和装の花嫁衣裳「打掛」とはどんな着物?色や柄に意味はある?

 結婚式に着る花嫁衣裳、白無垢などの和装にするか、ウェディングドレスの洋装にするか悩まれる方も多いでしょう。特に和装の場合、花嫁衣装と呼ばれるものには、白無垢、色打掛、引き振袖などがあり、その違いについてよく分からないという方も少なくないのではないでしょうか。

今回は、和装の花嫁衣裳、特に「打掛」について解説していきます。色味や柄、歴史について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
  1. 打掛とは?
  2. 和装の花嫁衣裳の一つ
  3. 白無垢の白打掛
  4. 色打掛の打掛
  5. 打掛スタイル
  6. 打掛を装う
  7. 打掛を装う際に必要な物一覧
  8. 打掛を装うのに自分で用意すべきもの
  9. 打掛に合わせる髪型
  10. 打掛の色と柄
  11. 色打掛にはどんな色がある?
  12. 打掛の柄にはどんなものがある?
  13. 打掛の歴史は室町時代から
  14. 白無垢と色打掛の役割の違い
  15. 打掛のレンタル料相場
  16. 白無垢(白打掛)のレンタル料
  17. 色打掛のレンタル料
  18. 10万円以下で借りられる打掛とは
  19. 打掛を選ぶ際のポイント
  20. 式場の雰囲気に合わせる
  21. 季節に合わせる
  22. 自分に似合うかどうかで選ぶ
  23. まとめ

打掛とは?

ここでは、そもそも打掛とはどんなものなのかについて解説していきます。

和装の花嫁衣裳の一つ

打掛は和装の花嫁衣裳の一つとして知られ、掛下と呼ばれる着物の上から羽織る、裾の長い着物のことを言います。着物の上に打ち掛けて羽織ることから「打掛」と呼ばれるようになりました。白無垢を装う際に一番上に羽織る白打掛を始め、様々な色や刺繍が施された豪華な色打掛もあります。

ちなみに、掛下とは、長襦袢の上に羽織って、帯を締めて着る着物のことです。白無垢には白無地のものを合わせて着るのが慣わしですが、色打掛に関しては必ずしも白無地でなくてはいけないということはなく、柄ものを選んで、色打掛の柄と合わせたコーデを楽しむ方も増えています。

白無垢の白打掛

白無垢を装う際に一番上に白色の打掛を羽織りますが、これを白無垢と呼んでいます。襦袢、掛下、掛下帯、抱え帯、白無垢(白打掛)全て白色で統一するのが白無垢の装いになります。

白色は花嫁の清純さを表し、また「嫁ぎ先の婚家の色に染まります」という意思を象徴していると言います。これは、洋装のウェディングドレスの白色にも通ずるところがあるのではないでしょうか。

色打掛の打掛

色打掛は赤色や金色などの地色に豪華な文様が刺繍してある打掛になります。白色の打掛以外で色味のあるものは全て色打掛と総称されています。唐織に代表される「織り」、友禅に代表される「染め」などの技法がふんだんに用いられた豪華な色打掛は、特に写真撮りの際に装われる方が多いです。

打掛スタイル

打掛を着るのにはどんな着物が必要なのか、どんな小物が必要なのか気になる方も多いでしょう。ここでは打掛を装う際のスタイルについて解説しています。

打掛を装う

打掛を装うには、まず着物を装うのと同じように肌着(肌襦袢)と裾除けを付け、長襦袢を着ます。その上に掛下と呼ばれる着物を着て、掛下帯で花嫁文庫を結びます。この文庫結びの上に打掛(白無垢や色打掛)を羽織るため、帯結びは残念ながら見ることはできませんが、文庫結びをすることで打掛のラインが美しくなるという役目があるのです。

最後に、筥迫、懐剣、末広を飾って、打掛スタイルの出来上がりになります。

打掛を装う際に必要な物一覧

打掛を装う際に必要な物を一覧にしました。

白無垢を装う際に必要なものは以下の通りです。

・白無垢

・掛下

・帯揚げ

・掛下帯(丸帯仕立て)

・筥迫

・懐剣

・襦袢(半衿付き)

・綿帽子もしくは角隠し

・肌着

・裾除け

・補正用タオル5枚から6枚

・帯締め(丸ぐけ)

・末広

・衿芯

・伊達締め2本

・腰紐6本

・コーリンベルト

・帯枕

・帯板(前板と後ろ板)

・打掛ベルト

・抱え帯

・足袋

・草履

色打掛を装う際に必要なものは以下の通りです。

・色打掛

・掛下

・帯揚げ

・掛下帯(丸帯)

・筥迫

・懐剣

・襦袢(半衿付き)

・角隠しもしくは髪飾り

・肌着

・裾除け

・補正用タオル5枚から6枚

・帯締め(丸ぐけ)

・抱え帯

・衿芯

・伊達締め2本

・腰紐6本

・コーリンベルト

・帯枕

・帯板(前板と後ろ板)

・打掛ベルト

・末広

・草履

・足袋

・ブーケ(任意)

白無垢と色打掛では掛下帯というものを用いますが、それぞれで仕様が多少異なります。元々、和装の最高礼装である婚礼衣装の白無垢には、最も格の高い帯の丸帯というものが用いられてきました。

かつては、振袖に合わせるのにも丸帯が用いられていたこともありますが、現在では婚礼用衣裳の時に用いられる以外ではあまり見かけなくなりました。丸帯は、表地だけでなく裏地にも同じ生地が用いられたものを言い、重厚さが特徴になっている帯です。表だけでなく裏にも織の生地が用いられるため、現在使われている帯よりもかなり重いのです。

婚礼衣装に用いられる掛下帯の生地は、繻子など薄手のものが多いので、そこまで重いと感じることはありません。白無垢に用いる掛下帯は「丸帯仕立て」ということで、丸帯のように仕立てたものになっています。

対する色打掛用の掛下帯は、「丸帯」ということで、丸帯そのものが用いられるのが一般的です。最近では、色掛下を選ばれる方も増えてきており、それに合わせてお洒落な丸帯(掛下帯)を合わせられる方もいらっしゃいます。

また、白無垢と色打掛、どちらも同じ小物類(筥迫、懐剣、末広など)を使用することになりますが、これらは共通のものを使用するケースがほとんどです。

打掛を装うのに自分で用意すべきもの

上記の打掛を装う際に必要なものの中で、レンタルが難しいものがあります。それは、直接肌に付くものです。肌着や裾除け、足袋、補正用のタオル類は自分で用意することになるケースが多いです。貸衣裳の打ち合わせの際に確認しておくと安心です。

打掛に合わせる髪型

和装に合わせる和髪というと、文金高島田がもっとも有名なものになります。江戸時代に登場した髪型と言われており、未婚女性の代表的な髪型として、特に明治時代以降に花嫁の正装髪型として定着しました。
文金高島田は頭頂部で束ねた高い髷を特徴としており、この髪型にする場合は鬘を用いることがほとんどです。簪は左右対称に付け、バランスを取るのが基本となっています。

文金高島田は、打掛のボリュームに負けない髪型であり、美しい和装姿を演出するにもおすすめの髪型です。現代では日本髪にする機会が少ないこともあり、あえて鬘の文金高島田を選ばれる方もいらっしゃいます。
文金高島田に綿帽子、文金高島田に角隠しを合わせ、和装婚礼衣装の正装として整えることができるのは、自分の婚礼の時だけです。人生の晴れ舞台をより素敵なものにしたいという方に、文金高島田の和髪は大変おすすめです。

また、地毛を使って髪型を整えたいという方の中には、髪をめいっぱい伸ばして日本髪風に結われる方、その後の洋装へのお色直しを視野に入れて洋髪にされる方、さまざまいらっしゃいます。
地毛で髪型を整えるとなるとどうしてもボリュームが出にくい場合があるので、髪飾りなどと調整しながら、打掛のボリュームに負けない髪型を作っていくのがおすすめです。事前の打ち合わせでヘアスタイリストの方としっかり相談しておくと安心ですね。

打掛の色と柄

ここでは色打掛の色や柄についてみていきます。どのような色や柄があり、どんな意味が込められたものなのか解説していきます。

色打掛にはどんな色がある?

色打掛の定番色は、赤、朱、金、黒、桜色(ピンク色)、白色ですが、最近では緑色、青色、黄色など様々な地色のものが出てきています。

色打掛でよく見る赤色や朱色は、厄除けや魔除けの意味を持つ色として用いられていました。平安時代は高い身分の人しか赤色を着ることができないなど、高貴な色としても知られ、婚礼の衣装に相応しい色と考えられてきたのです。

黒色の打掛は、「何物にも染まらない」という確固たる決意を表現するかのような色味であり、格式の高さを感じさせる色として、特に武家の婚礼で重宝されてきました。黒色は金糸や銀糸の刺繍、色染めを映えさせる良い地色でもあり、豪華な色打掛の柄や文様を引き立てるのに貢献しています。

金色の打掛は、富を象徴し、豪華絢爛さを演出するのにぴったりの花嫁衣裳です。なかなか金色の着物を着る機会というのもないので、金色が好きな方はぜひこの機会に金色の打掛を着てみてはいかがでしょうか。ウェディングドレスでは得ることのできない贅沢感に浸りたいという方にもおすすめです。

桃色(ピンク色)の打掛は、未婚女性の愛らしさを演出するのにぴったりです。赤色や黒色、金色などのはっきりした色味が苦手という方や、柔らかい雰囲気を出したいという花嫁さんにもおすすめです。

白色の打掛は、白無垢の真っ白な打掛とは異なり、色柄文様が入るので、また雰囲気が異なるものになります。白色には様々な柄が映えますが、黒色とは異なり、きつさがないため、誰にでも似合う打掛となっています。

打掛の柄にはどんなものがある?

打掛の柄には吉祥文様が多く用いられています。花嫁の幸せを願う「縁起物」が用いられており、各柄の持つ意味を知ることで、より打掛選びが楽しくなるのではないでしょうか。

鶴と亀
 「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、鶴亀は長寿の象徴として大変有名です。また、鶴は相手と生涯添い遂げることでも知られており、そこから婚礼衣装には必ず2羽以上の鶴が描かれるようになっているそうです。白無垢の地紋にも鶴は描かれていることが多く、色打掛の文様としても鶴が描かれていることは多いです。花嫁衣裳の柄といったら「鶴」といっても過言ではないほど、鶴が描かれていることが多いのです。

桜 
「神が降り立つ木」と呼ばれ、縁起の良い花木として知られています。日本を象徴する植物でもあり、人気が高いです。

牡丹 
豪華な見た目が花嫁衣裳の柄にピッタリな牡丹は、理想郷に咲く花としても知られています。「婚家が理想郷のような場所でありますように」という願いが込められたモチーフとして、婚礼衣装にはよく登場します。

宝尽くし
縁起の良い柄が詰まった文様として知られており、遊び心がありつつも、豊かな未来を彷彿とさせる縁起の良さに定評があります。花柄があまり得意ではないという方は宝尽くしなどの古典的な柄を選ばれることが多いです。

鴛鴦(おしどり) 
雄雌の仲睦まじい様子が結婚の儀にぴったりと人気の吉祥柄です。夫婦円満、良縁などの意味が込められた文様であり、花嫁衣裳にもよく登場します。

・貝 貝、特に二枚貝は一つの貝になっているところから、一生涯連れ添う夫婦の象徴として用いられることがあります。結婚する二人にとって、良い未来を象徴する柄であり、貝が描かれた打掛も多いです。

 
雲の中でも吉兆を感じさせる「瑞雲」は、デザイン性にも富み、かつ縁起の良いものとして婚礼衣装の文様に採用されていることが多いです。

打掛の歴史は室町時代から

平安時代、一般家庭の主婦のような人たちは、小袖の上からもう一枚衣(きぬ)かあるいは、小袖を引き掛けているのが主流でした。この着方が室町時代の礼装打掛へと引き継がれることになります。

室町時代になると、女性の衣類は小袖全盛期となり、より美しい生地で仕立てられるようになりました。この流れの中で、小袖を一回り大きくして、いっそう華やかなものにしたものを、通常の小袖の上に袿(うちぎ)のように打ち掛ける着方が流行るようになりました。これは「打掛」と呼ばれるようになり、女子の礼装は室町時代末に打掛を中心とした形式ができあがったのです。

ちなみに、夏は打掛を羽織っていると暑いので、打掛の上半身のみを脱いで腰回りに溜めて着る「腰巻」という着方も考案されました。座礼においては、打掛が大きく広がり華やかな印象になったこともあり、「腰巻」の着方は特に高位の武家夫人の間で流行したそうです。

白無垢と色打掛の役割の違い

白無垢姿にする場合、必ず白色の打掛を羽織ることになります。しかし、色打掛への掛け替えは任意なので、必ずしもセットで着なくてはならないというものではありません。ウェディングドレスのあとお色直しでカラードレスを着るか着ないか任意なように、色打掛も任意で選ぶことができるのです。

その中で、白無垢と色打掛の役割の違いをしっかり理解した上で、何をどのタイミングで着るか考えられると、安心なのではないでしょうか。白無垢というのは挙式で着る着物で、最も格式の高い伝統的な花嫁衣裳になります。対する色打掛は、披露宴や記念写真撮影などで華やかさを演出してくれる衣裳なのです。

最近は、お式を白無垢で行い、お色直しに色打掛を羽織る、もしくは写真の時だけ色打掛を羽織るという方が増えてきています。色打掛ではなく引き振袖に着替える方もいるなど、自由な組み合わせで和装婚を楽しまれる方が増えているのです。

打掛のレンタル料相場

ここまで打掛について解説してきましたが、実際どれぐらいの値段で借りることができるのか気になった方もいたのではないでしょうか。ここでは、打掛のレンタル料について解説していきます。

白無垢(白打掛)のレンタル料

白無垢のレンタル料は、白色の打掛込みで、だいたい35万円前後が相場となっています。式場によってはプラン内に衣裳料金がある程度含まれている場合があるので、特別な打掛を選ばない限りプラン料金内で上手に衣裳を借りることもできるでしょう。

色打掛のレンタル料

色打掛のレンタル料は、50万円前後が相場となっています。白無垢の白打掛よりも豪華絢爛ということもあり、レンタル料は白無垢のものよりも高くなっています。ただし、掛け替えといって、白無垢から白打掛を色打掛に替えて、お色直しのように装う場合は15万円前後で色打掛を借りることができるケースもあるようです。詳しくはウェディングプランナーの方に相談してみると良いでしょう。

10万円以下で借りられる打掛とは

貸衣裳の中には、10万円以下で借りられる打掛というものも存在します。値段が安いものは、品質があまり良くないものが多く、絹とポリエステルが混ざっている素材のものや化繊100%のものなど、正絹100%ではないものがほとんどです。正絹でできていないため、絹光沢は見られず、色の発色もパンチが効いたものが多いのが特徴です。あえて、着物過ぎない打掛を選びたいという方には良いかもしれませんが、正絹100%の正当な打掛を着たいという方には不向きなので、気を付けましょう。

打掛を選ぶ際のポイント

最後に、打掛を選ぶ際のポイントについて解説していきます。

式場の雰囲気に合わせる

和装婚をすると決めている場合、式場の雰囲気に合わせて打掛の色や柄を合わせてみるというのもおすすめです。同じ赤色系でも朱赤の方が会場で映えるのか、紅赤の方が会場とのコントラストが美しいのかなど、色味で迷った時には式場の雰囲気や色味と照らし合わせながら考えるのがおすすめです。

季節に合わせる

和装ならではの良さを演出するのであれば、季節に合わせた柄物を取り入れた打掛を装うのがおすすめです。結婚式というのは人生の晴れ舞台であり、日取りを決めるにもとても慎重になりますよね。選び抜いた日にちだからこそ、その季節にもこだわってみても素敵なのではないでしょうか。

桜、桃の花、藤、紅葉、菊、松、竹、梅、牡丹など、季節に合わせた縁起の良い花を組み合わせることで、より記憶に残る結婚式になりますよ。

自分に似合うかどうかで選ぶ

季節の植物柄を入れる、会場の雰囲気に合わせるといったことも打掛を選ぶ参考になりますが、何よりもまず「自分が着たいもの」を優先させましょう。一生に一度着るか着ないかの晴れ着なので、こだわり抜いて選ぶのが一番良いと言えます。同じ赤系統の着物でも実際に羽織ってみると雰囲気が変わるので、「こっちの方が自分には合っているかも」といった発見もあることでしょう。

衣裳合わせの日は必ず設けられているので、少々大変ではありますが、色々な打掛を羽織って「これだ!」というものを見つけてみましょう。地色は同じだけれど柄で迷うという時には、ぜひ季節の柄や会場の雰囲気を参考にして選んでみてくださいね。

まとめ

花嫁衣裳の「打掛」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

打掛と一言で言っても、様々な種類があることが分かりましたね。色打掛は色彩豊かで豪華絢爛であり、主役の花嫁を引き立てるのに相応しい打掛と言えます。対する白無垢の白打掛は、地紋に吉兆文様が沢山描かれており、派手さはないものの、花嫁の清純さを讃えた美しい装いとなっています。

和装婚をお考えの方、写真だけは打掛で撮りたいと思っている方、ぜひ本記事を参考に打掛選びをしてみてはいかがでしょうか。色打掛は、地色の色で雰囲気ががらりと変わります。色々なものを試して、「これだ!」と納得できる一着を見つけてみてくださいね。

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