男物の和服というとどんなものが思い浮かぶでしょうか。粋な着流し姿という人もいれば、かっちりとした黒紋付羽織袴をイメージする人もいることでしょう。
しかし、実際に男性の和装姿を目にする機会というのは、女性の和装姿を目にする機会よりも圧倒的に少なく、男性にとって和装へのハードルは高くなってしまっているというのも事実です。
本来、和服はそこまで肩肘張って着るものでもありません。むしろ、着流しスタイルなどはすぐにでも日常生活に取り入れられる簡単な装いになっているのです。
今回は、男性の和服の種類、シーン別の着こなし、ワンランク上の装いについて解説していくので、ぜひ参考にし、日常に和服を取り入れてみてください。
男物の着物の特徴について

ここでは、男性の着物はどのような形でどのように装うのか、また女性の着物との違いは何かについてまとめています。
男性の和装では着付け小物が少ない
男性の着物は、女性の着物よりも種類が少ないだけではなく、身に着ける小物や着付け道具類も少ないことが多いです。
例えば、女性の着付けでは必ず伊達締めというものを用いますが、男性の着付け小物に伊達締めが必要になることはありません。しかも、女性の場合、長襦袢の上に伊達締め、着物の上にも伊達締めを締めるので、最低でも2枚は必要になるのです。伊達締めを2枚締めるという工程が無いだけでも、男性の和装着付けは女性のものよりも楽であるとも言えるかもしれません。
また、女性は帯を締める際に、帯板、帯枕、帯揚げ、帯締めといった小物を用いますが、男性が帯を締める際には何も小物を用いないといった違いがあるのです。男性は身体に沿わせて帯を巻き、結ぶだけで帯結びが完成するので、全体的に早く着付けることができます。
こうしたことから、「男性は和装をするにも準備が楽で良いですね」と仰る女性の方は意外と多くいらっしゃいます。
男性の着物の特徴
女性の着物とは異なり「お端処理(おはしょり)」がありません。「対丈」といって、お端処理を作らずに、そのまま打ち羽織るって着られるのが男性の着物になります。仕立てる際には、首の付け根のぐりぐりから足のくるぶし(くるぶしの真ん中あたり)までの長さを身丈として測ります。
また、女性の着物に見られる身八つ口が男性の着物にはないということも男物の和服の特徴と言えます。小さい子供の着物や女性の着物には身八つ口という空きが脇下に見られますが、男性の着物ではその部分は縫い閉じられています。これは、帯を締める位置の高さの違いにその理由にあるようです。
女性の帯は幅があり、アンダーバスト辺りに帯の上線が来るよう高めに締めるのが一般的ですが、男性の帯は女性の帯幅の1/3ほどしか幅もなく、かつ下目に締めるので、上半身は楽に動かすことができるのです。女性はアンダーバストまで帯で締めるので、腕の自由が利きにくくなってしまうのですが、身八つ口に空きがあることで、ある程度自由に腕を動かすことができるよう工夫されています。
また、授乳の際にも身八つ口の空きは重要になってくるのですが、授乳の必要がない男性には身八つ口は必要ないのです。むしろ、身八つ口が空いていると、脇及びその下部分が丸空きになってしまい、肌が見える事態になってしまうので、やはり男性には身八つ口は不要だということが分かります。
ちなみに、子供の着物には男女共に身八つ口があります。これは胸紐を通すため、また活発な子供の運動を妨げないため、温度調整ができるための工夫とされています。
男性の着物の種類

男性の着物の種類は大きく分けて4つあります。正装(紋付羽織袴)、準礼装(色紋付羽織袴)、略礼装(御召や紬)、普段着(浴衣や麻の着物)で、それぞれ色や素材にルールがあり、知っておくと安心です。ここで詳しく見ていきましょう。
正装|黒紋付羽織袴
男性の正装や準礼装には必ず紋付羽織と袴を着けます。正礼装には、黒い羽二重の無地に染め抜き日向五つ紋付きの着物、同じ紋付の羽織、縞の仙台平の袴を合わせます。着物や羽織生地に黒の羽二重を用いるのがもっとも正式で、夏の薄物の場合は絽素材を用います。
男性の正装である黒紋付羽織袴の装いは、慶事と弔事の両方で着ることができますが、合わせる小物の色目が異なるので注意が必要です。慶事用では、羽織紐と半衿、雪駄の鼻緒は白色に統一しますが、弔事用では羽織紐を黒やグレーにし、半衿は白色やグレーに、鼻緒は黒色に変えて装います。
女性の色留袖的な位置付けで、黒の羽二重ではなく、紺や茶、グレーといった色無地の羽二重の着物と羽織に仙台平の袴という装いにすることもあります。五つ紋付きで正礼装と同格の着物として装うことができます。
【慶事の黒紋付羽織袴を装う際に必要なもの】
着物(五つ紋付)・・・黒の羽二重素材のもの
半衿・・・慶事には白色の塩瀬羽二重のもの。
羽織(五つ紋付)・・・黒紋付の羽織は着物と同じ黒羽二重素材のもの。羽織の裏は白の羽二重にするのがもっとも正式。
羽織紐・・・慶事の正式なものは丸組の白い組み紐。
帯・・・博多織や西陣織など正絹の角帯。色は白色が基本。
袴・・・正装の袴は白と黒の縞織の「仙台平」。縞が細いほど年配向き。かつて産地は仙台であったことからこの名が付いたが、今の産地は米沢となっている。
末広(祝儀扇)・・・地紙は表裏共に白が正式で、そこから「白扇」と呼ばれることもある。扇の骨は竹素材を用いる。
履物・・・履物は、畳表の雪駄。慶事で使用する際の鼻緒は白色。
和装下着・・・白色の肌襦袢、白色のステテコ、派手過ぎない長襦袢。
和装小物・・・腰紐。衿のはだけが気になる場合は衿止めを用いる。
準礼装|色紋付羽織袴
色紋付羽織袴とは、黒色以外の紋付の羽織袴の装いになります。五つ紋のものは黒紋付羽織袴と同格になりますが、三つ紋付や一つ紋付のものは準礼装として装うことができます。女性の着物で言うところの三つ紋付色留袖や一つ紋付色留袖といった位置付けです。
三つ紋付の色紋付羽織袴を装う際には、半衿は必ずしも白色でなくても良く、白に近い色味のものを合わせることができます。袴に関しても仙台平を合わせて格調高く装うだけではなく、無地のものを合わせて装うこともできるのです。ただし、三つ紋付の色紋付羽織袴という装いは、あくまでも礼装のものになるので、フォーマルという枠から外れないラインで袴選びをしてみると良いでしょう。
羽織紐に関しては、黒紋付羽織袴の場合は白色と決まっていますが、色紋付羽織袴に合わせる羽織紐は必ずしも白色でなくても問題ありません。三つ紋付の色紋付羽織袴の場合は、羽織と同色系の無地のものを選ぶのが無難で、全体的に統一された色味のコーディネートでまとめることができます。ただし、五つ紋付の色紋付羽織袴に関しては、黒紋付羽織袴と同格に装うものなので、羽織紐は白色とするのが良いです。
色紋付羽織袴は黒紋付羽織袴に比べて自由な装いができますが、あくまでも礼装用の装いという枠からはでません。そのため、基本的に小物の色は黒紋付羽織袴に準じて白色を基本とするということは覚えておくと良いでしょう。時と場に応じて、白色に近い色味のものにしてみたり、着物や羽織と同色系のものを用いてみたりしつつ、和装のファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。。
【色紋付羽織袴を装う際に必要なもの】
着物(五つ紋付)・・・黒以外の色物の羽二重素材のもの
半衿・・・慶事には白色の塩瀬羽二重のもの
羽織(五つ紋付)・・・着物と同じ色の羽二重素材のもの。
羽織紐・・・正式なものは丸組の白い組み紐だが、生成りなどの色物でも可。
帯・・・博多織や西陣織など正絹の角帯。色は白色が基本。
袴・・・礼装の袴は白と黒の縞織の「仙台平」。少しカジュアルに装う場合は色付きの仙台平も可。
末広(祝儀扇)・・・地紙は表裏共に白が正式で、そこから「白扇」と呼ばれることもある。扇の骨は竹素材を用いる。
足袋・・・白色のものを合わせる
履物・・・履物は畳表の雪駄。慶事で使用する際の鼻緒は白色。
和装下着・・・白色の肌襦袢、白色のステテコ、派手過ぎない長襦袢。
和装小物・・・腰紐。衿のはだけが気になる場合は衿止めを用いる。
略礼装~普段着|紬や御召
男性のお洒落着として着られるのが紬や御召になります。女性の着物とは異なり、染めではなく織の着物が略礼装の装いなのです。
紬や御召を着る際には、一般的に袴を着けないスタイルにしますが、和の発表会やお茶席の月釜、気軽なパーティーなどでは袴を着けて装うのがおすすめです。
半衿や足袋などの小物には基本的に色物を用います。色物といっても着物や帯の色味に合わせたものを選び、例えば着物がこげ茶ならば、半衿にはくるみ染め色を選ぶなど、微妙な色合いの変化を楽しむのも男物の和服の醍醐味と言えます。
また、よりカジュアルに装う際には、羽織も着けない着流しスタイルにします。特に暑いシーズンに和服を着る場合は、よほどきっちりした席に出席する場合以外は着流しスタイルにする方がほとんどです。羽織を羽織らない着流しスタイルは、同じ着物を着ていても、いつもとはまた違った雰囲気が出せるので、装いの違いを楽しむことができますよ。
【紬や御召を装う際に必要な物】
着物・・・紬やお召、木綿のものが多い。お洒落着として着る際には紋は入れない。
羽織・・・着物と同じ素材や色味にする必要はなく、シーズンや気候に合わせて素材を選ぶ。裏地(八掛など)には凝った染め模様が入った羽織を選ぶのがお洒落。
半衿・・・塩瀬羽二重、縮緬地などの素材。色は着物、もしくは羽織と同系色で合わせる。
帯・・・角帯が一般的だが家庭でくつろぎたい時、街着として気軽な装いを楽しみたい時には兵児帯を合わせて粋な装いとする。
足袋・・・色物を合わせる。
履物・・・雪駄や下駄。鼻緒は色物を選ぶ。
バッグ・・・合財袋(信玄袋)や巾着
和装下着・・・白色の肌襦袢(普段着として装う場合は、洋装の薄手U字Tシャツでも可)、白色もしくはグレーや紺色のステテコ、小紋柄など遊び心がある長襦袢が粋。
和装小物・・・腰紐。衿のはだけが気になる場合は衿止めを用いる。
普段着(夏)|浴衣
夏祭りや夕涼みの和の装いに代表される男物の和装と言えば、浴衣でしょう。浴衣は夏祭りで着るのはもちろんですが、浴衣のパーティーや夏のパーティーなどでも浴衣は重宝します。
浴衣の原点は室町時代まで遡ることができ、足利将軍が湯上りに着た麻の着物が浴衣の始まりだったとされています。江戸時代には庶民の間で夏のくつろぎ着、部屋着として大流行し、浴衣が発展しました。当時の色遣いは白と藍色のみで、素材が木綿というのが基本でした。現在でもこの伝統にのっとって、一般的な浴衣の素材は綿コーマと呼ばれる平織の木綿地が用いられます。白色と藍色のコンビネーションは清涼感があり、今なお人気の色味です。また、年代性別を問わず着られる色味というのも人気の理由の一つと言えるでしょう。
男物の浴衣の伝統的な模様というと、トンボ、ひょうたん、縞や格子、源氏車などがありますが、中には男女兼用で用いられる柄もあります。
浴衣の下には基本的に長襦袢は着けず、足も素足に下駄というのが一般的です。しかし、よそ行きの浴衣の装いをする場合は、長襦袢や足袋を着け、格上げされた浴衣姿に仕上げます。
夏の歌舞伎を鑑賞する際も、浴衣姿での鑑賞が歓迎されます。その際には、夏の着物としてきちんと浴衣を着ることが求められ、足袋や襦袢、角帯と合わせて装います。これを歌舞伎の観賞用浴衣などと呼ぶこともあります。
浴衣に合わせる帯は、角帯、兵児帯がありますが、よそ行き着としての浴衣、観賞用浴衣として装う際には角帯できちんと感を出すのが望ましいです。木綿浴衣には木綿の角帯を、上等な麻の浴衣には絹の博多織の角帯を合わせ、着物と帯の格を統一させるのがおすすめです。
ちなみに、ズボン下のステテコ類は基本的に必要ないのですが、白地の浴衣を着用する際には白いステテコを履いていた方が安心です。
【浴衣を装う際に必要なもの】
着物(浴衣)・・・木綿素材のもの。
帯・・・かっちり決めるのであれば角帯、リラックスした装いにするのならば兵児帯。
履物・・・素足に下駄。
足袋・・・装う場に応じて着用
襦袢・・・装う場に応じて着用
バッグ・・・合財袋(信玄袋)や巾着
和装下着・・・洋装用の肌着や薄手のU字Tシャツ。濃い色味の浴衣の下であれば黒色のものを用いても可。白地の浴衣の下には白色のものを用いる。ステテコは基本的に不要だが、白色の浴衣を着る際必要。
和装小物・・・腰紐。
男性の帯の種類

男性の帯は、礼装からよそ行き着まで使える角帯、主に浴衣に合わせて用いる兵児帯があります。
角帯
角帯と一言で言ってもその素材はさまざまで、正絹、木綿や麻、化繊などがあります。正絹のものは博多織や西陣織、桐生織、米沢織などが有名で、いずれも絹独特の光沢感が目を引く帯になっています。木綿や麻素材のものは締めやすく、メンテナンスもしやすいということから、お稽古用、普段用に用いられる方が多いです。化繊素材のものは発色が良く、独特の色柄、またリバーシブルでも楽しめるということから若い方に人気のあるものとなっています。
最近では女性の作り帯のようなワンタッチ式の角帯もあり、帯結びに自信がない方でも簡単に帯が巻ける便利なものも出ています。また、和モダンを意識した、ベルトと角帯を融合させたユニークな帯もあります。こちらは、和装のみならず洋装でも用いることができるので、普段のファッションに取り入れてみても面白いかもしれません。
一般的に角帯を結ぶ際には貝の口と呼ばれる結び方にすることが多いです。それ以外にも浪人結びや一文字結びなどがあります。
兵児帯
兵児帯の素材には、正絹のものと化繊のものがあります。正絹の兵児帯は、絹光沢が美しく、ややフォーマルな席にも合わせられる帯になります。化繊素材の兵児帯は、色の発色、色のバリエーションが豊かなのが特徴で、自宅で洗ってメンテナンスもできてしまう帯なのです。よりカジュアルに浴衣を着たい時、発色の良い色味を取り入れた浴衣の装いを楽しみたい時、また汚れる心配がある時に、化繊素材の兵児帯は大変重宝します。
小物の使い分け
男物の着物の粋な着こなしには、小物の使い方がものを言います。小物でトレンド感やこなれ感を出して、和装を楽しむのはいかがでしょうか。
羽織紐
羽織紐は、女性の帯締めのような位置付けにあり、素材も同じ組紐で、丸組と平組の両方があります。女性同様、丸組の方が正式なものです。
また、男性の羽織紐には、黒紋付羽織袴に用いるような房が目を引く丸組の羽織紐以外に、中央に玉を通した「無双」と呼ばれる、アクセサリー感覚のものもあります。こちらは普段用に用いるためのものであって、礼装の際には用いません。
羽織紐の付け方は、2つあります。紐の両端にS字形の金具(鐶)が付いているものは羽織の乳(羽織紐用の輪で、胸のあたりにある)に引っ掛けて付けることができ、基本的に羽織紐を結ぶ必要はありません。
紐の両端にS字の金具がないものは、金具の代わりに小さな輪があるので、これを乳に通して付けます。この時、羽織紐が結んである状態では乳に輪を通すことができないので、一度羽織紐の結びを解いてから羽織紐を付け、再度自分で羽織紐を結ぶことになります。
羽織紐の結びは慣れないと難しいものもあるので、着物初心者の方はできるだけS字の金具がついた羽織紐を選ぶようにするのが良いでしょう。
半衿
半衿は慶事の黒紋付羽織袴(もしくは五つ紋の色紋付羽織袴)に合わせる時のみ白色です。それ以外は色物にするのが一般的です。色味は着物もしくは羽織と同色系の淡い色合いにして、グラデーションを楽しむのが粋なコーディネーションになります。着流しスタイルのみ、衿に少し違う色味を入れて、パンチをきかせた装いを楽しむことができます。半衿は基本的に無地のものが用いられますが、中には細かな縞や格子柄のものもあります。
半衿の色合いを変えるだけで、顔映りや雰囲気が随分変わってくるので、色々試してみるのも面白いです。
足袋
礼装用、準礼装用の足袋は白色が基本です。それ以外では無地の色足袋を合わせて装います。半衿の色と足袋の色を合わせる統一感のあるファッションや、足元を暗い色で締めるカッコいいコーデなど、その日の気分や装うシーンに応じて足袋の色も変化させてみると良いでしょう。
足袋の素材はキャラコ以外にも別珍などがあり、シーズンで使い分けている方も多いです。
バッグ
礼装にバッグは持ちませんが、お洒落着にはバッグを合わせるのが男性の和服姿の定番になっています。バッグには合財袋や巾着を選び、ちょっとした荷物や貴重品を入れられる大きさのものにすると便利です。色味は半衿に合わせた色味にすると統一感のあるコーデになり、ちょっとした遊び心を入れたいというのであれば、着物や半衿とは違った落ち着きのある色味を取り入れてみるのも良いでしょう。
履物
礼装用の履物は、白い鼻緒の畳表の雪駄と決まっています。お洒落着には畳表の雪駄か、革製の雪駄、漆塗りの下駄や桐の下駄などを合わせます。お洒落着用の履物の鼻緒は着物の色や足袋の色に合わせて決めることが多いです。足袋の色味に同化させると履物の存在感は薄れ、逆に履物の存在感を出したいということであれば、鼻緒の色味で強調してみるのが良いでしょう。全体の色バランスを考えながら選ぶようにすると、素敵なコーディネートに整います。
シーン別の着こなし

ここまで男物の和服の種類などについて解説してきましたが、今一度ここでシーンごとの和装の着こなしについてまとめていきます。
結婚式(花婿や花婿花嫁の父)
結婚式の主役である花婿は黒紋付羽織袴の最礼装で結婚式にのぞみます。花嫁の父や花婿の父が和服で出席する場合も黒紋付羽織袴というスタイルが一般的です。
叙勲式
黒紋付羽織袴の最礼装は、叙勲式の時にも用いられます。厳粛な場において黒紋付羽織袴の重厚感ある格式高い装いは大変相応しいものとなっています。
結婚式(来賓)や宴席
結婚式に来賓として出席する際、宴席に参加する際には、三つ紋の色紋付羽織袴や一つ紋の色紋付羽織袴がおすすめです。女性の三つ紋色留袖や一つ紋色留袖、一つ紋付訪問着などと同じような位置付けで装うことができ、格式高い場に相応しい装いとなっています。
紋の数が少なくても同じ黒色の紋付羽織袴では主役と被ってしまうので避け、落ち着いたグリーンの着物や羽織、茶系の着物や羽織で装うのがおすすめです。
会合
会合など、集まりに参加する際に和服を装うのであれば、御召や紬の着物に角帯と羽織を合わせたスタイルが良いでしょう。羽織を羽織ることで着流しほどラフにならず、洋装でいうところのジャケットをしっかり着こんだスーツ姿のような装いになります。
濃い色味のものを着ると重厚感が増し、薄い色味のものを着ると軽快さが出るので、装う場に応じて着分けてみるのが良いでしょう。
お稽古
普段のお稽古には、紬に角帯だけという着流しスタイルで臨むのも良いでしょう。羽織を羽織らない、少しラフな格好にはなりますが、洋装でいうところのTシャツにジーンズのような装いと同じなので、普段着の着方としては問題ありません。
花火大会や夏祭り

花火大会や夏祭りには浴衣を着て、涼やかに装ってみましょう。浴衣に角帯、もしくは兵児帯を合わせて、清涼感のある装いにまとめるのがポイントです。ただし、ラフな着こなしを追求し過ぎると、はだけてしまう恐れがあるので、気を付けたいところです。もしはだけが心配な場合は、浴衣の代わりに甚平で花火大会などに行くのも素敵です。甚平は和服の一種とは言え、比較的洋装に近い格好にはなるので、着物初心者の方でも手が出しやすい装いと言えます。帯結びに自信が無いという方、はだけが心配という方は甚平を選んで、涼やかに着こなしてみましょう。合財袋を持つことでお洒落度もアップしますよ。
また浴衣は、メンズ浴衣のレンタル、カップル浴衣レンタル、グループ浴衣レンタルなどさまざまな形でレンタルできる場所が増えてきています。浴衣を持っていないけれど着てみたいという時には、浴衣や着物のレンタル店を利用してみましょう。普段手に取らないような色味の浴衣を合わせてみたりすることで、自分に似合う着物の色味を新たに開拓できることもありますよ。
羽織の着分け方
羽織はフォーマルな場では着るべきものになりますが、襦袢、着物に羽織と重ねて着ていると正直暑くて辛いという方もいらっしゃることでしょう。暑いシーズンにも羽織は着るものなのでしょうか。
結論からすると、羽織は洋装でいうところのジャケットに位置するものなので、正式な場ではどんなに暑くても着用する必要があります。
羽織は着物同様、季節によって素材を着分けます。具体的には10月から4月頃までが袷の羽織のシーズンで、5月6月や9月頃の女性が単衣を着るシーズンには単衣の羽織を着るのが一般的です。盛夏と呼ばれる7月8月には絽や紗の羽織を羽織るのですが、暑い6月9月でも紗の羽織を羽織る場合があります。
冬場の寒い時期などには、ウールやカシミヤの羽織が重宝され、コート感覚で用いられます。絹素材の羽織はやはり格が高くなるので、普段使いするというよりはよそ行き着として用いるのがおすすめです。代わりに普段は木綿など軽やかに装えるものが大変便利です。木綿は絹に比べてカジュアルな素材になるので、遊びに出掛ける際、ちょっとそこまで出掛ける時などに大いに役立ってくれます。
正式な場に出席する際には羽織は必須になってきますが、それ以外のカジュアルな場であれば、5月から9月下旬ごろまで着流しスタイルでも問題ないとされています。
まとめ
男物の和服について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
女性の和服のように、格やルールの縛りがあることが分かりました。しかし、女性の着物ほど種類が多いわけではないので、比較的分かりやすかったのではないでしょうか。
浴衣の着流しスタイルに始まり、男性の和装に挑戦したいという方は、ぜひ本文を参考にしながら、普段の生活の中にも和服を取り入れてみてください。
