身長別に目安となる裄丈もお教えします!
●導入
着物を仕立てるとき、レンタル着物を選ぶときなどには、自分の「裄丈」「身丈」を知っておく必要があります。そこで「裄」「裄丈」「身丈」について、基本的な知識をまとめました。着物を着るときのために自分の寸法を知っておきましょう。
●裄、裄丈とは何?
着物を仕立てる場合や、レンタル着物を選ぶ場合などで、必ず知っておきたいものは、自分の「身長」と「裄」です。
着物の各部名称
「裄(ゆき)」とは、着物の部分の名称です。裄の寸法が「裄丈(ゆきたけ)」です。
着物において、裄とは「きものの背縫いの最上部から、肩山を通り、袖口までの寸法。肩幅に袖幅を加えた長さ」を指します。
「袖丈」は袖の長さです。
●身丈とは何?
「身丈」とは、「着物の身頃の袖の長さ」を指します。必要な身丈は身長から簡単に割り出せます。
女性は身長とほぼ同寸、男性は、身長−26~27cm(または身長×0.83~0.85cm) と考えます。
女性と男性で着物の身丈が違うことに注意しましょう。理由は、女性は着付けの違いからです。女性はおはしょりとよぶ、腰の部分にタックをとって着付けをしますが、男性はおはしょりをとった着付けをしないたけです。
●裄丈の測り方は?
裄とは、背中側の首の付け根の骨から、手首の骨のところまでの長さを測ります。測り方にはいくつか方法があります。測り方は男女で共通です。
1.手を水平に上げて、首の付け根から、手首の骨までを測る
2.両手を水平に上げて、両手くるぶしの間を背中側から測り、1/2にする
3.手を45°の角度にのばして、首の後ろの骨から手のくるぶしまでを計った寸法に。
1.が従来からの一般的な測り方です。
2.も半分にするわけですからほぼ同じです。
3.の方法で測ると、1.や2.よりも裄丈は少し長くなります。最近は少し長めの裄を好む方が多いことからよく用いられています。
「これが絶対正解」というものはありません。また、好みで裄丈を増減してもかまいません。
●裄は長めがいいの?短めがいいの?裄のサイズ感について
着物を日常的に着ていた時代は、裄が長いと動作の邪魔になるため、短めに仕立てる傾向がありました。
今は着物は晴れ着として着る方が多いこともあり、長めの裄を好む方が多くなっています。
洋服の長袖は、腕を筒状に生地が覆っているので気になりませんが、着物は袖がありますから、裄があまり長いと動作のときに袖が邪魔になりやすく、汚れやすかったり引っかかったりする場合があります。洋服の長袖の感覚であまり裄丈を長くすると、動きにくさの原因になることがありますので注意しましょう。
●裄の合わない着物はどうする?着てもいいの?
親族や知人、レンタルショップなどから借りる場合や、譲られたきものやアンティーク着物などで、自分の裄と合わない着物はどうすればよいしょうか。
気に入った着物なら、極端に裄丈が合わないようでなければ、裄が短めでも着て問題ありません。ただ、少し注意をすると動作の際や着姿がきれいに見えます。
裄の短めの着物をそのまま着る場合は、
・所作に気を付けて、動作のときにあまり腕が出すぎないようにする。
・をやや開いて着るなど、着付けを工夫する。
・逆に少し小さいことを利用して着こなしを工夫するのも一案です。
長手袋をする、中に長袖シャツなどを着るなど。
裄の短い着物を着る場合、長襦袢の裄丈と揃っているか確認を。上にコートや羽織を着る場合も、裄丈は揃っている方がきれいです。
着物の裄丈が自分の寸法と極端に合わない、自分で着こなしやすい着物にしたいという場合は、着物のサイズ直しをするのがおすすめです。袖や肩まわりを一部縫い直すだけで対応できる場合もありますし、着物を全部解いて仕立て直した方がよい場合もあります。
ただし、希望の裄丈に仕立て直せない場合もありますので、詳しくは呉服店や仕立ての専門家に相談しましょう。
●身長別に目安の裄丈と身丈を割り出せます
和裁では「標準寸法」というものがあり、標準的な体形を想定して、身長から各部の寸法を割り出した数値があります。身長がわかれば、標準寸法から目安となる身丈と裄丈が計算できます。(鯨尺[1尺=約38cm]の寸法で計算)
女性の着物の場合
身長 着物の寸法
身長155cm →身丈:155cm(4尺1寸) 裄:64cm(1尺7寸)
身長160㎝ →身丈:161cm(4尺2寸5分)裄:66cm(1尺7寸5分)
身長165cm →身丈:165cm(4尺3寸5分)裄:68cm(1尺8寸)
男性の着物の場合
身長 着物の寸法
身長165cm →身丈:140cm(3尺7寸) 裄:70cm(1尺8寸5分)
身長170cm →身丈:144cm(3尺8寸) 裄:72cm(1尺9寸)
身長175cm →身丈:148cm(3尺9寸) 裄:74cm(1尺9寸5分)
着物を仕立てる場合は、この数値をもとに、体型(ふくよか・やせ型・怒り肩など)や、着る人の好みなどによって、各部分の寸法を調整します。
現在は昔よりも体格が良い人が多くなったので、以前に作られた反物や、一般的な反物では裄が足りない場合があります。その場合は裄が短めなことを承知で少し小さめに着物を仕立てるか、またはキングサイズ等、幅広く織られた反物もありますので、その中から選びましょう。
●まとめ
着物は、着付けで調節できるので、その人にぴったり合ったサイズでなくても、ある程度は融通を聞かせて着ることができるのが大きな利点です。しかしやはり自分の体形の寸法に合った着物は着付けもしやすく、すっきりと美しく着こなせます。
自分の寸法を知って、着物を仕立てるときや借りるときに役立てて、着物を楽しんでくださいね。
