女性の髪飾りとして欠かせない簪(かんざし)。
洋服との相性もよいかんざしですが、今回の記事では、和装姿を華やかに彩るかんざしの歴史や種類、選び方など、着物で大活躍のかんざしについて、まとめました。
- 簪(かんざし)とは?
- 簪(かんざし)の歴史とは?
- 簪(かんざし)の一本軸と二本軸の違いとは?
- 一本軸
- 二本軸
- 簪(かんざし)にはどんな種類があるの?
- 玉かんざし
- 平打ちかんざし
- 結びかんざし
- くし型かんざし
- バチ型かんざし
- つまみ細工かんざし
- 揺れものかんざし
- 簪(かんざし)の素材や装飾って?
- 簪(かんざし)に使われることの多い素材
- 簪(かんざし)に使われることの多い装飾
- 簪(かんざし)をプレゼントする意味とは?
- 男性が女性に贈る場合
- 女性が女性に贈る場合
- 簪(かんざし)の選び方とは?
- 素材で選ぶ
- 髪の長さで選ぶ
- 季節によって選ぶ
- 2025年最新トレンドの簪(かんざし)とは?
- 簪(かんざし)の挿し方とは?
- かんざしの基本的な挿し方
- 簪(かんざし)のおすすめの挿し方4選!
- 簪(かんざし)を「挿す」と「差す」の違いとは?
- 髪の長さ別人気の簪(かんざし)ヘア
- ショートヘア
- ミディアムヘア
- ロングヘア
- 簪(かんざし)のお手入れ方法とは?
- 自分に似合う簪(かんざし)を探して素敵な着物ヘアを実現!
簪(かんざし)とは?
「簪(かんざし)」とは、女性が髪に挿して着飾ったり、まとめ髪を保ったりするための日本の伝統的な髪留めのこと。
一説によると、平安時代以降に神事や饗宴の時に髪や冠に挿していた生花「挿頭花(かざし)」や、髪に挿す装飾具「髪挿し(かみざし)」が名前の由来と言われています。
簪(かんざし)の歴史とは?
簪が誕生したのは、今から 15000年ほどさかのぼる縄文時代と伝わっています。
古代の日本では先の尖った細い棒には魔除けの呪力があると信じられていて、 髪に挿すための魔除けやお守りとして重宝されていました。
奈良時代になると、現在の櫛の原型とされる髪留め「二本足の釵子(さいし)」や横長い「挽き櫛(ひきぐし)」などが伝来。
平安時代には、髪を結い上げずに自然のままに垂らした「垂髪(すべらかし)」が流行ったことで、かんざしは一時的に衰退します。
その後の安土桃山時代ころから髪を結うようになり、かんざしが現在のような髪を着飾るアイテムとして定着しました。
江戸時代に入り、日本髪が発展したことによって、武蔵野簪(むさしのかんざし)をはじめ、伝統工芸の技や意匠を凝らした色々なタイプのかんざしが誕生。単なる髪飾りではなく、工芸品としての側面も強まり、再びかんざしブームが到来します。
また、江戸時代には、金属製のかんざしは女性の護身用の武器としても、用いられていました。
簪(かんざし)の一本軸と二本軸の違いとは?
かんざしの土台となる軸(じく)が、一本のものと二本のものとがあります。
一本軸と二本軸のかんざしの特徴と違いについて、みていきましょう。
一本軸

「一本軸」は、文字通り、軸が一本のかんざしです。
二本軸よりも種類が多い定番タイプで、華奢でシンプルなイメージに仕上がるのが特徴。
お団子に挿したり、軸で巻いて留めたりして使用します。
二本軸
「二本軸」は、軸が二手に分かれたかんざし。
一本軸に比べてまとめ髪に挿したときの安定感があり 、髪から落ちにくいのが特徴です。
髪が多い方や長い方は二本軸がおすすめです。
一本軸の場合は、お団子を作ってからかんざしを挿す方法とかんざしに髪を巻いて挿す方法の2通りに活用できるのに対して、二本軸の場合はお団子を作ってからかんざしを挿すのが基本です。
簪(かんざし)にはどんな種類があるの?
かんざしにも色々な種類がありますので、かんざしの種類について、ご紹介します。
玉かんざし
「玉かんざし」は、軸の先に丸い飾り玉がついたシンプルなデザインのかんざしです。
軸部分は一本軸と二本軸の両方、飾り玉部分もとんぼ玉、ヒスイ、サンゴなど色々な種類があり、世代に関係なく使用できます。
平打ちかんざし
「平打ちかんざし」とは、一本もしくは二本の軸の先に平らな飾りが付いたかんざしのこと。
飾りの部分はべっ甲や漆などの素材がある上に、形も菱形や亀甲形、細工も透かし彫りや蒔絵など、様々な種類があります。
平打ちかんざしが誕生したのは江戸時代で、当時の女性の間では自分の家紋や思い人の家紋を透かし彫りで入れるのが流行っていました。
玉かんざしや平打ちかんざしの軸の先部分が耳かき状になっているものがありますが、これは江戸時代に「贅沢禁止令」が発令された後、「装飾品ではなく、髪飾り付きの耳かき」と言い逃れるための名残と伝わっています。
結びかんざし
「結びかんざし」は、軸の先端に結び目のある飾りがついたかんざしです。
全体的に柄が入ったものと、結び目に柄が描かれたものとがあります。
くし型かんざし
「くし型かんざし」は、髪をとかすくし(櫛)の形をしたかんざし。
日本髪にさして使用するのが特徴で、主に舞妓や花嫁の衣装、振袖と合わせることが多いです。
バチ型かんざし
「バチ型かんざし」は、三味線の弦を弾くためのバチ(撥)に似たかんざしです。
銀杏の葉や扇にも形が似ていることから、「銀杏型」「扇型かんざし」の別名でも親しまれています。
蒔絵や透かし彫りの細工が施されていたり、おめでたい柄が描かれていたりするものが多く、高級感漂うデザインのかんざしはフォーマルシーンに適しています。
つまみ細工かんざし

「つまみ細工かんざし」は、小さく切った布をつまんで折りたたんで、お花などの立体的な形に整えるという江戸時代からの伝統技術を生かしたかんざしです。
華やかな色合いのものが多く、「花かんざし」「つまみかんざし」とも呼ばれています。
結婚式や成人式、七五三、舞妓のかんざしとしても人気です。
揺れものかんざし
軸の先端に、揺れる飾りが付いたかんざしです。
動きに合わせて飾りがゆれることから、存在感もあります。
ガラスがついたものは浴衣や普段使いに、パールがついた高級感があるものはフォーマルな場面におすすめです。
簪(かんざし)の素材や装飾って?
かんざしに用いられることの多い素材や装飾を素材と装飾に分けて、詳しくみていきましょう。
簪(かんざし)に使われることの多い素材

・パール
貝から採取された宝石で、上品な色合いと繊細な光沢が特徴です。アコヤ真珠(本真珠)、白蝶真珠、黒蝶真珠、淡水真珠などの種類があります。
・金(ゴールド)
アクセサリーでお馴染みの「金」は、錆びにくく、腐食や変色しにくいのが利点です。華やかな雰囲気に仕上がります。
・銀(シルバー)
柔らかな輝きを放つ「銀」は、かんざしで人気の素材のひとつで、上品な雰囲気になります。
・真鍮(しんちゅう)
落ち着いた輝きをまとう「真鍮」は、亜鉛と銅の合金であることから、「黄銅(おうどう)」の名でも知られる金属です。表面が酸化するため、使えば使うほど深みが増します。
・象牙(ぞうげ)
「象牙」は、ゾウの歯や牙から取れる白くて硬い物質。縞目模様と美しい光沢が特徴で、高級感があります。
・べっ甲
「べっ甲」は、ウミガメの仲間である「タイマイ」の甲羅を加工したものです。透明感あふれる飴色や独自の褐色の斑点が特徴的で、上品な輝きを放っています。
・天然石
「天然石」は、自然の中で長い時間をかけて作り上げられた岩石や鉱物の総称。
特別なパワーが宿る「パワーストーン」としても知られていて、特に恋愛成就の「ローズクォーツ」、幸運の「アクアマリン」、金運の「タイガーアイ」が有名です。
・プラスチック
合成樹脂やアクリルなどの「プラスチック」もかんざしでお馴染みの素材。軽くて使いやすく、カジュアルなシーンに適しています。
簪(かんざし)に使われることの多い装飾
かんざしには、日本の伝統技術を凝らした装飾が施されています。
かんざしに用いられることの多い伝統工芸について、詳しく見ていきましょう。
・漆塗り(うるしぬり)
「漆塗り」は、木材などの原料に漆の木の樹液を塗り重ねた伝統工芸。艶やかな光沢が特徴で、耐水性や防腐性にも優れています。
・蒔絵(まきえ)
「蒔絵」は、漆製品表面に漆で描かれた模様に貝粉や金などを蒔いて、美しい絵柄を表現した伝統工芸です。独自の艶と上品な光沢が高級感を際立たせています。
・螺鈿(らでん)
「螺鈿」とは、漆地や木地に、「真珠層」という貝がら内部の美しい面をのせて研ぐ伝統工芸になります。繊細な美しさと宝石のような虹色の輝きが特徴です。
・透かし彫り(すかしぼり)
「透かし彫り」は、木材や金属などの素材をノミなどで、向こう側が透けてみえるように、彫り抜く伝統工芸です。透明感が高く、軽やかなイメージになります。
簪(かんざし)をプレゼントする意味とは?
特別な人への贈り物としても人気の高いかんざし。
男性が女性に贈る場合と、女性が女性に贈る場合とでは少し意味が異なります。
ここでは、かんざしを贈る意味について、解説します。
男性が女性に贈る場合
かんざしは古くから日本人女性に愛されてきた装飾品であり、江戸時代にはプロポーズの際に、男性が女性にプレゼントする習慣がありました。
かんざしには、魔除けやお守りの意味があると信じられていて、現在でもかんざしは深い愛情を示すアイテムとして親しまれています。
女性が女性に贈る場合
かんざしは男性が女性への愛情を表す装飾具であると同時に、女性の美しさを引き立てるアイテムでもあります。
そのため、かんざしは女性が母親や姉妹、友達などの大切な女性との絆を深めるプレゼントとしてもおすすめです。
簪(かんざし)の選び方とは?

かんざしを選ぶ際の3つのポイントについて、ご紹介します。
素材で選ぶ
かんざしの素材によって雰囲気が異なるため、シーンや着物に合わせて選ぶことが大切です。
パールやべっ甲など高級感のある素材はフォーマルシーンに、扱いやすいプラスチック製はカジュアルシーンに、トンボ玉は浴衣や普段着の着物に向いています。
髪の長さで選ぶ
髪の長さと量によっても、おすすめのかんざしが変わってきます。
ショートヘアなら短めのタイプを、ミディアムヘアやロングヘアなら長めのタイプのかんざしがおすすめ。
ショートヘアの方は1本軸を、ロングヘアの方は安定感のある2本軸のかんざしを選ぶと安心です。
季節によって選ぶ
一般的には、かんざしに季節は関係ありませんが、季節に応じた花や色のかんざしを選ぶことで、よりオシャレな雰囲気に仕上がります。
・春
春は、梅や桜などの花や蝶をモチーフにしたデザインと、新緑の黄緑や桜のピンクなどのパステルカラーを使ったかんざしが最適。
・夏
ひまわりやハイビスカスなどの花をイメージしたものと、赤や黄、青など明るい色合いのかんざしが夏にぴったりです。
・秋
秋は、菊や紅葉などの植物をモチーフにしたデザインと、紅葉に通じる赤やオレンジ、黄などの色を使用したかんざしがおすすめ。
・冬
椿や水仙などの花をイメージしたものと、雪のイメージに繋がる白や銀の色を用いたかんざしが人気です。
2025年最新トレンドの簪(かんざし)とは?

2025年に注目のかんざしは、繊細なつまみ細工や華麗な花、伝統的な水引などをモチーフにした「大きめで存在感あるかんざし」と、パールやシルバーを用いた「華やかなかんざし」、手軽に挿せるシンプルな「U型かんざし」といった3種類です。
かんざしを挿すときには、髪型とのバランスや着用シーンも大切になりますので、その時々に応じて相応しいかんざしを選ぶようにしましょう。
簪(かんざし)の挿し方とは?
実は、基本的な挿し方以外にも、色々な部分に挿せるかんざし。
ここでは、かんざしのおすすめの挿し方について、ご紹介します。
かんざしの基本的な挿し方
かんざしの挿し方には幾つかの方法がありますが、かんざしで髪をまとめる方法について、詳しくみていきましょう。
かんざしを挿す6つの手順
1.髪の毛を一つに束ねる
2.根元をしっかりと持ち上げながら2から3回ほどねじる
3.束ねた髪の左側からかんざしを挿す
4.髪の毛を左手で持ってかんざしに巻き付ける
5.かんざしを時計回りに動かす
6.かんざしを起こしながらしっかりと挿し込む
髪をかんざしに巻き付ける際に、毛先を中に入れこむことが、きれいに仕上げるためのポイントです。
簪(かんざし)のおすすめの挿し方4選!
おすすめのかんざしの挿し方を4つご紹介します。
・前挿し
「前挿し」は、かんざしを前髪の両脇、左右のこめかみ周辺に挿す方法です。
小さめの花かんざしをはじめとする小ぶりのかんざしを使用するのが一般的で、舞妓や少女に多く見られます。
・中挿し
「中挿し」は、髪を整えるための棒「笄(こうがい)」を鬢の中に挿す方法です。
・立挿し
「立挿し」は、かんざしを「鬢(びん)」と呼ばれる耳ぎわの髪に縦に挿す方法。
江戸時代の中期以降に登場したかんざしで、夏向けの団扇かんざしが代表格です。
・根挿し
「根挿し」とは、かんざしを髷の後ろ側の根元に挿すこと。平打ちかんざしによくみられる挿し方になります。
簪(かんざし)を「挿す」と「差す」の違いとは?
かんざしを「さす」という場合に、「挿す」と書く場合と、「差す」と書く場合がありますが、この意味の違いについてご存知でしょうか。
一般的に、「挿す」は「細長いものをほかの中に入れること」を意味する言葉で、「差す」は「あるものを入れるという動作」を表す言葉です。
例えば「前ざし」を例に挙げると、「前挿し」は顔の前部分に装飾的に挿すことを、「前差し」は顔の前部分に挿す行動自体を意味しています。
髪の長さ別人気の簪(かんざし)ヘア
髪の長さによっても、かんざしに合うおすすめのヘアアレンジが異なりますので、ショートヘア、ミディアムヘア、ロングヘアに分けて、人気の髪型を説明していきます。
ショートヘア
かんざしは長い髪に挿すイメージが強いかもしれませんが、実はアレンジ次第で、ショートでも楽しめます。
ショートの場合のヘアアレンジ方法は、サイドで編み込みを作る、またはアメピンをクロスさせるかの主に2通りです。
しっかりと土台を作った上で、土台に挿すことで、ショートでもかんざしを簡単につけられます。
ミディアムヘア

ミディアムヘアの方におすすめのヘアアレンジは、「くるりんぱ」と「ハープアップ」です。
・くるりんぱ
髪の毛を結んだ後に結び目に隙間をあけ、毛束を隙間に通しながらくるりと回す髪型。
・ハープアップ
全体のおよそ半分にあたる耳から上部分の髪の毛を後ろでまとめたアップヘアです。
ミディアムの長さがあれば、サイドに編み込みを作ったり、髪をねじったりして、かんざしを挿すアレンジもできます。
ロングヘア
ロングの方は、「お団子」や「夜会巻き」など、髪をアップにした上でかんざしを挿すのが定番です。
・お団子
髪全体を丸くまとめてお団子状にする髪型。お団子を作る位置が高いと元気な印象に、位置が低いと落ち着いた雰囲気になります。
・夜会巻き
明治時代に流行した髪型で、後ろ髪を一つにまとめてねじり上げ、コームで留めたヘアです。
ロングの場合は、一番自由度が高く、サイドをねじる、編み込みをする、高さを変えてハーフアップを何度か作る、ハーフアップとくるりんぱを組み合わせるなど、色々なかんざしのヘアアレンジを楽しめます。
髪の長さごとのおすすめかんざしヘア
| 髪の長さ | おすすめのかんざしヘア |
| ショート | ・編み込み・サイドでアメピンをクロス |
| ミディアムヘア | ・くるりんぱ・ハープアップ |
| ロング | ・お団子・夜会巻き |
簪(かんざし)のお手入れ方法とは?
かんざしを使用した後には、柔らかめの布で優しく汚れを拭きとるのが、長持ちの秘訣。
特に、かんざしに汗や水分がついていた場合には、変色してしまうこともありますので、水気もしっかりとふき取る必要があります。
また、金属製なら専用のクロスで磨いたり、漆器製なら柔らかいスポンジを使ってぬるま湯でさっと洗ったりするのも良いでしょう。
自分に似合う簪(かんざし)を探して素敵な着物ヘアを実現!
かんざしは、素材や種類も多く、普段使いからハレの日まで、幅広く活用できるのも魅力です。
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この記事では、かんざしの選び方や髪型別のヘアアレンジなどについても、詳しく説明していますので、自分の髪形やシーンに合ったかんざしを見つけて、華やかな着物ヘアを実現してください。
