菊水紋とは?柄の由来や意味、種類などについて分かりやすく解説!

振袖や訪問着、黒留袖など格式の高い着物によく用いられる菊水紋。

着物の柄として人気の菊水紋は、古くから日本で愛される菊紋の一つです。

菊水紋について、由来や意味などを詳しく解説していきます。

目次
  1. 「菊水紋」とは?
  2. 菊水紋の種類一覧
  3. 皇室のシンボルである紋章「菊紋」
  4. 武将「楠木正成」の家紋として親しまれる「菊水紋」
  5. 戦国武将である楠木正成の家紋「菊水紋」の由来
  6. 楠木正成を祀る神社の神紋としても用いられる「菊水紋」
  7. 菊水紋の着物に季節はある?
  8. 中国から伝来した重陽の節句と菊水伝説
  9. 菊水紋と組み合わせることの多い縁起柄
  10. 菊水紋がデザインされることが多い着物とは?
  11. 着物を選ぶなら京都きもの市場 着物宅配レンタルで!
  12. 菊水紋の着物を身にまとってフォーマルな場に出掛けよう!

「菊水紋」とは?

「菊水紋(きくすいもん)」とは、菊の花や菊の葉をモチーフにした「菊花紋」と、水の流れを図案化した「水紋」を組み合わせた紋のことです。

上半分が16枚の花びらを持つ「十六葉菊紋(じゅうろくようぎくもん)」を半分に切った「半菊紋(はんぎくもん)」を、下半分が流水を表していて、水の流れに浮かぶ半菊をイメージ。

「流れ菊」「菊の遣り水」の別名でも親しまれています。

菊水紋の種類一覧

菊水紋の種類は、主に以下の6種類です。

・葉付き菊水

菊水紋に菊の葉を加えた「葉付き菊水」は、菊の花と葉が水中から顔を出している様子を描いた文様です。

・総花菊水

「総花菊水」とは、菊水紋のように菊の花と水の流れが重なるのではなく、十六葉菊の下に流水をデザインした模様のことです。

・変り菊水

「変り菊水」は、上半分に半菊紋を、下半分に幾何学模様に曲げた水の流れを円形に描いたデザインです。

・亀甲に菊水

「亀甲に菊水」は、外側に亀の甲羅をモチーフにした六角形の亀甲を描き、その中心に菊水紋を配した文様になります。

・井桁に菊水

「井桁に菊水」とは、井戸をイメージした井桁の中心に、菊水紋を配したデザインのことです。

・二雁に菊水

「二雁に菊水」は、二羽の雁の下に三輪の菊と流水を描いた模様。丹波の大芋氏の家紋として知られています。

皇室のシンボルである紋章「菊紋」

菊水紋のベースとなる菊紋は、日本の天皇家を表す家紋としても有名です。

もともと、古来の天皇家では、太陽と月を象った2つの球形を並べた「日月紋(じつげつもん)」の紋を使用していました。

太陽は天照大神(あまてらすおおみかみ)を、月は月読尊 (つくよみのみこと)​​ を意味していると考えられていて、皇室の氏神であり日の神でもある「天照大神」にちなんでいたのです。

しかし、鎌倉時代の後鳥羽上皇は菊好きであり、自身の持ち物に好んで菊の文様を取り入れたと伝わっています。

それ以降の深草天皇、亀山天皇などの天皇も、後鳥羽上皇の意思を受け継ぎ、日月紋よりも菊の紋を愛用したことから、次第に皇室を象徴する紋章として定着したのが始まり。

現在の天皇家の御紋は「菊花紋章」であり、花びらが16枚描かれていることに由来して、「十六八重表菊」とも呼ばれています。

明治元年(1868年)に、菊紋の使用について定めた法令が発令されていて、一般の社寺でも神殿や仏堂の装飾に紋を使用できますが、個人や社寺以外の団体の使用については厳しく制限。

現在、家紋「十六葉八重表菊」を使用できるのは、皇室と社寺だけに限られています。

ちなみに、花びらの数が異なる「十葉」「十二葉」「十四葉」といった菊の文様もあります。

武将「楠木正成」の家紋として親しまれる「菊水紋」

皇室の象徴である「十六葉八重表菊」をアレンジした菊水紋は、戦国武将「楠木正成(くすのき まさしげ)」の家紋としても知られています。

では、なぜ、一介の武将に過ぎなかった楠木正成は、菊水紋を家紋として使用できたのでしょうか。

ここからは、菊水紋が楠木正成の家紋となるまでの歴史について、ご紹介します。

戦国武将である楠木正成の家紋「菊水紋」の由来

楠木正成は、河内(現在の大阪府中部)出身の豪族で、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての戦国武将です。

後醍醐天皇に忠誠を誓う正成は、千早城の戦いや建武の乱などの戦で華々しい活躍を遂げ、天皇による古典的な政治体制の復活を目指す新政策「建武の新政」でも天皇を支えました。

正成の忠義に感謝を覚えた後醍醐天皇が、正成に菊花紋を下賜したといわれています。

ところが、天皇と同じ紋を使用するのは恐れ多いと感じた正成は、菊花紋を生かしたオリジナルの紋を生み出しました。

 それが、「菊水紋」の起源です。

菊水紋は、もともと楠木正成の家紋として、甲冑や着物、身の回りの品などに刻印されていました。

時代を経る中で、菊水紋を取り入れた工芸品などが作られるようになり、次第に着物の文様としても広く定着したと伝わっています。

楠木正成を祀る神社の神紋としても用いられる「菊水紋」

「菊水紋」は、楠木正成が愛用していた家紋であったことから、正成ゆかりの2つのスポットでも見られるのが特徴。

1つが、正成を主祭神として祀る兵庫県神戸市の「湊川神社(みなとがわじんじゃ)」です。

神社の紋章である神紋も「菊水紋」であり、お参り後には菊水紋が押印された御朱印を拝受できます。

もう1つが、楠木家の氏神として知られる大阪府にたたずむ「建水分神社(たけみくまりじんじゃ)」。

境内には正成を祀る摂社「南木神社」も鎮座していて、こちらでも菊水紋入りの御朱印をいただけます。

菊水紋の着物に季節はある?

着物文様としての菊水紋は、もともと、秋の風物詩である菊と流水がモチーフであることから、着用する時期には注意が必要です。

菊の花の絵が単体で写実的に描かれている場合には10月から11月までの秋時季のみ菊の花が図案化されていたり、他の文様と一緒に描かれていたりする場合には季節に関係なく1年中着用できます。

中国から伝来した重陽の節句と菊水伝説

菊は中国発祥の花で、奈良時代に遣唐使によって日本に伝えられた花。

平安時代には貴族の間で菊花鑑賞が流行ったり、以降の天皇にも好まれたりと、日本の国花になるほど、時代を超えて多くの人に愛されています。

平安時代に伝来したとされる「重陽の節句」は、最も大きな陽(奇数)である9が重なる「重陽」の9月9日に不老長寿を願う行事。

「菊の節句」とも呼ばれ、古くから菊の宴の際には「菊酒」と呼ばれる菊の花びらを入れた酒を飲んだり、菊の花を愛でたりする習慣がありました。

菊が誕生した中国には、「菊が群生している地から流れ出た水を飲むと長寿になる」という言い伝えがあり、菊を用いた菊水紋も不老や長寿へと通ずる縁起のよい着物文様として知られています。

菊水紋と組み合わせることの多い縁起柄

菊水は長寿や延命にご利益があると伝わる吉祥柄であり、着物に同じ縁起物と一緒に描かれることで、よりめでたさが増します。

ここでは、菊水紋と組み合わせることの多い吉祥柄とその意味について、説明していきます。

・麻の葉(あさのは)

正六角形を規則的に並べた「麻の葉」は、植物の麻の葉に似ている模様です。麻の葉は成長が早い上に、真っ直ぐ成長することから、「子どもの健やかな成長」に繋がるとして、古くから赤ちゃんの産着に描かれてきました。麻の葉は神事にも使用される神聖な植物であるため、「魔除け」の意味も持っています。

・扇(おうぎ)

扇は広げると末広がりの形になることから、招福や開運、繁栄などの意味を持つ縁起物。

着物に身につけたり、仰いだりと、昔から身近な道具であり、着物には半開きの状態、閉じた状態、開いた扇子の中に更に柄を描くなど、色々な形の文様があります。

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・御所車(ごしょぐるま)

「牛車」の名でも知られる「御所車」は、平安時代の貴族や皇族の乗り物。車輪が回り続けることが、「永遠」に通ずるとして縁起が良いといわれています。また、華やかさや富の象徴と考えられていて、振袖や留袖など格式の高い着物に描かれる柄です。「牛車」の名でも知られる「御所車」は、平安時代の貴族や皇族の乗り物。車輪が回り続けることが、「永遠」に通ずるとして縁起が良いといわれています。また、華やかさや富の象徴と考えられていて、振袖や留袖など格式の高い着物に描かれる柄です。

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・鳳凰(ほうおう)

大きな羽と長い尾が特徴的な「鳳凰」は、伝説上の生き物。奈良時代から愛されてきた柄であり、繁栄や平和、夫婦円満の象徴といわれています。

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・熨斗(のし)

もともと贈り物に添えていた熨斗鮑(のしあわび)をモチーフにした「熨斗」は、吉祥文様の一種。繁栄や幸福、この上なく縁起のよい柄として人気を集めていて、 熨斗を重ねた「束ね熨斗」の柄も有名です。

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菊水紋がデザインされることが多い着物とは?

菊水紋がデザインされる着物は、主に振袖訪問着色留袖小紋の4種類です。

・振袖

未婚女性の第一礼装にあたる「振袖」は、色とりどりの菊の花と流水に加えて、御所車、扇などの縁起物が華やかに描かれます。

・黒留袖

結婚式で新郎新婦の親族が着用することが多い「黒留袖」は、菊水紋とともに、鳳凰や華文などの格調高い模様が、ブルーやパープルなど落ち着いた色味で描かれることが多いです。

・色留袖

フォーマルなシーンで大活躍の「色留袖」は、裾周りにだけ菊水紋と一緒に、宝尽くしや松竹梅などのおめでたい柄が描かれるのが特徴です。

・小紋

普段着として着用される「小紋」には、穏やかな水面に浮かぶ菊の花の文様が、着物全体に繰り返し描かれます。

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菊水紋の着物を身にまとってフォーマルな場に出掛けよう!

本記事では、菊水紋の意味や由来、紋がよく使用される着物の種類、菊水紋と組み合わせたい縁起柄などについて、分かりやすくまとめました。

菊水紋は、楠木正成の家紋として誕生して以降、武将や武士が愛用してきた紋章であり、縁起物として和装に盛んに取り入れられてきた模様でもあります。

菊水紋は訪問着や振袖など格の高い着物によく使用されていますので、縁起のよい菊水紋の着物を身につけて、フォーマルな場に出掛けてください。

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