代の方のものと同じロングワンピースまたはロングスカートとフォーマルジャケットの組み合わせになります。足さばきが良いものの方が安心ということであれば、ドレスパンツなどにするのも良いでしょう。
丈は70代の方のものよりも気持ち短いもので、くるぶしから5cmほど上がっているものが望ましいです。合わせる靴はフォーマルシューズが望ましいですが、ヒールは無くても問題ありません。
色目は臙脂色、深紫色、深緑色、鼠色、紺色などの濃い色目がおすすめですが、結婚式を明るく演出したいというのであれば、シルバー系も素敵ですよ。
身体にフィットするぴったりな洋服よりも、ゆったりしたものを選ぶ
洋服のシルエットによっては、より身体にフィットしたものの方が美しく見えるものがあります。短い間だけしか着ないというのであれば、多少きつめの服でも問題ないかもしれません。しかし、結婚式のような長丁場の席では、できるだけゆったりできる服装で臨むのがおすすめです。同じスーツスタイル、セレモニースーツタイプのものでも、いつもよりワンサイズ上のものをレンタルするなど工夫することで、より快適な着心地を堪能できます。より苦しくない服装を選びたいという時には、ワンサイズ上という選択肢もあるということは覚えておくと良いでしょう。ワンサイズ上の服にすればそれだけゆとりも出るので、体型カバーにも役立ちます。
丈の長い洋服に注意
洋装においては、丈が長いほどフォーマル度が高いという話を先にも触れました。しかし、年を重ねて足元に不安を覚えるようになると、丈の長い衣裳というのは歩きにくさを感じます。特に、普段履かないパンプスと丈の長いドレスという組み合わせは転倒の危険性もあり危ないのです。年配の方がフォーマルな装いをする上で丈の長いドレスを着るというのはマナーとしてしっかり配慮された服装と言えますが、それで階段の上り下り、ちょっとした段差につまずいて骨折などをしてしまっては大変です。ぜひ、歩行に無理のない服装を選ぶようにして下さい。
おすすめは足首から10cmほど短い丈のワンピースやパンツです。故エリザベス2世が普段公務でお召しになられていたワンピースやスカートは長すぎず、短すぎない長さであったため、歩行にも支障がなく、かつ上品に見えました。足首から10cmほど短いと段差を上がる際にも裾を踏んづけるということもないので、危険性が減るのです。
履き慣れないヒール靴に注意
フォーマルな場にはヒールシューズというのが洋装の決まり事にあります。しかし、70代、80代にもなると、歩くことに不便さを感じなくても、転ばないようにと気を付けるようになります。そんな中で普段履かないヒールシューズを何年ぶりに、もしくは何十年ぶりに履いて歩くというのはかなり危なっかしいことなのではないでしょうか。この場合、あえてヒールシューズを履く必要はありません。今は、フラットシューズでも結婚式などのフォーマルな場に似合うお洒落なものもたくさん売られているので、お洒落なフラットシューズで上品な装いにするというのも素敵なのではないでしょうか。もし、歩行に難しさを覚える場合は、普段履き慣れているスニーカーシューズのようなものを履かれても問題ないでしょう。あまりにカジュアル過ぎないか不安がある場合は、孫やその母親に相談してみると良いでしょう。
アクセサリーは身体に負担が無いものを選ぶ
結婚式などの華やかな席に出席する際には、アクセサリーやジュエリーを身に着けて、格を高めて装うのが良いとされています。冠婚葬祭すべてのセレモニーで使える王道のパールアクセサリー、ダイヤモンドやエメラルドなどの石があしらわれた豪華な宝飾品などは、結婚式の場にふさわしいものとして用いられる方も多いでしょう。
しかし、これらのアクセサリーは華やかな分、重さもそれなりにあるという難点があるのです。30代、40代の頃は何とも感じなかったアクセサリーでも、年齢を重ねるごとに重さを負担に感じるようになることもあります。真珠も、粒が大きなものはそれなりの重さになるため、20個、30個と連なったパールネックレスなどは首や肩に負担が生じやすいのです。
できるだけ宝飾品による負担を軽減したいという方には、小粒のパールネックレスがおすすめです。そもそも首に何かを着けるのは避けたいという方は、コサージュなどもおすすめです。華やかなコサージュはセレモニースーツとの相性も良く、結婚式や式典などの格調高い場にもふさわしいです。そして、何よりもコサージュは宝石に比べて軽いので、身体への負担も最小限に抑えられる上、衣装生地へのダメージも少ないのです。
ネックレスではなく、同じ宝飾品のブローチであれば身体への負担が少ないということで選ばれる方もいらっしゃいます。しかし、石がしっかり付いた大きなブローチはかなりの重さがあります。身体的な負担を感じ無くても、薄い生地の洋服であれば生地が裂けてしまうこともあるので注意した方が良いと言えるでしょう。
和服の方が身体は楽?結婚式に和服を選ぶメリットとは?
結婚式で祖母が装う洋装についてみてきましたが、ここでは和装について解説していきます。和装は締め付けがあるので苦しくて大変なのではという印象がある方もいるかもしれません。しかし、意外にも和服の方が楽ということもあるのです。
草履とヒール靴

洋装の場合、フォーマルな装いに相応しいのはヒールのある靴になります。本来であれば7cmほどヒールがあるものが望ましいとされていますが、今では高さに関係なくヒールがあり、かつお洒落な装飾が施されている靴はフォーマルシューズとして履かれています。
ヒールの靴は慣れていないと若い人でも苦手だという方がいるほど、あまり足に優しい靴ではなく、見た目重視型の履物と言えるものなのです。それに比べて草履は、フォーマル用の草履とカジュアル用の草履とでは高さが違ったり、素材が違ったりといった多少の差はあっても、形は同じです。裏面に関しては真っ平であり、段差などを歩くにも楽なのです。
もし、痛みが出るとしても鼻緒の部分だけで、かつ鼻緒は調整が可能であるため、何度も直して自分にちょうど良い塩梅に整えることができるのです。より足元を楽にし、かつフォーマルさを損なわないような装いにしたいということであれば、草履は本当におすすめです。
全身フォーマルな装いができる
和装は装うものがはっきりと決まっています。留袖であれば、留袖、袋帯、白の帯締めや帯揚げ、末広、白足袋、草履、バッグです。これらを一緒に装うことで、トータルでフォーマルな装いとなり、格式が高くなります。しかし、洋装の場合、素材や丈の長さなどでもフォーマル度が異なるため、自分の体調などを最優先にした装いを考えていると全身フォーマルなコーディネートにするのはなかなか難しい場合もあるのです。
写真にも残るのだからしっかりした装いをして、孫を祝福したいと考えるのであれば、洋装ではなく和装にしてみるのはいかがでしょうか。
帯が腰のサポーターになる
着物は帯が辛いという声もよく耳にしますが、逆に帯が腰のサポーターとなって腰回りを楽にしてくれるということもあるのです。帯は着崩れないようにするため、それなりの力で締めあげ、二重太鼓結びにするのが決まりですが、これが程良く腰の腰痛ベルト的役目を果たしてくれるのです。帯は体幹を安定させる役目が期待できるので、理想的な位置で腰をキープすることが結果として、腰の痛み軽減に役立ってくれるのです。ただし、帯がきちんとした位置で締められている時に限るので、着付けの時点で痛みなどの違和感を覚えた際には、その旨を着付け師に伝え、正しい位置に再度帯を調整してもらうようにしましょう。
普段は腰痛がひどく、長時間座るのが辛かったという方でも、結婚式は黒留袖でしっかり帯を締めたことで長時間楽に座っていることができたという人もいるぐらいです。もし、着物を着慣れていない方で腰痛に不安があるという方は、衣裳合わせの際に実際に帯まで着付けてもらってはいかがでしょうか。しばらくの間和装で過ごさせてもらい、和装で腰が耐えられるかどうか試してみても良いかもしれません。
アクセサリーを身に着ける必要がない
和装の良い点にアクセサリーをあえて身に着ける必要がないというものがあります。洋装であれば、フォーマルな場に出席するならばジュエリーなどを身に着ける必要がありますが、和装は着物そのものに価値があり、宝石のように豪華なものなので、ジュエリーを身に着ける必要がないのです。ジュエリーも若いころは問題なく着けられるものですが、年を重ねるごとにジュエリーの重さが身体に堪え、負担に感じるようになります。まして結婚式のような長丁場でジュエリーをずっと身に着けているというのは身体の負担にしかならないので、できる限り着けたくないという方も多いのではないでしょうか。ジュエリーは着けたくないけれど、それなりのフォーマルな衣裳で出席したいというのであれば、ぜひ和装を格調高く装ってみて下さい。
祖母の立場で装う和服の種類と合わせる小物類
祖母が黒留袖や色留袖を装う際、どんな和装小物を持つのが良いのか気になる方もいることでしょう。ここでは祖母が孫の結婚式で装うにふさわしい着物とはどんなものなのか、合わせる小物も含めて解説していきます。
黒留袖

黒留袖は、背・両外袖・両胸の五カ所に家紋を染め抜いた「日向五つ紋付き黒地裾模様留袖」の略称で、格調高いミセスの礼装として知られています。結婚式では花嫁花婿の母親の他に、叔母(伯母)や既婚の姉妹、祖母といった親族と仲人が着る着物として知られています。
かつては短い袂は既婚女性の印であり、その名残もあって黒留袖だけは既婚女性のものと限定されています。(色留袖や訪問着などの短い袂の着物は現在未婚既婚問わず着ることができるようになっています。)
黒留袖の特徴は、裾に広がる絵羽模様と比翼仕立てになっている衿です。訪問着の絵羽模様は上半身下半身問わず伸び伸びと描かれているのが特徴ですが、黒留袖の場合は上半身に必ず紋を入れることから、文様は下半身部分のみと決まっているのです。また、礼装の着物は何枚も重ねて着た慣習の名残から「付け比翼」と言われる白い羽二重の布を衿や袖口、振り、裾の内側に着け、あたかも二枚着ているかのように見える仕立てをしています。
色留袖

色留袖は既婚・未婚問わずに着ることができる慶事用のフォーマル着物です。付ける紋の数によって、黒留袖と同じ第一礼装になったり、訪問着のような準礼装になったりします。五つ紋付きの色留袖は黒留袖と同格の着物として扱われ、親族の女性が結婚式に参列する際に着ることができます。他、黒色がNGである宮中行事では色留袖が黒留袖に代わってミセスの第一礼装として扱われます。
色留袖は黒留袖と同様、絵羽模様は裾のみに広がり、比翼仕立てになっています。
和装小物

黒留袖や色留袖に合わせる和装小物は基本的に白色で合わせます。
帯揚げは白の綸子の総絞り、もしくは白色や白色に金糸や銀糸で刺繍取りや箔置きをした綸子や縮緬のものを用います。
帯締めは白一色か金糸と白糸で豪華に組んだものを選び、平組ならば幅の広いものを、丸組ならば厚手のものを選ぶのが良いです。
半衿、長襦袢、足袋は白色のものを選び、格調高い装いにします。
末広は、黒色の漆で塗られ金の文様が描かれた親骨で、表が金色、裏が銀色の金銀扇子(祝儀扇)を選び、差します。
バッグは、フォーマル用は小さめのものを選ぶのが良いとされており、帯地など、裂地のバッグがもっとも正式なものとされてきました。特に黒留袖に合わせるバッグは、金糸や銀糸を基調とした佐賀錦、綴れ織り、紋綿織などの素材のものを選ぶ傾向にあります。
履物(草履)は、礼装用のものとしてかかとの高いものを選びます。礼装用の着物は普段着よりも長めに着付けるため、草履のかかとは高いものである必要があるのです。5cm以上の高さを目安に選ぶと良いでしょう。
草履の台か鼻緒に金銀が用いられているような豪華な草履を合わせるのが望ましいです。バッグ同様、草履にも佐賀錦などの裂地が用いられているものが正式なものとされてきましたが、近年は皮革にパール加工や金粉を施したり、鼻緒に格調高い裂地を使ったりしたものも増えてきました。
年代別おすすめの留袖
ここでは年代別におすすめの留袖について解説していきます。洋装も各世代で装うにふさわしいものがあるように、着物にも年代別の素敵な装いというものがあるのです。
70代の祖母が装う留袖


70代の祖母が装うのにおすすめの黒留袖は、模様の位置が下の方にあり、あまり目立たないながらも美しい印象を与えるものです。黒留袖の裾模様というと、龍や鳳凰など勢いのある珍獣が描かれていたり、華やかな色彩で松竹梅が描かれていたりと、華やかでゴージャスな印象があるのではないでしょうか。しかし、それ以外にも季節の花を描いたもの、風景を描いたもの、貝桶を控えめに描いたものなどもあります。特に70代の方の黒留袖は季節の花や生き物などが描かれたもの、古典柄でコンパクトにまとめたものなどがおすすめです。
色留袖も同様の柄行のものがおすすめですが、色留袖の場合は地色にも気を配ってみましょう。より黒留袖に近い印象を与えたいということであれば、濃い鼠色、濃い緑色、濃い紫色、渋い藍色などの地色の物がおすすめです。しかし、せっかくの結婚式ということなので多少明るい色目にしたいということであれば、明るい茶色、渋いピンク色、藤色、濃いアイボリー色、渋い緑色なども素敵です。
80代の祖母が装う留袖


80代の祖母が装うのにおすすめの黒留袖は、ほぼ70代の方のものと同じですが、さらに控えめな柄行のものにすると良いのではないでしょうか。貝桶などがコンパクトに描かれている、季節の花や古典柄が裾の方にコンパクトに描かれているといった具合で、華やかさもありながら落ち着きもある、そんな黒留袖がおすすめです。
色留袖の地色の色味は、渋く、落ち着きのある色味が良いでしょう。紫色、藍色、抹茶色、茶色、鼠色、濃い鼠色、小豆色、緑掛かったグレー色、青掛かったグレー色など、渋みのある色がおすすめです。柄行は流水や風景、吉兆柄、古典柄などが控えめに描かれたものが素敵なのではないでしょうか。

和洋折衷な装いとして留袖ドレスも人気
ここまで、祖母が孫の結婚式に参列する際の服装について、洋装と和装に分けて解説してきました。最近では着物を着るのは辛いけれど、できるだけ和装テイストは残したいという方は留袖ドレスという選択をされる方も増えてきています。ここでは、留袖ドレスとはどんなものなのかについてまとめています。
留袖ドレスとは?
黒留袖をドレスやワンピースにリメイクしたものを留袖ドレスと言います。黒留袖の裾の絵羽模様を美しく活かしたドレスは、格調が高く、結婚式や式典、パーティーの席などで人気が高いです。
ドレスのデザインも豊富にあり、ポンチョドレス風なデザイン、ツーピース風なデザイン、メッシュ素材など異素材と組み合わせたデザインのものなどさまざまです。袖無しAラインシルエットの留袖ドレスはセレモニースーツのジャケットと組み合わせて着こなすこともできるため、人気が高いです。
セレモニースーツよりも楽に装える?
留袖ドレスは比較的ゆったりとしたシルエットが特徴のドレスになります。これは、留袖生地を崩して仕立て直しているということに由来しており、できるだけ美しい裾模様を活かすということにも繋がっているようです。
そのため、規制のセレモニースーツやセットアップスーツなどよりも、特にウエスト周りの締め付け感が少なく、着心地が楽で良いと装われる方は多いのです。
留袖ドレスはレンタルが可能
留袖ドレスは貸衣裳店などでレンタルするのがおすすめです。実際に購入したり、自分の黒留袖をドレスにリメイクしてもらったりすると、20万円以上掛かってしまうこともあります。しかし、レンタルであればその半分の金額以下でレンタルすることが可能です。
最近では結婚式会場の併設されている貸衣裳店でも留袖ドレスが置いてあるところもあります。気になる方は試着などを申し込み、実際の着心地などを試してみるのはいかがでしょうか。
祖母が孫の結婚式で着る服装に関する疑問点まとめ
最後に、祖母が孫の結婚式で何を着るべきなのかと考える時によく疑問として耳にすることをまとめています。参考にしてみて下さい。
① 花嫁道具として持参した黒留袖を着ても大丈夫?
花嫁道具としての黒留袖は若い女性を対象にしたものなので、柄行が派手なものが多いです。同じ黒留袖を着る孫の母親よりも格が高く見えるものは装うことができないので、避けた方が無難です。
黒留袖というと、自分の子供の結婚式に装ったものを考えられる方が多いのではないでしょうか。かつては嫁入り道具の一つとして黒留袖を持たせるという風習もあり、その慣わしにのっとって黒留袖を大切にしまっている方もいらっしゃるでしょう。黒留袖は、今はあまり着る機会のない着物となってしまったこともあり、機会があるのならばぜひ自分の黒留袖をと思われるのも自然なことでしょう。
しかし、黒留袖にも年齢相応な黒留袖があるのだということは知っておいた方が良いでしょう。母親の立場ではなく祖母の立場で黒留袖を着るのであれば、母親の黒留袖を凌駕しない、控えめな絵羽模様の黒留袖が望ましいのです。もし、手元に着られる黒留袖が無いというのであれば、レンタルや貸衣裳も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
② 手元にちょうど良い留袖が無い場合は訪問着でも大丈夫?
祖母は花嫁や花婿の親族としての立場で出席するので、来賓よりも格が高い装いをすることが求められます。訪問着は来賓客の装いとなってしまうので、親族である祖母は訪問着よりも格が上である黒留袖あるいは色留袖の装いにした方が良いでしょう。
③ 内孫と外孫で装う和服は変えるべき?
一般的に、外孫と内孫で服装や服装の格を変える決まり事はありません。それぞれの結婚式が執り行われる場所、季節や気候、各家庭の慣わしや決まり事によるところが大きいので、家族間でよく話し合って決めるのが良いでしょう。
孫は孫でも内孫の結婚式には格式高い黒留袖を着るべきで、外孫の結婚式には色留袖か洋装で出席するでも良いのではないかと考えられる方もいらっしゃいます。外孫と内孫で服装を区別しなくてはいけないという決まり事はなく、むしろ各ご家庭の事情、風習によるところが大きいことなので、よく家族で話し合って決められるのが良いのではないでしょうか。
④ 花嫁花婿の母親の服装が洋装の場合は洋装に合わせるべき?
花嫁花婿の母親のドレスコードが洋装だった際、祖母も洋装にしなくてはいけないという決まりはありません。しかし、黒留袖は格が高い着物であり、ドレスによっては黒留袖の方が、はるかに格が上に見えてしまうこともあります。一般的に、花嫁花婿の母親の服装の格は祖母の服装の格よりも高いのが望ましいとされているので、可能であれば母親が洋装ならば祖母も洋装にした方が、服装のバランスも良くなるのではないでしょうか。
ただし、祖母の服装、母親の服装に関しても両家の意見合わせが重要になってくるところなので、よく話し合い、それぞれが納得する形でお祝いの意を服装に託して表現するのが良いのではないでしょうか。
まとめ
孫の結婚式に出席する祖母の服装について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
結婚式というフォーマルな場に出席するのであれば、マナーにのっとったフォーマルな装いをするのが望ましいです。しかし、それ以上に健康面に気を配った装いにすることが、70代、80代のシニア世代には求められます。美しさや格はもちろん大事な要素ではありますが、身体に負担が少なく、装っていて辛くない、動くにも問題ない服装を選ぶというのもとても大切なことになります。
服装面の格や色味は、各ご家庭で指定や決まりがあるかもしれません。衣裳合わせなどの際には、自分の健康面を考慮に入れた上で、無理なことは無理とはっきり意思表示し、説明するようにしましょう。不安が残ることについては家族と話し合い、どのシーンに参列すべきか、どのタイミングで退席できるのかなども確認しておくと安心なのではないでしょうか。
