知っておくと役に立つ「浴衣」と「着物」の違いとは?6つのポイントを徹底解説!

浴衣と着物の違いについて知らない方も多いのではないでしょうか。

似ている浴衣と着物ですが、実は浴衣と着物には多くの違いがあり、知っておくと役に立つ場面も多いです。

浴衣と着物の違いを詳しく解説していきます。

目次
  1. 歴史の違い
  2. 平安時代の「湯あみ着」を起源とする「浴衣」
  3. 平安時代の「小袖」の歴史を受け継ぐ「着物」
  4. 仕立て方の違い
  5. 夏限定の普段着だけに単衣で仕立てられる「浴衣」
  6. 季節に合わせて単衣と袷で仕立てられる「着物」
  7. 着付け方の違い
  8. 長襦袢なしと手軽に結べる帯が特徴の「浴衣」
  9. 長襦袢ありと帯揚げや帯締めが特徴の「着物」
  10. 素材の違い
  11. 時期の違い
  12. 暑い夏季限定の「浴衣」
  13. 1年中着用できる「着物」
  14. 格式と種類とシーンの違い
  15. 「普段着の着物」として重宝される「浴衣」
  16. 多彩なシーンで活用できる「着物」
  17. 正礼装(第一礼装)
  18. 準礼装(略礼装)
  19. 外出着
  20. 普段着
  21. 違いが一目でわかる!「浴衣」と「着物」の比較早見表
  22. 「浴衣」と「着物」を探すなら京都きもの市場で!
  23. 「浴衣」と「着物」をニーズに応じて使い分け楽しい着物生活を!

歴史の違い

浴衣と着物の大きな違いとして、歴史やルーツの違いが挙げられ、この違いによって、それぞれの役割も異なります。

平安時代の「湯あみ着」を起源とする「浴衣」

浴衣の起源は、平安時代にまでさかのぼります。

当時の貴族が、お風呂に入る際に着用していた「湯帷子(ゆかたびら)」と呼ばれる湯あみ着がルーツで、浴衣の語源も「ゆかたびら」の一部から取ったもの。

現代では、お風呂は裸で入るのが一般的ですが、平安時代のお風呂は現代のサウナのような蒸気を浴びる「蒸し風呂」が主でした。

そのため、火傷を防ぐことや汗を取ること、裸を隠すことなどの目的から、「湯帷子」が用いられていたと伝わっています。

その後、湯船に浸かる習慣が始まった安土桃山時代には、お風呂上りに身にまとう「湯上がり着」や「寝巻」としても、用いられるようになりました。

更に時代を経た江戸時代には、浴衣が庶民にまで広く普及。それと同時に街に出掛ける際に着る外出着へと、役割が変化しました。

明治時代に入ると、浴衣の大量生産が可能になり、より夏の外出着としての需要が増加していき、夏に欠かせない着物としてのイメージが定着していきます。

平安時代の「小袖」の歴史を受け継ぐ「着物」

着物は、平安時代に下着の代わりとして十二単の下に着ていた「小袖(こそで)」がルーツです。

「小袖」とは、袖口が小さく、袖丈が短い衣服のこと。

「十二単(じゅうにひとえ)」みたいに縫い詰められておらず袖口が広い「大袖」に対して、「小袖」と呼ばれていました。

ただ当時は、貴族など位の高い人にとっての下着であり、庶民にとっての日常着として着られていました。

鎌倉時代に入ると、今までのように大袖の下に着るのではなく、身分を問わず一番上に着用する「表着(うわぎ)」や、下着と表着の間に着る「間着(あいだぎ)」として広く着用されるようになります。

その後、室町時代になると、庶民の主な日常着(上着)として定着していて、現代の着物に通じる小袖の原型が形作られたのもこの頃です。

時代の変遷とともに、次第に下着から間着や表着へと役割が変わりました。

江戸時代には、より現代の着物の形に近くなり、文様などに趣向を凝らした小袖や振袖も登場。

振袖など袖口の大きな着物の誕生に伴って、次第に「小袖」の呼称も使われなくなりました。

仕立て方の違い

着物の仕立て方は、裏地があるかないかによって、「単衣」と「袷」の2種類に大別できます。

浴衣と着物の仕立て方の違いについて、詳しくみていきましょう。

・単衣(ひとえ)

「単衣」とは、裏地がなく、1枚の生地で仕立てられた着物のこと。

裏地がない分、涼しくて軽やかな触り心地が持ち味で、基本的に6月から9月までの夏の暑い時期用の着物に取り入れられています。

・袷(あわせ)

「袷」は、裏地が付いていることから、生地が二重に縫い合わされている着物になります。

「胴裏(どううら)」と「 八掛(はっかけ)」といった異なる2枚の生地を使用していることから暖 かいのが特徴で、主に10月から5月ころに着る着物に採用されているのが特徴です。

夏限定の普段着だけに単衣で仕立てられる「浴衣」

浴衣は夏用の着物ですので、裏地のない「単衣」で仕立てられるのが、基本です。

季節に合わせて単衣と袷で仕立てられる「着物」

着物は、1年を通して着用できますので、夏向きの「単衣」と、夏以外の時期に適した「袷」の着物の2種類があります。

着付け方の違い

浴衣と着物とでは身につけるものが異なることから、着付ける方法にも違いがあります。

長襦袢なしと手軽に結べる帯が特徴の「浴衣」

浴衣の着付けでは、着物を汗や皮脂などから守る役割の「長襦袢(ながじゅばん)」を身につけず、下着の上から着るのが特徴です。

ただ、通常のブラジャーやショーツなどの上に直接浴衣を着た際には、透けてしまう恐れがありますので、浴衣用や和装用の肌着を着用したり、衿元がやや広く開いたタンクトップや、吸水性の高い肌着を着用したりすることをおすすめします。

帯は、幅が通常の半分の「半幅帯(はんはばおび)」や柔らかく軽やかな「兵児帯(へこおび)」を使用するのが一般的。

また、「足袋(たび)」を履かずに、裸足で下駄を履くのも着物との違いです。

長襦袢や足袋が不要な点や結びやすい帯を使う点など、着物に比べると着付けの手順が少なく、初心者でも気軽に着付けられます。

長襦袢ありと帯揚げや帯締めが特徴の「着物」

着物を着付ける際には、着物専用の下着である「肌襦袢」や「長襦袢」を着用する必要があります。

衿は、汗や化粧などの汚れを防ぐための「半衿(はんえり)」をあらかじめつけておくのが特徴的です。

帯は、フォーマル用の帯である「袋帯(ふくろおび)」、一重でお太鼓が結べるように袋帯を簡略化した普段使いの帯である「名古屋帯(なごやおび)」を、更に帯の上に「帯揚げ」や「帯締め」を結ぶのも浴衣との大きな違いになります。

足元は、必ず足袋を履くのがマナーです。

浴衣と比べると着付けの手順が多いですが、色やデザインが豊富にそろう半衿や帯揚げ、帯締めを使用することで、浴衣と比べるとより華やかな印象に仕上がります。

素材の違い

浴衣の素材は綿と麻、着物は絹が主な素材です。浴衣と着物では、素材も異なりますので、浴衣と着物の代表的な素材について、一つずつ紹介します。

・綿

「コットン」とも呼ばれる生地で、サラサラとした着心地が特徴です。

・麻

肌触りがさらりとしている点と繊維が硬く肌に張り付きにくい点の特徴です。

・綿麻

綿に麻を混ぜた繊維素材で、麻の通気性の高さと綿のシワになりにくいという両方の良さを兼ね備えているのが特徴です。

・正絹(しょうけん)

手間ひまがかかった天然の絹100%で作り上げられる上質な生地で、上品な光沢としなやかさが特徴です。

・ポリエステル

石油から作られる化学繊維の生地で、摩擦や水に強く、自宅で洗濯できるのが特徴です。

・ウール

羊毛を用いた生地で、シワになりにくく、手入れしやすいのが特徴です。

時期の違い

浴衣と着物の気になる時期の違いについて、詳しく説明していきます。

暑い夏季限定の「浴衣」

浴衣は、主に6月から9月までの暑い時期のみの夏限定の着物になります。

金魚や花火、紫陽花など夏の風物詩が描かれていたり、白と水色など清涼感のある色合いが多く使われたりしていることも、夏におすすめの理由です。

1年中着用できる「着物」

対して、着物には、裏地のある「袷(あわせ)」、裏地のついていない「単衣(ひとえ)」、「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」をはじめとする、風通しのよい「薄物(うすもの)」などの種類があります。

着物の着用時期として袷は10月から4月、単衣は6月と9月、薄物は7月と8月が基本です。

格式と種類とシーンの違い

着物には、分かりやすく分類すると、「正礼装(第一礼装)」「準礼装(略礼装)」「外出着」「普段着」といった4つの「格」があります。着物の格式と種類によっても相応しい着用シーンが異なるのが特徴です。

「普段着の着物」として重宝される「浴衣」

実は、浴衣は着物の一種であり、格式は普段着になります。

そのため、花火大会や夏祭り、納涼会など夏ならではのイベント時の着物としてはぴったりですが、結婚式や入学式などのフォーマルな場面には向きません。

多彩なシーンで活用できる「着物」

一方で、着物には礼装や晴れ着、外出着など色々な格式の着物があり、シーンに応じた着物を選ぶことで、結婚式や披露宴から、成人式、パーティー、お茶会まで幅広いシーンで着用できます。

正礼装(第一礼装)

「正礼装」は、和装の中で最も格式の高い装いで、冠婚葬祭のような儀式や祭典に相応しい正式な和装です。

正礼装の主な着物の種類

正礼装の代表的な着物は、以下の3種類です。

・黒留袖(くろとめそで)

裾に模様が描かれた黒を地色とする着物。既婚の女性などミセスの着物の中で、一番格式が高い着物です。

・色留袖(いろとめそで)

地色が黒以外で、裾に文様が入った着物。未婚か既婚かを問わずに幅広く着用でき、五つ紋を入れることで、正礼装になります。

・振袖(ふりそで)

未婚の女性の着物の中で、最も格式の高い着物。袖が長い点と華やかな絵羽模様(1枚の絵のような縫い目を超えて柄が描かれた模様)が入っている点が特徴。卒業式には、振袖に袴を合わせるコーディネートが人気です。

準礼装(略礼装)

「セミフォーマル」と呼ばれる「準礼装」とは、正礼装に次ぐ格式の和装であり、正礼装に準ずる装いのことを意味しています。

準礼装の主な着物の種類

準礼装の主な着物としては、以下の3種類が挙げられます。

・訪問着(ほうもんぎ)

未婚か既婚かに関係なく着用できる着物で、縫い目を超えて柄が連なる絵羽模様が印象的な着物でもあります。

・付け下げ(つけさげ)

訪問着に似た着物ながらも、柄が縫い目を超えないようデザインされた着物。訪問着に比べると柄が少ないのも特徴です。

・色無地(いろむじ)

黒以外の一色にそめられた着物で、柄のない無地の着物です。

外出着

「外出着」は、フォーマルな着物ほどではないものの、少し格があるものから趣味の場面に適したものまで、日常の様々な場面でおしゃれに着こなせる着物です。

外出着の主な着物の種類 

外出着の主な着物は、以下の3種類です。

・小紋(こもん)

着物全体に、同じ柄や文様が繰り返し描かれている着物で、江戸小紋や加賀小紋、京小紋などが有名です。

・御召(おめし)

「御召縮緬(おめしちりめん)」を略した着物。先染めである御召糸(おめしいと)を用いた着物で、織りの着物の中で一番格式の高い着物です。

・絞り(しぼり)

日本の伝統的な絞りの技術を取り入れた着物。生地を糸でくくりつけたり、器具を挟んだりと、職人が一つずつ手間ひまかけて生み出される着物としても知られています。

普段着

「普段着」は、和装の中で最も格式の低い着物であり、日常生活やちょっとした外出時などにもってこいの着物でもあります。

普段着の主な着物の種類

普段着の代表的な着物としては、以下の3種類が挙げられます。

・絣(かすり)

絣柄が出やすいようあらかじめ染め分けされた絣糸を交差するように織られる着物。文様の輪郭がかすれたように見える点と作りが丈夫な点という特徴を持っています。

・紬(つむぎ)

紬糸を用いた落ち着いた光沢が印象的な織物の着物であり、糸を先に染めるのが特徴の着物でもあります。大島紬や結城紬が有名です。

・浴衣

着物に似た作りの夏に着るための薄手の着物。着物の中では、一番カジュアルであり、身近でもあります。

違いが一目でわかる!「浴衣」と「着物」の比較早見表

浴衣と着物の違いが一目でわかるように、基本的な浴衣と着物の違いについて、早見表にまとめました。

浴衣着物
歴史平安時代の湯あみ着 湯帷子平安時代の下着小袖
仕立て方単衣単衣袷
着付け方長襦袢なし帯揚げなし帯締めなし長襦袢必要帯揚げ必要帯締め必要
身に着けるもの半幅帯兵児帯袋帯名古屋
足袋履かない履く
履物下駄草履雪駄
素材綿麻綿麻ポリエステル正絹 木綿  自然布ポリエステルウール など
時期6月~9月の夏限定通年 6月と9月は単衣 7月と8月は薄物 10月~4月は袷
シーンカジュアルフォーマル セミフォーマルカジュアル

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レンタルは着物や帯、バック、草履、小物などのフルセット、購入は仕立てやコーディネートなど安心のサービスもあり、浴衣と着物を探している方にはもってこいです。

「浴衣」と「着物」をニーズに応じて使い分け楽しい着物生活を!

この記事では、歴史や素材、時期など6つのポイントに分けて、浴衣と着物の違いについて、まとめました。

夏ならではの普段着である浴衣は着物よりも涼しく着られる上に着付けが楽な点、着物は種類が豊富で季節やシーンを問わずに1年中着用できる点など、それぞれに良いところがあります。

浴衣と着物の違いや特徴を把握したうえで、自分に合った和装を選び、大人の着物生活を満喫してください。

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